IoT・AI・Blockchain ─ Oracle ERP Cloudですぐに実現できる世界とは

 2019.04.22  クラウドERP編集部

[E-Book]データ主導の意思決定に勇気を持ち続ける

 日本経済の原動力として注目されているIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ビッグデータ、RPAなどの活用において、日本企業は欧米諸国やアジアの企業に大きく後れを取っていることが問題視されています。もはや これら先進技術は経営と現場を助ける技術として企業経営において必要不可欠な存在です。

その一方で取り組みはしたいけれども最先端技術を駆使する高度なデジタル技術者が不足していることも事実です。今回は、このような状況においてIoTやAI、Blockchainなどを活用したい企業が取るべき戦略、そして、それら全てがすぐに活用できるOracle ERP Cloudについてご紹介します。

ヒトに依存したビジネスでは勝ち残れない時代

 ビジネスは、さまざまな業務フローで成り立っています。特に製造業のビジネスは、多種多様なサプライチェーンでつながり、複雑な業務フローによって支えられています。物流・受注・在庫・製造・購買といったメインのフローのほか、それらに付随する各種情報・機能を適切に管理しなければ、製造業のビジネスは成り立たちません。むしろ、これらをすばやく、確実に管理することで、大きなビジネスチャンスを獲得できる可能性もあるのです。

 例えば“引き付け発注”は、製造業ではごく一般的な効率化手法の1つです。原材料等の発注タイミングをできるだけ納期に近づけることで、受注後に発生した状況や要望の変化に対応しようという試みです。ギリギリに調達することで最終的な需要に最適化し、ムダをなくしたり、不足を回避したりすることができます。

 しかし、これは困難な業務の1つと言えます。調達品の需要は変化しやすく、将来を予測することが難しいためです。多くの場面では、一部のデータを基に、ベテランスタッフの経験と勘を生かして調整していることでしょう。そこで重要なのが、データを統合的に扱うERPの存在です。さまざまな要素を俯瞰することで、より正確な需要予測が実現できるためです。

 オラクルの「Oracle ERP Cloud」は、クラウド上のシステムにすべての関連する機能・データを統合できるという利点があります。物流から購買までの主要な機能はもちろん、営業支援、製品企画・開発、設計情報、品質管理、設備保全、需給、供給計画、セールス&オペレーションといった幅広い機能を持つ「Oracle SCM Cloud」、会計やプロジェクト管理に必要な「Oracle Financial Cloud」、人事管理を担う「Oracle HCM Cloud」、「Oracle EPM Cloud」では予算、連結なども管理できる。SCMの一部には、需要予測や納期回答といった機能も含まれています。

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 ここで重要な要素が3つあります。1つはこれらの機能を“いかに結びつけるか”、2つ目はこれらの機能が用いるデータを“いかに収集・管理するか”、そしてそれらのデータを“いかに生かすか”という点です。

 ポイントは、すでにヒトの力だけでデータを収集・管理し、分析・予測することは困難という点です。いかにデータの助けがあっても、ベテランの経験や勘に依存してしまうのは問題ですし、市場すなわち需要の変化が加速している昨今では、そもそもヒトの想像力では追いつかない場面も多いのではないでしょうか。そこで、IoTやAIといった技術の応用が重視されます。Oracle ERP Cloudは、すでにこれらの先端技術を活用できる準備が整っています。

標準化されたデータモデルが業務連携を強化する

 まず機能連携という1つめの課題に対して、Oracle ERP Cloudは“データの標準化”というアーキテクチャを採用しました。

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 多くの業務管理・基幹系システムは、個々の機能に応じて異なる構造のデータベースを持っています。場合によっては、ミドルウェアなどで強引に連携することもあります。時代やビジネスに合わせて機能を拡張したくとも、この相違が足かせになる場合もあります。

 Oracle ERP Cloudは、オラクルならではの高度なデータ管理技術を応用し、一貫したマスタデータとトランザクションデータを管理することで、標準化されたデータモデルを形成することに成功しました。最小限の機能でスタートし、あとからモジュールを追加しても、導入コストは抑えられ、破綻することもありません。一貫したデータモデルでスムーズに連携できるため、確実に全体を俯瞰できるようになるのです。

 特に需要予測は、営業支援、製品開発・設計情報、在庫管理などさまざまな要素が関わりますし、予測の結果によって購買を判断する必要もあります。こうした業務に一貫性を持たせるには、データ管理・連携が重要なのです。

 “モノからコトへの”ビジネス改革を成し遂げたい製造業にとって、この技術が非常に役立ちます。例えば、製品のアフターサービスを含めたサブスクリプションモデルに転換しようというとき、新たな需要や費用の予測が容易になります。グローバルな法対応や利益配分、マーケティングや製品企画など、需要予測以外にも強力なデータ連携が求められる場面は多様です。

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ビジネスを支えるAI・IoT・Blockchain

 前述したように、データをいかに収集し、管理し、それらを活用するかという点において、AIや機械学習(ML)、IoT、そしてBlockchainなどの新技術は欠かせません。

 オラクルはERP、SCM(Supply Chain Management)、EPM(Enterprise Performance Management)、HCM(Human Capital Management)、CX(Customer Experience)といった中核となるアプリケーション群を相互につなぐ仕組みとして、先端技術を開発しています。つまり、これらの技術はOracle ERP Cloudのためのもの、ビジネスを支えるものとして作られているのです。

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 AIや機械学習は、業務の自動化に欠かせない技術として注目されています。自動化と言えばRPA(Robotics Process Automation)が注目されていますが、それだけですべての業務をまかなえるわけではありません。例えば経費精算は、必ずヒトが数字を入力します。その入力が高額すぎたり、支払先が不正であったりすることをRPAでは分析できません。AIで自動的に分析することによって、経理担当者の業務の8割方が自動化できると考えられています。

 IoTは、製造管理の現場でたいへん有効な技術です。従来の管理手法では、製造過程の前後──指示と結果しかわかりません。何か問題があったとき、原因はヒトなのか、装置なのか、外部から調達した部品なのか、分析するのに多大な時間を要します。IoT技術を用いれば、それらのすべてのデータをリアルタイムに取得して、分析することができます。

 すでにオラクルは「Oracle IoT Application Cloud」として、製造、メンテナンス、物流などの現場に組み込むことのできるモジュールを提供しており、Oracle ERP Cloudと連携することが可能です。単に情報収集するだけでなく、活用するためのIoTを揃えているのです。

 Blockchainは、“仮想通貨の技術”としてのイメージが強い読者もいるでしょう。実体は、通信の信頼性を格段に向上し、データの完全性・機密性・可用性を担保する技術です。冒頭でも述べたように、製造業は多様なサプライチェーンで形成されるビジネスです。安全かつ確実にデータをやり取りすることが、ビジネスを守る第一の条件です。Blockchainは、そうした健全な連携を実現するための技術なのです。

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オラクルの先端技術は準備万端

 IoTやAI/機械学習、Blockchainは、もはや未来の技術ではありません。すでにオラクルは現場や経営の力になる機能を開発し、Oracle ERP Cloudに組み込んで、製造業の一角を担う企業として自社のビジネスに活用しています。

 例えばIoTの領域では、アセットの管理・監視を行う「Oracle IoT Asset Monitoring Cloud」、製造工程をモニタリングするための「Oracle IoT Production Monitoring Cloud」、物流などの車両から情報を得る「Oracle IoT Fleet Monitoring Cloud」、従業員の健康状態や作業環境などをリアルタイムに把握する「Oracle IoT Connected Worker Cloud」、コンタクトセンターのカスタマーサービスを強化する「Oracle Service Monitoring for Connected Assets Cloud」などを提供しています。

 オラクルのAIは、業務アプリケーションに組み込んでさまざまなプレイヤーの役に立つことを目的とした“パーベイシブAI”であり、「Adaptive Intelligent Apps」「Intelligent UX」「Conversational Agents」という3つの要素で構成されています。

 Adaptive Intelligent Appsは特定の業務に特化したAIで、CX、ERP、HCMそして製造オペレーション(Manufacturing)向けの機能が提供されています。Intelligent UXは、ユーザーの挙動を分析してUIを動的に最適化することで、エクスペリエンスを向上させることができます。Conversational Agentsは、会話型のUIでスマートスピーカーやチャットなどを通じて作業を実行できる技術です。

 Blockchainの機能も2019年内にリリース予定です。例えば、製品のトレーサビリティを強化する「Intelligent Track and Trace」は、エンドツーエンドの商品輸送・取引を追跡し、記録を自動化します。「Intelligent Cold Chain」は、温度管理されたサプライチェーンを監視し、医薬品や生鮮品などの輸送・管理プロセスを最適化することで、品質や安全性を担保するものです。

 IoTやAI、Blockchainといった新技術は、多くの企業が積極的に取り組み、その大半が失敗を経験しています。本番環境に至るまでの検証が長引き、成果を得られないことが原因とも言われます。

 オラクルのIoTやAI、近くはBlockchainも、すぐに活用できるソリューションとしてOracle ERP Cloudに組み込むことができます。モジュール化されたクラウドサービスですから、まずは一部から始めて、不足を感じたら追加すればよいのです。

 そして、将来的に新しい技術・機能の登場を大いに期待できる点も、クラウドのメリットの1つです。オラクルでは、4半期ごとに新機能をローンチすべく、急ピッチで開発を進めています。高度に業務を自動化し、経営リスクを徹底的に排除し、信頼できるビジネスを遂行できることが、Oracle ERP Cloudと各種新技術の価値なのです。

これらの取り組みによりOracle ERP Cloudのユーザーは、ますます企業競争力を強化できることになりそうです。

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