原価計算における配賦(はいふ)とは?

 2019.12.04  クラウドERP編集部

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今回は、原価計算における“配賦(はいふ)”についてご紹介します。what-is-allocation

原価計算における“配賦(はいふ)”の意味

会社で管理する原価の中には、製造やサービスに直接的に関係する直接費、直接的な関係はない間接費が含まれています。これらの費用を適切に原価として計上するためには、ある基準に従って部門や製品ごとに振り分ける必要があります。これが配賦です。

たとえば4つのチョコレートを製造するのに120円の費用がかかったとします。1個あたりの原価を単純に考えれば、30円になり、これが一般的な計算方法です。

 

チョコA

チョコB

チョコC

チョコD

合計

コスト

30円

30円

30円

30円

120円

ただし、配賦のやり方にもいろいろとあります。単に合計コストを均等に割り振るのは荒いやり方なので、ある基準を作ります。たとえば「高価な原料であるカカオの使用量によって配賦する」という基準を作ると、配賦は次のように変化します。

 

チョコA

チョコB

チョコC

チョコD

合計

カカオ使用率

100g

80 g

70 g

50 g

300g

コスト

40円

32円

28円

20円

120円

この配賦基準を適用するための計算式は次のようになります。

 

100g÷(100g+80g+70g+50g)×120円=40円

 

会社ごとに規定する基準によって費用を部門ごとや製品ごとに振り分ける。配賦を実施することで、原価計算をより正確に行い、製品やサービスにかかる原価を把握し、コントロールできるようになります。

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原価の種類

原価にはさまざまな種類があります。原価計算をより正確に行うためには、原価の種類をすべて把握した上で費用を適切に分類することが大切です。原価の種類は大きく分けると①固定材料費、②変動材料費、③固定労務費、④変動労務費、⑤固定経費、⑥変動経費の6つがあります。固定費と変動費、材料費・労務費・経費というカテゴリでこれを説明していきます。

固定費

商品・販売・サービスにかかった費用のうち、売上に関係なく発生する費用のことを固定費と呼びます。たとえば飲食店におけるテナント賃料は、売上に関係なく一定金額の支払いが必要です。この他にも光熱費や人件費などが主に固定費に分類されます。

変動費

そして変動費とは、売上の増減に応じて金額が変動する費用のことを指します。たとえば飲食店における原材料費は、商品を販売(=製造)するごとに必要なものであり、売上が上がれば必然的に材料費も増していきます。場合によってはこの限りではありませんが、大まかな原材料費は変動費に分類されるでしょう。

材料費

商品の製造やサービスを提供するためにかかった費用のうち、原材料費・部品購入費・物品費などが材料費に該当します。このうち固定的に発生するものを「固定材料費」、変動的に発生するものを「変動材料費」と呼びます。

労務費

従業員の給与や福利厚生など、商品製造やサービス提供のためにかかる人件費が主に該当します。そのうち社員等に関係するのが「固定労務費」、アルバイトなど臨時的に雇用する人材に関係するのが「変動労務費」となります。

経費

材料費と労務費以外の費用はすべて経費に該当します。ただし、販管費や財務費は原則含みません。主な項目としては設備等にかかった費用を指します。そのうち固定的に発生するものを「固定経費」、変動的に発生するものを「変動経費」と呼びます。

配賦基準から設定する

原価計算の精度を上げるためには、精確な配賦が必要です。しかし、配賦はあくまで費用を合理的に配分するためのものであり、細かすぎる基準を設けると計算作業が複雑になり、原価計算が非効率的になる可能性があります。

一般的に配賦基準として採用されることが多いのは“部門別配賦”や“製品別配賦”です。ただし、部門別の次に製品別という順で計算したり、その逆だったり、配賦の計算方法は企業によって違います。まず大切なのは、自社に適した配賦基準を定めることです。

部門別配賦は費用を“直接部門”と“間接部門”に分けて、間接部門の費用を直接部門に配布していきます。さらに、部門別配賦によって集計された費用を製品別に配賦していきます。さらに、部門別配賦には“直接配賦法”と“階梯式配賦法”、それと“相互配賦法”といった3つの方法があります。

直接配賦法は保持部門の費用を直接部門だけに配布する方法であり、直接部門だけに配布基準率を定めるものとなります。階梯式配賦法は直接部門や間接部門に優先順位を設け、順位の高いものから配賦計算していく方法です。相互配賦法とは補助部門費を一次配賦したのちに、製造部門だけに二次配賦する方法です。

製品別配賦とは、直接製品に負荷できない費用を製品別に配賦することです。配賦の基準となるのは人員数や直接費用、直接工数、設備稼働時間などがあります。これらの基準を定め、その基準に従って費用を製品ごとに振り分けます。この方法では部門別計算を省略し、個別の配賦基準によって製品に配賦するため、計算時間を短縮できます。

原価計算の必要性

配賦は原価計算をより正確に行うためのものです。しかし、なぜそこまで原価計算を実施する必要があるのでしょうか?

●予算管理

予算を編成するにあたり、計画の根拠となる資料として原価計算が必要です。販売計画案、利益計画案を立てるためにも原価計算が不可欠です。

経営計画の策定

原価は経営意思決定に大きな影響を与えるものです。すべての製品の原価を把握することで、今後力を入れて販売すべき製品や販売縮小製品が分かります。要するに、儲かる製品と儲からない製品を把握するのに欠かせません。

財務諸表の作成

証券取引所に上場している企業は、株主や債権者に向けて1年間の財務状況に報告するために、財務諸表を作成します。その際に損益計算書や賃借対照表、製造原価証明書が必要になるので、原価計算は欠かせません。

適切価格の決定

原価に利益額を加算したのが販売価格です。原価を把握せずに適当な価格を決定すると、製品が売れても利益が立ちません。あるいは、適正価格から外れてしまい、製品が売れない事態が発生する可能性があります。

コスト削減

標準原価と実際原価を算出し、その差異分析を実施することで原価に潜む問題を把握し、コスト削減に取り組みます。

ERPによる原価計算

配賦基準を作り、原価計算を正確に行っても工数がかかり過ぎてタイムリーな原価情報が把握できないのならば、意味はありません。原価は常に変動するものなので、生きた情報を手にする必要があります。

そのためにおすすめなのがERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹システム)です。ERPは部門ごとに分散している基幹システムを統合した製品で、システムごとに相互連携が取れているためデータのやり取りを非常にスムーズに行うことができます。

さまざまなシステムから原価計算に必要な情報を集約することで、タイムリーな原価把握を実現し、原価計算も自動化できます。もちろん、配賦を自動的に実施する機能もあるので、ERPによる原価計算が促進します。

原価計算を正確に実施したいという場合は、この機会にERPをご検討ください。

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