リーン生産方式とは?従来との違いを解説

 2019.05.17  クラウドERP編集部

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製造業において採用されている「リーン生産方式」。実は、日本発の生産方式だということを知っていましたか?本稿では、リーン生産方式の基本から成り立ち、従来の生産方式との違いについて解説していきます。

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リーン生産方式とは?

日本の製造企業が海外に自社工場を建設し、現地人材を雇用するとよく「リーン生産方式(Lean Production System:LPS)」について耳にすることが多くなります。リーン生産方式とは、トヨタ自動車の生産方式である「TPS(Toyota Production System)」を研究し、体系として再構築した上で編み出された生産方式です。

1990年、MIT(マサチューセッツ工科大学)のジェームズ・P・ウォマック氏とダニエル・T・ジョーンズ氏らが共同で研究し、その内容をまとめた著書「リーン生産方式が世界の自動車産業をこう変える」で全米に広がっていきます。

1980年代、日本から米国に自動車が大量輸出されるようになると、現地自動車産業業界では日本車の低価格かつ高品質に対して「ダンピング(不当廉価)である」と非難します。その一方で、MITでは日本の自動車産業業界の研究を行い、TPSの「ムダ取り」に着目しました。ムダ取りとは、製造工程における無駄を極力そぎ落とすことで、製造工程全体にわたってトータルコストを系統的に減らそうとする取り組みです。

ちなみにTPSは、トヨタ自動車の大野耐一元副社長が米国の自動車工場やスーパーマーケットの生産方式に着想を得て体系化したと言われています。つまり、TPSを研究して体系化されたリーン生産方式は、当時の米国からすれば一種の「逆輸入」とも言えます。

リーン生産方式の名称は「ぜい肉が無く引き締まって痩せている様」を意味する「Lean(リーン)」に由来しています。1990年代には米国で日本車の高品質さが認められるようになり、トヨタ自動車を目標としてリーン生産方式が広く採用されるようになります。

リーン生産方式のプロセス

リーン生産方式とTPSはプロセスの部分でほとんど似通っています。海外ではリーン生産方式がパッケージ化されており、コンサルティングとして提供されていることも多く、大きな違いといえば歴史的背景などプロセスに関係のない部分です。そのため、ここではTPSを参考に、リーン生産方式のプロセスについて解説します。

リーン生産方式に必要な「2本の柱」

リーン生産方式のプロセスを理解する上でまず欠かせないのが「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」という2本の柱です。

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1.自働化(自動化ではない)

自働化とは、単純な機械化である「自動化」と区別し、「人間の知恵を不要することで不良品を生産しない仕組み」を指します。自動車製造において使う機会だけではなく、人間が作業を行うラインにおいても「不良品を作らない」仕組みを組み込むことで、「問題があれば機械を止めて、問題の原因を調べて改善すること」を目指します。

不良品を検査段階で発見しようとすると、それまでに製造した製品すべてに影響が出ている可能性があり、不良率は自然と上がってしまいます。対して、そもそも不良品を作らないように製造段階で人間の手によって不良品を検知する仕組みを作れば、すぐに機械を止めて原因の調査・改善を行い、不良率の低減に取り組むことができます。

2.ジャスト・イン・タイム

ジャスト・イン・タイムは「必要なモノを、必要な時に、必要な分だけ」という考え方にもとづいた取り組みであり、これによって生産現場の「ムラ・ムリ・ムダ」が無くなり生産効率が向上します。

これはフォード由来の大量生産方式とは違い、「必要なモノを、必要な時に、必要な分だけ」届けることで製造工程に余分なものを持たず、余分なものを作らないことを基本にしています。

リーン生産方式を代表する4つの取り組み

リーン生産方式において具体的な取り組みとして欠かせないのが「ムダ取り」「改善(KAIZEN)」「見える化」それと「なぜなぜ分析」です。

1.ムダ取り

製造工程においては、多くの作業員が重要だと考えて行っている作業の中には「ムダ」と「不随作業(本来はムダだが現状ではやらなければいけないもの)」、それと「正味作業」があるとされています。その中でムダを排除し、付随作業を改善した可能な限り正味作業の比率を高めることで、より多くの付加価値を生み出す作業だけに集中することができます。

2.改善(KAIZEN)

海外製造業においても「KAIZEN」は一般用語として使用されています。リーン生産方式が目指すのは「より良い製品を、より早く、より安く」です。そのためには現状に満足するのではなく、絶えず現状を改善してく姿勢が必要になります。

製造工程の中には問題や、やりにくさを感じるものも多く、それらの作業をそのままにしておくのではなく、常に「もっと良い方法はないか?もっと楽にできない?ムダを排除できないか?」について考え続けることで改善を続けていくことができます。その際にはコストよりも「知恵」を使って改善を目指すのがリーン生産方式の基本です。

3.見える化

問題を解決するためには問題を隠すのではなく、全社的に問題を見えるようにすることが大切ということを認識しなければいけません。問題があれば機械を止めるのも見える化の1種です。機会が止まれば問題が起きたことを自然と周囲に知らせることができます。しかし、不良品が出てもその製品を脇に置いて、機械を動かし続ければ問題は周囲に見えません。

見える化は周囲に問題が見えるようにし、その上で関係者全員が知恵を出し合って解決を目指すことが目的です。

4.なぜなぜ分析

製造工程において問題が起きた際は、誰かに責任追及することよも「原因を追究すること」がとても大切です。その際には発生した問題に対して「なぜ起きたのか?」という疑問を投げかけて、その原因を追究していきます。しかし、問題に対する「なぜ?」の追求が甘いと、表面的な原因しか見えず、根本的な原因の解決に繋げることはできずに同じ問題が発生します。

そこで、1つの問題に対して数回の「なぜ?」を繰り返していくことで、問題の真因を追求し、根本的な解決を目指すことができます。

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リーン生産方式に必要なIT基盤とは?

リーン生産方式は日本企業にとって「逆輸入」の生産方式と言えます。そして昨今では、このリーン生産方式を更に研究・改善し、新しい生産方式を創り出す動きも見えています。昔から自動車産業業界における生産方式は、こうして研究・改善の繰り返しから生まれてきました。

では、リーン生産方式は来る新しい生産方式にとって必要なIT基盤とは何でしょうか?その1つが「ERP(Enterprise Resource Planning)」であると自信を持って言えます。ERPは生産管理システムをはじめ、複数の基幹系システムを統合しており、さらに情報系システムまで統合しています。すべてのシステムは連携され、同じデータベースで管理されていることから情報活用が促進します。

リーン生産方式を採用したり、新しい生産方式を採用する際はぜひERPをご検討ください。

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