【業務担当者のためのAI講座】ERPはAIで業務をどう変えるのか

 2018.11.05  クラウドERP編集部

AIの進歩には目覚ましいものがあり、いまやあらゆる分野でAIを取り入れようとしています。ビジネスの分野はもちろん、医療や車の自動運転でも、AIが活躍しています。

AIは大量のデータを分析して、まるで人間が考えるように答えを出すことができます。 このAIがERPと融合したらどうなるのでしょうか。ERPの膨大なデータをAIが処理したら、これまでとは違った分析ができるに違いなく、ビジネスにもたらす影響は計り知れないものがあります。

今回はAIに進化がERPにどのような影響を及ぼすのかをご紹介します。

AIとは何か

AIという言葉は1956年にできました。しかし、AIが注目されてきたのは、高度なアルゴリズムを駆使して、大量のデータを処理する(処理できる)ようになってからのことです。

AIは大量のデータを処理し、データ内のパターンを読み取って、自動的に学習するようにプログラミングされています。つまり、大量のデータを反復処理することで、知識を積み上げて学習していくわけです。AIが導き出す答えはすべて膨大なデータの分析結果であって、人間のように考えて答えを出すわけではありません(実際は人間もそうなのですが)。しかし、それでもAIのアルゴリズムの進歩により、考えて答えを出したのかと思うような、すぐれた回答が得られるようになりました。

わかりやすい例を挙げると、チェスなどで人間とコンピュータが対戦するものがあります。最近では、コンピュータが人間に勝つことが多くなりましたが、だからと言ってAIが頭脳で考えて駒を動かしているわけではありません。あくまでも、大量のデータを分析して、最良と思われる位置に駒を進めているだけです。しかし、それを見ているとあたかもコンピュータが考えて、駒を動かしているように見えてしまいます。

ちなみに、AIの学習は以下のような段階を経て発展していきます。

機械学習

通常、コンピュータはプログラミングされたことしか処理できませんが、AIの機械学習ではニューラル・ネットワークや統計データの分析から、さらに一歩進んだ処理結果を導き出すことが可能です。

ニューラル・ネットワーク

機械学習のひとつです。人間の脳にある神経細胞のニューロンのような構造になっていて、外部からの入力に対して応答するアルゴリズムが使われます。

ディープ・ラーニング

ニューラル・ネットワークを多階層化したものです。スーパーコンピュータが開発され、処理能力の拡大と学習手法の向上によって、大量のデータからより多くのパターンを学習できるようになっています。画像認識や音声認識に活用されるアルゴリズムが使われます。

コグニティブ・コンピューティング

機械と人間の間で、人間同士のような会話をするものです。まだ実現には至っていませんが、将来的にはAIの画像・音声解釈機能により、人間と会話できることを目指しています。

コンピュータ・ビジョン

パターン認識を使って、写真やビデオに写っているものを認識できるようになります。現在の技術でも、ショッピングモールなどで子供が迷子になった場合、子供の画像があればそれを取り込み、監視カメラの映像の中から子供を探し出すことができます。

ERPに関するお役立ち資料

また、同じ技術が空港などで、指名手配されている人物を探し出すことに活用されています。さらに進化すれば、AIがドラマを見て、ストーリーを理解できるようになるのかもしれません。

自然言語処理(NLP)

AIが人間の言葉を分析して理解し、応答することを目指すアルゴリズムです。これが完成すると人間とコンピュータが会話できるようになります。つまり、コンピュータが人間の指示を受けて動けるようになるということです。ここまで発達すると、AIに考える力があると言ってもいいのかもしれません。

しかし、まだ人間のような感情はありませんし、人間の感情を理解することもできません。それでも、人間の喜怒哀楽のパターンをインプットして、あたかも人間の感情を理解して話しているように見せかけることは、近い将来可能になるかもしれません。ここまでくると、SF映画のような人間型ロボットが完成したことになります。

AIが注目される理由

近年、AIに高い関心が集まっていますが、それはAIの進化が目覚ましく、また今後もさらに進化することが予想されるからです。AIの進化については、5年後は予想できても、10年後は予想できないといわれています。それは、AIの進化のスピードがあまりにも速すぎて、10年後のことはまったくわからないからです。

AIというと、似たものとして産業ロボットを連想する方もいるでしょう。しかし、AIと産業ロボットには明らかな違いがあります。産業ロボットは、人間が行う作業を部分的に代行するものですが、代行できる作業は手動で行えるものに限定されています。さらに、行う作業はすべて反復による繰り返しの作業だけです。

プログラミングのとおりに、同じ作業を繰り返し行うのが産業ロボットです。そこには、学習はありません。その点、AIは反復作業を行うのが目的ではなく、作業を通して新たな方法を学習していきます。つまり、経験を積み重ねて、プログラミングになかったことができるようになるのがAIなのです。

経験し学習して新たなことができるようになるのは、もう機械ではなく生き物のように思えてしまいます。それは、トレーニングすれば伸びることを意味しているからです。

驚異的な進化

2011年に、人間とAIにぼやけた画像を見せて、何が映っているか当てさせる実験が行われました。エラー率は人間が5%だったのに対してAIは26%でした。しかし、2013年に同じ実験を行うと、AIのエラー率は3%まで低下していました。わずか2年で完全に人間のレベルを追い越していますから、この進化のスピードは驚異的というほかありません。

また、2017年には囲碁の対局でAIが世界一の棋士に勝っています。実は囲碁は、人間が作ったゲームの中で一番難しいといわれているものですが、考える力はないはずのAIが勝ってしまったという事例もあります。

今後AIに期待されること

今後AIの活躍が期待される分野は、やはり車の自動運転ではないでしょうか。まだ完全に自動運転ができるわけではありませんが、ここ数年で自動運転技術は格段に進歩しています。2013年には、GoogleがBMWなどと共同で自動運転の開発を始めていますし、他のIT関連企業が追随していくのは間違いありません。これから熾烈な自動運転競争が展開されることになるでしょうが、その中心にいるのは人間ではなくAIなのです。

最先端のAI技術

医療分野のAI技術の進歩には目覚ましいものがあります。たとえば、AIでCTスキャンの画像を分析して、診断した上で治療のための方法や手順を提案することができます。このAIによる診断では、健康な人の今後の病気の予測を、医師よりも20%多く発見できることがわかっています。

また、AIは医師の診断よりも10%高い精度で、肺癌発生の可能性を診断することが可能です。最近では、スマートウォッチアプリに心拍数や血圧などの体の状態を記録させ、患者を遠隔で常時診断して病気を予防する試みも実現しています。もちろん、患者の体調を数値化して分析するのはAIの仕事です。

ERPにおけるAIの活用

ERPにもAIを活用しようという動きがあります。そのために必要となってくるのが、「機械学習」です。機械学習とは、人間が行うことをAIに実行させるための技術です。人間は物事を推論する能力を持っていますが、通常機械にはそのような能力はありませんしかし、AIには膨大な蓄積データを分析し答えを導き出す、という人間の推論に近い能力があります。

コンピュータはデジタル情報しか扱えないので、アナログな人間の行動を真似するのは不可能なはずですが、それをできるようになったのがAIです。機械学習では、まず人間がデータを入力して、AIがそれを理解するところから始まります。AIは入力された膨大なデータをもとに、現在置かれている状況を分析して、最適と思われる行動をします。

先述したようにスーパーコンピュータと人間がチェスや将棋、囲碁などで対局したというニュースを見聞きすることがありますが、このような対局でも、AIは膨大なデータを処理して次の一手を打っているのです。最初に駒を動かして、そこから次に考えられるすべての手をインプットして、さらに次の手から予想できるすべての手をインプットしていくという、作業の繰り返しで蓄積されたデータを分析しながら、AIは人間と対局します。そしてその結果、最近ではAIが勝つことのほうが多くなっています。

ERPとAI

コンピュータが、ビジネスの分野で活用されるようになって数十年たちますが、その中でもERPは業務の中核であり企業の情報が集まる数少ない場所の一つです。それまで企業内に分散されていた、商品とお金の流れを一元管理するERPのシステムは、これまでにない画期的なものでした。そんなERPとAIが結びつかないわけがありません。

AIは機械学習から派生したさまざまな学習方法を駆使して進化を続け、最近では画像や音声認識をはじめ、言語処理もできるようになり、本当に人間に近いものとなってきました。そこで、このAIの技術を経営に生かせないかという考えが出てきたのは、当然の成り行きかもしれません。つまり、経営判断や業務遂行をAIにさせようというのです。

ERPが持つ膨大なデータをAIが分析すれば、それも可能かもしれません。もちろん、すべてをAIにまかせるわけにはいきませんが、経営判断の大まかな部分はAIでもできる時代は、そう遠い未来の話ではなさそうです。

蓄積するデータが変わる

ERPがAIを導入すると、データベースに蓄積するデータが変わります。AIは予測することに長けていますから、AIが業務をコントロールすれば、予測によるデータ収集も可能となります。これがどう役立つかはまだ未知数ですが、これまでは人が収集したデータをデータベースに蓄積していましたが、昨今のERPではIoTとの連携などがなされています。これらをAIを通すことで、人が収集するデータとは違うデータベースができあがるのは間違いありません。

人が気づかないものに気づく

ERPには膨大なデータが蓄積されていますが、AIはその中から異常値をしめすデータを抜きだしたり、処理すべき作業の順番を提案してくれたりします。これらはすべて、過去の学習によって培われたものです。ERPにAIを導入することによって、ERPの分析でも出てこない、人間が見てもわからない問題点を、AIは容易に気づいて指摘してくれます。

もちろん、AIは指摘するだけでそれ以上のことはしません。指摘された箇所を見て、どうするかは人間が判断します。しかし、人間の下した判断が間違っていた場合は、AIが正しい判断をして処理するという時代が、近いうちにやってくるかもしれません。

 まとめ

AIは高度なアルゴリズムを駆使して、膨大なデータを処理します。しかも、そのデータのパターンから自動的に学習することができます。それは人間のように考えているわけではありませんが、徐々に人間の考えに近づいているのは間違いありません。AIは機械学習という学習法を使って経験を蓄積していきます。

経験の蓄積というのはこれまで人間しか持っていない能力でした。AIをERPに導入すると、ERPが収集した膨大なデータを使って、AIが独自の分析を行い、経営判断をすることも可能となります。あらゆる面でAIが人間を凌駕する時代が、すぐそこまでやってきているのかもしれません。そのためにもAIやIoTなどを取り入れたOracle ERP CloudなどのERPに着目することが重要なのかもしれません。

ビジネス変革を支える新世代クラウド ERP Oracle ERP Cloud

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