幕末を駆け抜けた「坂本龍馬」の理をもって、経営の難問と対峙する〜時代に先駆けたビジネスの革命児でもあった龍馬にみる、経営のヒント〜

 2016.05.27  クラウドERP編集部

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土佐郷士株を持つ富裕な商家に生まれた坂本龍馬。土佐藩の武士の中では身分の低い下士の出身でありながら、幕末という大きな時代のうねりの中で、倒幕や大政奉還に向けて大きな業績を成し遂げました。龍馬のそうした先進的思想や行動は、政治的な側面だけでなく、ビジネスという分野でも数々の革新を起こしています。

今回は、明治維新に向けた代表的な業績に触れつつ、龍馬が成し遂げた“ビジネスの革新”にフォーカス。時代や環境の変化に対応するためには、現代のビジネス経営において何が重要なのか?龍馬の行動から、そのヒントが見えてきます。

日本の新たな夜明けに向けた龍馬の活躍

日本の新たな国づくりに果たした龍馬のさまざまな活躍。その代表として知られるのが「薩長同盟の締結」と新国家構想「船中八策」です。当時不仲であった大藩同士の盟約と民主主義と近代国家への道筋を示した2つの業績について、まずご紹介します。

薩長同盟締結における竜馬の貢献

武力を用いることなく平和的な方法による倒幕を望んでいた龍馬は、薩摩藩と長州藩の間を仲介して、幕府に対抗できる大きな力を持つ“薩長同盟”の盟約締結に尽力しました。当時、犬猿の仲の薩摩藩と長州藩。盟約締結後も薩摩藩に強い不信感を抱いていた長州藩の桂小五郎は龍馬に書状を送り、盟約の内容に間違いがないか、履行の裏書きを要求。龍馬は一介の浪士でありながら、送られた書状に「相違なし」と朱筆して、国家の歴史を変える大藩同士の同盟における証人となったのです。

「船中八策」による竜馬の貢献

長崎で海難事故の交渉を終えた後、後藤象二郎とともに京都に向かう「夕顔丸」の船中で、新国家構想として龍馬が示した8項目が「船中八策」です。

  1. 天下ノ政権ヲ朝廷二奉還セシメ、政令宣シク朝廷ヨリ出ヅベキ事・・・大政奉還
  2. 上下議政局ヲ設ケ、議員ヲ置キテ万機ヲ参賛セシメ、万機宜シク公議二決スベキ事・・・議会開設
  3. 有材ノ公卿諸侯及ビ天下ノ人材ヲ顧問二備エ官爵ヲ賜ヒ、宜シク従来有名無実ノ官ヲ除クベキ事・・・官制改革
  4. 外国ノ交際広ク公議ヲ採リ、新二至当ノ規約ヲ立ツベキ事・・・条約改正
  5. 古来ノ律令ヲ折衷シ、新二無窮ノ大典ヲ撰定スベキ事・・・憲法制定
  6. 海軍宜シク拡張スベキ事・・・海軍の創設
  7. 御親兵ヲ置キ、帝都ヲ守衛セシムベキ事・・・陸軍の創設
  8. 金銀物貨宜シク外国ト平均ノ法ヲ設クベキ事・・・通貨政策

龍馬が起草したこの「船中八策」は、新政府の綱領として受け継がれました。

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維新への貢献だけでなく、ビジネスの革新にも手腕を発揮

明治維新への貢献で広く知られる龍馬ですが、グローバル対応のビジネスモデルの創出やアクシデントに対するリスクマネジメントなど、先進的思想をもとにビジネスの分野でも従来にない卓越した手腕を発揮しました。

日本初の商社「亀山社中(後の海援隊)」の設立

薩摩藩の支援を受け、龍馬が中心となって近代の株式会社に類似した組織である「亀山社中」を1865年5月、長崎に設立。日本初の商社として、運輸・交易・開拓・投機などの活動をスタートさせました。設立わずか3ヵ月後の8月には、薩摩藩名義でグラバー商会から海外製の銃7,000丁以上を買い付けて、長州藩へ斡旋したといわれています。外国から大量の武器輸入では、「価格交渉」「在庫確認」「輸送」「通関」「納品」「決済」などのプロセスを踏んだ商取引が行われたと考えられます。海外を相手にした新しいビジネスモデルや商取引をいったいどのように実現したのか。「亀山社中」の商社活動を大きく支援したといわれるのが、グラバー商会でした。

日本初の海難裁判「いろは丸沈没事件」

「亀山社中」が『海援隊』と改称した後の1867年4月、海援隊が運用する蒸気船「いろは丸」が、紀伊藩の軍艦「明光丸」と衝突。大破した「いろは丸」は、積み荷を乗せたまま沈没しました。この事件に対する海難裁判で龍馬は、「万国公法(国際法)」をもとにして、紀伊藩を厳しく追及し、結果として83,000両余りの賠償金(現在価値に換算すると、約25~42億円)を紀伊藩が支払うことで決着。後に減額されて、70,000両が支払われました。
後の調査では、「いろは丸」には龍馬が主張した通りの積み荷が乗せられていなかった可能性もあり、「賠償金の水増し請求」「賠償金詐欺」といった見方もあるようです。

「亀山社中」が行った商社活動における業務プロセスやノウハウ、「いろは丸沈没事件」における「万国公法」の引用など、それまでの日本になかった近代的なビジネスモデルをいち早く実践した龍馬は、明治維新に向けた革命児であるだけでなく、時代に先駆けたビジネスの革命児でもあったのです。

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龍馬の業績の背景にある、すぐれた「情報収集力」と先を読んだ「分析・判断力」

新たな国づくりに向けた貢献やビジネスの革新。そうした龍馬の活躍のバックボーンにあるのが幅広い人材との交流と、そこから得られた時勢の最新情報です。武市半平太や後藤象二郎、中岡慎太郎など、出身の土佐藩志士との親交をはじめ、高杉晋作や桂小五郎、西郷隆盛など、当時不仲であった長州藩・薩摩藩の重要人物との交流もありました。また、江戸幕府の幕臣である勝海舟、軍学者・思想家の佐久間承山、さらにはイギリスの武器商人トーマス・グラバーなど、その人的ネットワークは多岐にわたります。国内や世界情勢、海運・海軍の重要性、砲術、オランダ語など、龍馬は多くの人々との交流を通して、さまざまな最新情報や幅広い知見を得たことが想像できます。

また、江戸遊学をはじめとして長崎、長州、熊本、下関、京都など、各地へ自ら足を運んで時勢の視察やさまざまな交渉を行っています。幅広い人間交流や自らの足で得たさまざまな「情報」をもとに、国内の情勢や国のあるべき未来を「見える化」したことで、龍馬の先を読んだ的確な「分析・判断」が可能になったのです。幅広い「情報収集」、情況全体の「見える化」、そして的確な「分析・判断」。こうした龍馬の行動規範は、時代を越えて現代の経営戦略のヒントにもなります。

「変化」に敏感で、チャレンジを恐れない龍馬の「実行力」にも注目

現状維持を求めるか。時代や環境の変化に合わせて柔軟な対応を図るか?これからのビジネス経営に、龍馬の姿を重ね合わせて考えてみましょう。高杉晋作から送られたという拳銃の携帯、当時では珍しいブーツの愛用、さらには日本初と言われる愛妻お龍との薩摩への新婚旅行。「新しモノ好き」という見方もできますが、刀よりも拳銃の方が武器としての攻撃力が高い、国内各地をとび回る龍馬にとっては草履やワラジをよりもブーツの方が機能的など、そのスタイルは理にかなっています。志士として日本の革新や従来にないビジネスの革新など数々の業績の根底には、龍馬自身に新しさや変化を受容する精神と行動力があり、それが新たな変革や価値を生み出す力になっているとも言えます。変化を恐れるのではなく、さまざまな変化に柔軟に対応しながら、時代に見合った新たな価値を生み出して行く。そうした成長戦略が現代の企業経営にも求められています。

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