事業承継と事業継承の違いを解説!正しいのはどっち?読み方は?

 2019.07.12  クラウドERP編集部

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昨今では日本の中小企業における事業承継問題が取り上げられています。その話の中では、“事業承継”だったり“事業継承”だったり、表現のゆらぎがよくあるため、どちらを使用するのが正しいのか?と考えたことはないでしょうか。本稿では、それぞれの読み方や意味の違いについて解説していきます。

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事業承継と事業継承の違い

それではさっそく、事業承継と事業継承の違いについて解説していきます。まずは“承継”と“継承”の違いについて確認していきましょう。

承継(しょうけい)と継承(けいしょう)

一見して同じような意味があると思われる承継と継承ですが、実は多少ながら意味が違います。承継とは、先代の人から「地位・精神・身分・仕事・事業などを受け継ぐ」という意味があり、法律的な意味合いが強いとされています。

一方で継承とは、先代の人から「義務・財産・権利などを受け継ぐ」という意味があり、双方において受け継ぐという意味では同じでも、抽象的なものか、あるいは具体的なものかによって細かい意味の違いが生じます。実際の使用例として紹介すると、次のようになります。

  1. 前任者が築き上げた会社を承継する
  2. 王位継承が行われる

このように、承継は前任者が築き上げてきた「理念・思想・精神」といった抽象的なものを受け継ぐという意味合いが強くなります。一方で、継承とは前任者が得た経済的価値や資格といった、具体的なものを受け継ぐという意味合いが強くなります。

ここまでの解説で、「事業承継ではなく事業継承が正しい」と判断した方が多いかもしれませんが、実は事業承継の方が正しい用法になります。その理由としては、承継は継承よりも法律予後として適切な表現と考えられており、承継は権利や義務を引き継ぐことを指す法律用語であり、円滑化法(中小企業における経営の継承の円滑化に関する法律)や事業承継税制など、条文や契約書でも承継表記が多用されているからです。前任者から法律上の手続きを経て、事業を引き継ぐという性質からも事業承継の方が正しいと言えます。

事業承継と事業継承の使い分け

以上の解説でも、事業承継と事業継承に使い分けについて理解が難しい点もあります。そこで、それぞれの使用ケースを想定して、言葉の使い分けについてご紹介します。

事業承継を使うケースとしては、先代の経営者が設立した会社の経営理念や経営ビジョンを受け継ぐという場合に使用します。後継者が先代の経営者の理念やビジョンを引き継ぎながら、業績の安定化の事業の発展を目指していくケースでは、事業承継が適切だと言えます。

一方、事業継承を使うケースとしては、後継者が先代の経営者が持つ経営権などを引き継ぎ、新しい経営者として従事していくことを考えている場合に使用します。理念やビジョンといった抽象的なものを引き継ぐというよりも、経営者としての地位を引き継ぐという意味合いが強くなります。

こうした明確な使い分けはあるものの、会話の中ではどちらの言葉を使用しても混乱することはまずないでしょう。従って、「法律上の話で使用する場合は事業承継の方が正しい」ということを念頭に置いておけば、どちらを使用しても問題はないと考えられます。

事業承継の構成要素

では、事業承継には具体的にどのような構成要素があるのでしょうか?大きく分類すると①経営の承継、②資産の承継、そして③知的財産の承継があります。

①経営の承継

経営の承継は「人の承継」とも呼ばれており、会社の経営を引き継ぐ後継者(新経営者)のことを指します。経営の承継を実現するには、経営権と後継者選定および育成がポイントです。

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<経営権>

会社の経営者が持つ権利のことであり、基本的に会社株式の保有数が2/3を超える場合、その会社の経営権を完全に確立していることになります。事業承継の際には、最初に先代の経営者から後継者へとこの経営権が委譲します。

<後継者選定・育成>

事業承継において後継者の選定及び育成は非常に重要なポイントです。特に中小企業においては、経営者自身の手腕が業績に強く影響します。会社の経営理念や経営ビジョン、経営方針を引き継いで一貫した経営を実施してくれる後継者を探すことが重要であり、事業を発展させてくれる後継者を育成することも事業承継を成功させるための要素です。近年では、親族内での承継よりも親族外での承継が増えており、事業承継を契機として会社の更なる発展を目指すケースが増えています。

②資産の承継

資産の承継では財産権、株式、事業用資産、資金、許認可など会社が持つ資産を承継する必要があります。

<財産権>

会社が持つ資産の1つです。債権や著作権、特許権などのような権利を指し、事業承継が実施される場合は経営権の他、この財産権についても後継者へと引き継がれることになります。

<株式>

事業承継後に、後継者がしっかりと会社を経営できるようにするためには株式の移譲が重要になります。前述のように、株式は経営権と紐づかれているため大切なポイントです。意思決定をスピーディーにし、これまでの経営方針を一貫して継続するために、後継者が経営権を確保できるほどの株式が必要になります。

<事業用資産>

会社が保有する設備や機械、事務所や店舗などの不動産を事業用資産といいます。事業承継が実施される際は、この事業用資産も後継者へ引き継がれることになります。

<資金>

会社が経営していくための運転資金に関しても、会社の資産であり事業承継の際に引き継がれるものです。

<許認可>

会社が事業を行う際には、国や都道府県から許認可を得る必要があります。事業承継では、事業を運営していく上で必要な許認可があるか否か、許認可に定められている要件を満たしているか否かなどを細かく確認する必要があります。

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③知的財の承継

知的財産に関しても、事業承継の構成要素として大切な1つです。知的財産とは無形資産と同様であり、経営理念、特許、ノウハウ、顧客情報、人脈などが該当します。

<経営理念>

そもそも事業承継という言葉は、経営理念のような抽象的概念を引き継ぐことを指します。また、事業承継の差異は経営理念を一貫してくれる後継者を見つけることで、利害関係者の反発を防ぐことができます。

<特許>

特許は、会社の経営を指させる重要な要素のつであり、事業承継の際はしっかりと引き継がれる必要があります。

<ノウハウ>

会社の業績に直結する知的財産であるノウハウは、特に社外の人間を後継者として事業承継する場合にしっかりとした引継ぎが必要になります。

<顧客情報>

会社がこれまで積み上げてきた顧客情報も立派な知的財産であり、今後はさらに重要性が増していくものでもあります。

<人脈>

先代の経営者がこれまで積み上げてきた人脈についても、会社の業績に大きくかかわる部分であり、事業承継後もこれまで築き上げてきた人脈を大切にしてくれる後継者を探し出すことが大切になります。

以上、事業承継と事業継承の違いでした。これを機会に、事業承継についてもっと興味を持っていただければ幸いです。

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