物流の4PLとは?3PLとの違いを解説

 2019.05.16  クラウドERP編集部

グローバル標準のクラウドERP

昨今、物流の新しい潮流として注目されているのが「4PL(forth Party Logistics:フォース・パーティ・ロジスティクス)」です。物流企業としては新しいビジネスモデルでもあり、経済界全体における物流問題を解決するために鍵になるとも言われています。

本稿では、物流における4PLについて紹介すると共に、「3PL(Third Party Logistics:サード・パーティ・ロジスティクス)」との違いについて解説します。

物流の4PLとは?

まず4PLについて簡潔に説明すると、それは「優れた3PLのノウハウを持つ物流企業が、別の物流企業に対して自身の3PLノウハウを伝授し、サービス化すること」だとされています。要するに「他社の3PLプロデュース」が4PLの基本概念です。

ここで、そもそも「物流とは何か?」という素朴が疑問を定義していきましょう。

「物流(ロジスティクス)」に関する定義は様々なものが存在しますが、国土交通省が米国CLM(Council of Logistics Management:ロジスティクス管理協議会)の定義をもとに再定義したのが以下になります。

 

「ロジスティクス」とはサプライチェーンプロセスの一部である。これは、モノ及び情報の流れや保管を計画し、実行し、制御することをいうが、こうしたモノ及び情報の流れは発地から顧客の目的地への流れである。

 

引用:「米国の3PLビジネスに関する調査結果

 

一方で、物流とは顧客の要求にこたえることを最終的な目標として、在庫の移動および配置を行うものという定義も存在します。いずれの定義でも、「最終的に顧客の要求にこたえる」という点で一致しているものが多く、それを踏まえて分かりやすく定義してみました。

「物流(ロジスティクス)」とは顧客が求めるモノや情報を適切に届けるために、原材や部品の仕入れから在庫の移動、顧客への配送の流れを指すとともに、その流れを円滑にするための計画・実行・制御を意味する。

物流の3PLとは?

次に、3PLについて解説していきます。3PLとは、企業が抱えるさまざまな経営問題のうち、物流部門における業務を第三者である物流企業に委託する業務形態を指します。つまり、3PLは物流企業が提供する「物流機能代行サービス」といったところです。

ERPに関するお役立ち資料

源流は1990年頃の米国にあり、その時には既に多くの物流企業が3PLサービスの提供を開始していました。海外諸国では「専門業務はスペシャリストに任せる」という商習慣が根付いており、内製化では問題が起きやすい物流機能は、スペシャリストである物流企業にアウトソーシングしようという考えが徐々に浸透していきます。

一方日本では、1996年~1997年にかけて3PLブームが到来しました。しかし、当時は「他社に業務部門の機能全部をアウトソーシングする」ということに抵抗感を持つ企業も多かったことから、海外諸国ほどの3PLブームは起こらなかったのが実際のところです。

しかし、日本企業の中にも業務部門をアウトソーシングすることに抵抗感を持たない企業が増え、かつ多くの企業がアウトソーシングの有用性を認識したことから、昨今では3PLを活用した物流部門の機能を他社に委託するところが増えています。

ちなみに、経済学者として物流ビジネスに精通している、神奈川大学経済学部教授の斎藤実氏の著書「アメリカ物流改革の構造~トラック輸送産業の規制緩和」によると、3PLは以下のように定義されています。

“荷主企業の物流機能である輸送、保管、在庫、顧客サービス、荷役、情報サービスなどを、荷主企業に代わって一括(フルライン)して提供するか、もしくは、これらの機能を個別にまたはいくつかを組み合わせて、一定期間契約に基づいて提供する事業者のことである。”

3PLのメリットとは?

ここで、物流企業の3PLサービスのメリットを物流企業視点と、利用企業視点からご紹介します。

物流企業から見た3PLのメリット

  • 長年蓄積した物流に関するノウハウと倉庫などの余ったリソースを活用し、新しいビジネスモデルを確立できる
  • 利用企業の物流機能を担うことで、様々な業界での物流に携わることができ更にノウハウを積み上げることができる

利用企業から見た3PLのメリット

  • 物流部門の機能の一部または全部をアウトソーシングし、本業に経営資源(主に人材)を集中できる
  • 物流に欠かせない倉庫、トラック、人材、インフラといった設備等にかかる投資費用を削減できる
  • 物流をアウトソーシングした本業へ注力することで、商品開発や品質改善に集中し、品質向上に努められる
  • 商品の在庫管理・出荷までアウトソーシングし、キャッシュフローの改善が期待できる
  • 物流部門の機能の一部または全部をアウトソーシングすることで、物流にかかるコストが明確になり予算計画が立てやすくなる

このように、3PLサービスを提供したり利用したりすることで、物流企業と利用企業の双方にとってメリットがあり、それぞれの経営最適化を図ると共に物流問題の解消へと繋げていくことができます。

なぜ4PLが注目されているのか?

物流企業からすれば3PLサービスを提供すればいくらでも事業拡大が図れるようにも思えます。にもかかわらず、4PLが注目される理由とは一体何でしょうか?

3PLにおける大きな問題の1つが「物流事業の規模拡大は慎重性が必要」ということです。より多くの利益を確保できるからといって3PLサービスをどんどん拡大していくと、将来的に構造不況に直面するリスクがあります。さらに、余剰社員を抱え込んでしまったり、過剰な設備投資に頭を抱えることもあるでしょう。必ずしも「物流事業拡大=利益率向上」という式は成り立たないため、物流事業の規模拡大にはかなりの慎重性が必要になります。

このリスクを考慮して、3PLサービスの提供や物流事業の規模拡大に踏み込めない(踏み込まない)物流企業も多いでしょう。となると、新しい設備投資などを必要としない4PLは非常に魅力的なビジネスモデルです。

物流企業は自身のノウハウを別の物流企業に伝授し、間接的に荷主企業の物流プロデュースを行うことになります。自身のノウハウを別の物流企業に商品として提供し、そこにコーディネート料やアドバイザー料を発生させることで、物流コンサルティングビジネスを確立することが可能です。

日本では物流企業と荷主企業との間に商社などが入り、物流をコーディネートするというケースがよくあります。しかし、商社の場合は物流実務に関するノウハウが多くないため、優れたノウハウを持つ物流企業(3PL企業)が4PLを展開すれば、荷主企業にとっての物流問題は解消されますし、物流企業は商社に対抗できる優位性を持つことができます。

以上の理由から、4PLは物流ビジネスの新しい潮流となっており、これからの物流業界にとって非常に重要な立ち位置を獲得することになるでしょう。皆さんも、4PLの展開やそれに必要なIT基盤を検討したり、4PLの利用を検討してみてはいかがでしょうか?

新規CTA

RECENT POST「物流システム」の最新記事


この記事が気に入ったらいいねしよう!
ERP(統合基幹業務システム)の導入を成功に導く10のステップ
New Call-to-action
New Call-to-action

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング

New Call-to-action