月残業時間上限は45時間!「時間外労働の上限規制」を解説

 2022.04.28  クラウドERP編集部

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働き方改革関連法案が2019年4月から施行されました。その中で月残業時間上限が明記されています。これまでは対象外だった中小企業にも規制が及んでいます。使用者が従業員を雇用する際には、月残業時間上限などの法律による決まり事を守らなければなりません。本記事では、上限規制についての概要や変更点などを解説します。

月残業時間上限は45時間!「時間外労働の上限規制」を解説

月残業時間上限にも影響する時間外労働の上限規制の適用とは?

2019年4月から大企業に対する規制が開始されました。2020年4月からは対象範囲が拡大して、中小企業に対しても規制が及ぶようになりました。まずは、時間外労働の上限規制の内容から解説していきます。

時間外労働の上限規制が2020年4月から中小企業に適用された

2018年に公布された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」により、時間外労働の上限規制が定められました。2019年4月からは大企業に対する規制が開始、2020年4月からは中小企業も対象となっています。

この法律が施行される以前では、時間外労働を無制限に行わせることができました。一方、現在は月残業時間上限が45時間・年360時間と定められています。臨時的な特段の事情がない限り、これを上回ることはできません。

労働者に限度時間を上回る時間外労働をさせた場合は、罰則の対象になります。なお、例外として労使間で36協定を結んでいる場合は、一定時間までは上限を上回っても罰則の対象になりません。

時間外労働の上限規制から猶予・除外されている業種もある

月残業時間上限が定められている一方で、猶予または除外されている業種も存在します。該当する業種は以下の通りです。

  • 建設事業のうち災害の復旧・復興の事業のみ:5年猶予(2024年4月から適用)
  • 自動車運転の業務:5年猶予(2024年4月から適用)
  • 医師:5年猶予(2024年4月から適用)
  • 鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業:5年猶予(2024年4月から適用)
  • 新技術・新商品等の研究開発業務:除外

現在、自動車運転に携わる方ならびに医師などは、深夜勤務や人手不足などが理由で適用が猶予されていますが、2024年4月からは規制の対象になります。

新技術・新商品等の研究開発業務は、業務の特殊性により規制から除外されています。ただし、上限を上回る時間外労働をさせる際は、割増賃金の支払いや医師の面接指導を受けるなどの義務が課されます。

時間外労働の上限規制で変更になった内容

時間外労働の上限規制で変更になった内容は、どういったものなのでしょうか。ここでは、押さえておきたいポイントをいくつか紹介します。特に経営者は、これまでにはなかった罰則規定が新設された点に注意する必要があるでしょう。

原則として月残業時間45時間・年360時間が上限

時間外労働の上限規制で押さえておきたいポイントは、原則として「月残業時間45時間・年360時間」が上限と法律ではっきりと明記された点です。法定労働時間を上回る時間外労働をさせるためには、労使間で36協定を結ぶ必要があります。この点は法改正前と変わりません。

法改正前は36協定を結んだ際の時間外労働に「行政指導として」の上限はあったものの、法律では何も明記されていませんでした。しかし、今回の法改正によって、上限が「法律ではっきりと明記」されたことがポイントです。

36協定の特別条項を結んでも時間外労働に上限がある

臨時的で特別な事情がある場合は、労使間で36協定の特別条項を結ぶことで、上限を上回る時間外労働をさせることができます。

これまでは、労使間で36協定の特別条項を結べば、年間6ヵ月は上限なしの残業をさせることができる状況でした。しかし、今後は36協定の特別条項を結んだ場合でも「年間6ヵ月・月100時間・複数月平均80時間・年720時間」が時間外労働の上限になります。

時間外労働の上限規定に違反すると罰則がある

以前は、時間外労働の上限規定に違反した場合でも、罰則による強制力は特にありませんでした。一方で今後は法律を守らないと、使用者に対して6ヵ月以下の懲役もしくは、30万円以下の罰金が科されるようになりました。36協定や36協定の特別条項を結んだ場合でも、上限規定に違反すると罰則の対象になるため、経営者は適切な労務管理を実践することが大切だといえます。

月残業時間上限を超えないよう管理するために押さえておきたい用語を解説

経営者が適切な労務管理をするためには、改正後の労働基準法などの法律や「働き方改革」の内容などをしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、時間外労働の上限を超えないようにするために押さえておきたい用語について解説します。

「法定労働時間」と「所定労働時間」の違い

「法定労働時間」は労働基準法に明記されている労働時間なのに対して、「所定労働時間」は企業が個別に決めた労働時間です。法定労働時間は「1日8時間・週40時間以内」で、「休日は毎週少なくとも1回与える」と労働基準法第32条に明記されています。一方で、所定労働時間は労使間で結んだ雇用契約に明記している労働時間のことです。始業から終業までの時間から休憩時間を引いた時間のことを指します。

算出するときに注意・「残業」の定義とは?

残業時間を集計する際には「法定労働時間」を上回る時間についてのみ行います。法定労働時間は「1日8時間・週40時間以内」なので、これを上回る場合は残業に該当するということです。残業は「所定労働時間」を上回る時間ではないという点には注意が必要です。例えば、所定労働時間が1日7時間の場合、法定労働時間である「1日8時間・週40時間以内」を上回った分のみが残業として集計されます。

算出するときに注意・「休日労働」に該当する休日とは?

休日労働の日数や時間を集計する際には、労働者が「所定」の休日に働いた時間ではなく、「法定」休日に働いた時間を集計します。労働基準法第35条で、休日は毎週少なくとも1回与えることが必要と明記されています。会社が定めた「所定」の休日に関係なく、週1回または4週4回の「法定」休日に労働した時間を休日労働として集計するということです。

36協定特別条項の「複数月平均80時間」の考え方

労使間で36協定の特別条項を結ぶと、「年間6ヵ月・月100時間・複数月平均80時間・年720時間」が時間外労働の上限になります。36協定特別条項に関して、正しく理解することが大切だといえるでしょう。

「複数月平均80時間」とは、6ヵ月以内の複数月で月残業時間上限の45時間以上の残業になる場合は、そのいずれでも残業時間を平均80時間以内に収めなければならないという意味です。

「いずれでも」というのは「2ヵ月平均・3ヵ月平均・4ヵ月平均・5ヵ月平均・6ヵ月平均それぞれがいずれでも」という意味であり、いずれかでも平均80時間を上回ると、労働基準法違反になるということです。

働き方改革の参考になる海外の残業事情

日本で残業時間の上限が明確に定められるようになったのは「働き方改革」の一環です。では、海外の残業事情はどうなっているのでしょうか。

海外では、長時間労働者の割合が日本より低いにも関わらず、生産性が高い傾向にあります。その理由として、「労働時間の上限が明確」「成果主義」「タスク管理の徹底」などが挙げられます。海外では限られた時間を有効活用して、生産性の向上に繋げているということです。

さらに、海外は法律で労働者を守るという意識が高く、労働時間の上限が明確に定められています。加えて、限られた労働時間で最大限の成果を出すという成果主義や、タスク管理が徹底している点などが社員一人あたりの生産性向上に繋がっているといえるでしょう。

日本でも「労働者不足」「出生率低下」「労働生産性の低さ」から働き方改革の取り組みが始まり、働き方改革関連法案が2019年4月から施行されました。経営者は法律を遵守するだけでなく、海外事情を取り入れるなどして、自社の残業を減らし生産性を向上させる取り組みを進める必要があるといえます。

まとめ

働き方改革の一環として、これまでは対象外であった中小企業にも規制が及ぶようになりました。法律を守らないと懲役刑または罰金刑に処せられてしまいます。経営者にとって、上限規制を守り、適切な労務管理を行うことは重要なことだといえます。

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