在庫管理の効率化には、使いやすい「在庫管理表」の活用がおすすめです。本記事では、現場で使える在庫管理表の無料エクセルテンプレート5選を紹介します。また、在庫管理の基本的な意味、エクセルで在庫管理を行う際の注意点、在庫管理の方法に限界を感じた場合の対処法なども解説します。紹介している在庫管理表テンプレートはそのままでもアレンジしてからでも使用できます。ぜひ自社にとって使いやすい在庫管理表を見つけてください。
在庫管理とは
在庫管理とは、店舗や倉庫にある商品などを適切に管理する業務です。売上や仕入れに直接関連がある業務のため、適切に行われていないと企業の業績にも影響します。また、余剰在庫や在庫不足による販売機会の損失といった問題の発生を防げます。
在庫管理はあいまいな記憶ではなく、実際の在庫数をデータに残し、誰でも確認が可能な「見える化」が重要です。そのため、エクセル（Microsoft Excel）の表を使用する方法もあります。ただしエクセル表を使用する場合は、項目不足、関数が埋め込まれていないなど、作成者のスキルによって表の特徴や使いやすさが大きく変わります。より使い勝手のよい在庫管理表がほしい場合は、「テンプレート」を使用するのがおすすめです。
【無料】おすすめの在庫管理表エクセルテンプレート5選
インターネット上には、無料でダウンロードして使用できる、さまざまな種類のエクセル在庫管理表のテンプレートがあります。
1. オラクル「商品別在庫管理テンプレート」
ERPの世界トップクラスのシェアを誇る米国の大手IT企業オラクル（Oracle）が提供する、エクセル版の在庫管理表テンプレートです。ERP構築支援で蓄積したノウハウを活かして作られている、大手企業でも活用しやすい完成度の高さが特徴です。保管している商品の現在の在庫状況までトレースできる本格的なExcelテンプレートで、JANコード、ブランド、 ブランドコード、サイズ、サイズコード、商品コード、価格（税込み、または税抜き）など、さまざまな項目を使用して在庫管理を行えます。
商品別在庫管理テンプレート(Excel形式・無料)
商品毎に仕入数と出庫数を管理するためのExcelテンプレートをご用意しました。商品毎に仕入数と出庫数を入力すると在庫数が表示されるため日々の在庫管理ができるようになります。
2. ミロク情報サービス「bizocean （ビズオーシャン）」
財務会計システムで有名なミロク情報サービスが運営する無料ビジネステンプレート集「bizocean（ビズオーシャン）」では、在庫管理表だけで60本以上のテンプレートを公開しています。小売店から飲食店向けなど、幅広い業界業種のニーズに合った在庫管理表をそろえています。在庫管理表、在庫・発注管理表、棚卸管理用など、シンプルな管理表から複雑なものまで目的別のテンプレートがラインナップされているので、いくつかダウンロードして実際に使用してみることをおすすめします。
ダウンロード：bizocean（ビズオーシャン）
3.商品別在庫管理テンプレート（Excel形式・無料）
商品ごとに仕入数と出庫数を管理するためのExcelテンプレートをご用意しました。商品ごとに仕入数と出庫数を入力すると在庫数が表示されるため日々の在庫管理ができるようになります。
4. Microsoft「Office テンプレート」
意外と知られていませんが、Microsoftのサイトではいくつかの管理表テンプレートが提供されています。在庫管理表の各種テンプレートは、視認性もよく使いやすい仕様です。ダウンロードをしてから、表の色を好きな色に変更、自社のロゴを追加するなど、Office機能を使ったアレンジにも対応しています。そのほかにも、顧客管理表や経費管理表、売上管理表、タスク管理表、企画書などさまざまなテンプレートがあります。営業・販促ツール、人事・経理書類、社内文書などもあり、幅広いシーンで活用できます。
ダウンロード：Office テンプレート
5. smartsheet「無料の在庫管理表テンプレート」
「無料の在庫管理表テンプレート」は、SaaS型ワークマネジメントサービス「smartsheet」を展開するSmartsheet社製のテンプレートです。ビジネスでも個人でも使用できるさまざまなタイプの在庫管理表テンプレートを公開しています。テンプレートは、カスタマイズ可能なシンプルな在庫管理表と印刷可能な在庫管理表をはじめ、レストラン在庫、機器在庫、衣料品在庫、IT在庫、車両在庫など種類ごとに多数用意されています。自由にカスタマイズして使用し、管理する製品に応じて種類を選択するといった使い方が可能です。
ダウンロード：smartsheet
6. Richo（リコー）「Print Out Factory」
コピー機大手のリコーが運営する、無料テンプレートを配布しているサイト「プリントアウトFactory」でも、エクセルの在庫管理表テンプレートのダウンロードが可能です。横書きの表だけでなく縦書きの表もあるため、自社での使用時に使いやすい方を選択し手軽にダウンロードして使えます。在庫管理表以外にも、見積書や注文書などの各種取引文書、日報・報告書、届出・申請書、組織図、名刺などさまざまな種類があります。ビジネス向けの表や図、ラベルといった用途が異なるテンプレートが豊富にあるサイトです。
ダウンロード：Print Out Factory
エクセルテンプレートで在庫管理を行う場合の注意点
エクセルテンプレートでの在庫管理には、手入力の際にミスが起きやすい、共有で管理する場合には向いていないなど、気を付けるべき点もあります。
手動入力なのでミスが起きる
エクセルで在庫管理を行う場合、在庫数をデータ化するため人の手で表に入力しなければなりません。人が目で確認した製品をエクセルの表に手入力していくため、データの入力漏れ、商品名・数字の見間違いや入力間違いなどが生じやすい点に注意が必要です。作成した在庫管理表に間違いが多いと在庫管理の際に支障が出てしまうものの、管理するべき在庫の点数が多いとヒューマンエラーが発生しやすくなります。入力や管理などのミスを削減するためには、作業工程の見直しや、環境の整備といった十分な対策をとることが大切です。
共有管理には不向きである
在庫管理表のエクセルファイルを共有管理する場合、ファイルを共有サーバーなどに保存して管理するのが基本です。ただし、エクセルの在庫管理表を共有して使用する場合、一部の機能が使えなくなることがあります。ファイルの共有時には表の同時編集が難しかったり、共同で更新できなかったりする場合もあり、リアルタイムでのデータ活用ができません。データを入力後、更新した時点で最新の情報が共有ファイルに反映されるため、更新まで行わないと最新データを確認できないなどのデメリットもあります。また、閲覧・入力時の操作ミスでデータが変更されたり、削除されてしまったりといったトラブルなどにも注意が必要です。
エクセルテンプレートの在庫管理に限界を感じた場合の対処法
エクセルテンプレートを用いた在庫管理が難しい場合は、在庫管理システムの使用がおすすめです。充実した機能で効率的に在庫管理を行えます。
1. 在庫管理だけの効率化なら「在庫管理システム」
エクセルは表計算ソフトのため、エクセルで在庫管理を行うには限界があります。大量データの処理に向かないことから、商品点数1,000を超えると処理速度などに問題が生じ始めます。在庫管理を効率的に行うには、データ収集、管理、分析などを手間なく行える在庫管理システムの導入がおすすめです。在庫情報をリアルタイムで共有、一元管理が可能になります。
クラウド上で使用できる在庫管理システムの場合、サーバーの設置やパッケージのインストールが不要です。オンライン環境と端末があればすぐに開始できるため、導入コストを大幅に削減できます。また、タブレット端末などを使えば外出先や遠隔地の倉庫などでも作業できるので、いつでも、どこからでも簡単に適切な在庫管理を行えます。
2. 全ての情報を統合させ経営判断の効率化を目指すなら「ERP」
クラウドERPソリューションは、クラウド在庫管理システムの統合版です。在庫管理システムをはじめ、顧客管理システムや販売管理システムなど、重要なシステムを全て備えています。
複数のシステムを一括で導入できるだけでなく、各システムが連携し合っているため、導入によって組織全体の業務の大幅な効率化につながります。各データはビジネスインテリジェンスに集約し、加工・分析して経営戦略立案などにも活用可能です。クラウドERPのなかでも「NetSuite（ネットスイート）」は、在庫管理業務の効率化を実現しながら、コストパフォーマンスも優れたシステムです。迅速な導入を希望する場合にも適しています。
まとめ
商品などの在庫数や在庫状態を適正に調整、管理できる在庫管理を行うには、使いやすい在庫管理表を使用して在庫データの共有を行うことが重要です。エクセルの在庫管理表は、作成者のスキルによって使い勝手に違いが生じるため、インターネット上で無料ダウンロードできるエクセルテンプレートの使用がおすすめです。ただし、エクセルの在庫管理表を共有する場合は、使用できる機能やデータ数に限りがあります。
一方、クラウドERPソリューションは在庫管理業務の効率化に加え、顧客管理、販売管理なども可能です。さまざまなデータをリアルタイムで一元管理できるので、幅広い業務の最適化が実現します。
在庫管理が促進するサプライ・チェーン最適化
本資料ではサプライ・チェーンの各段階における在庫管理 の役割を検証するとともに、企業が在庫管理を使用して運用を 最適化するためのベスト・プラクティスを紹介します。
