ERPのスムーズな導入のための、手順とスケジュールの立て方

 2018.11.26  クラウドERP編集部

さまざまな業務改善ツールが開発される昨今、ツールの選定に頭を悩ませているシステム担当者も多いのではないでしょうか。そうした企業にとって、情報を一元管理して業務改善を図れるERPの導入は、重要な投資のひとつです。しかし、コストをかけてERPを導入したとしても検討が不十分だと効果的な運用が難しくなる場合があります。そこで、今注目のERPを導入する手順やスケジュールの立て方などをご紹介します。

ERPの導入手順を把握しておく重要性

ERPは業務のプロセスを一新し、新しい体制を構築することができます。逆を言えば、ERPの導入を現在の業務の延長で行ってしまうと、ERPの価値を最大化することはできません。また、ERPの導入にはさまざまな工程を辿る必要があるため、すぐに運用できるわけでもありません。そのため、本格的に導入することを決定したら、導入の手順を把握しておくようにしましょう。

ERPの導入は体制作りから

まず各部署からERP導入プロジェクトの担当者を選出します。この担当者が全体の調整と部署との橋渡し役を担うことになります。担当者を選出したら、担当者を軸に部署内のヒアリングを行います。そして、ヒアリングした内容を持ち寄り、全体の会議で具体的な導入に向けてひとつずつ確定事項として定義していきます。

業務整理を行うと、ERPが適応できる業務と適用できないものが出てきます。ERPが適用できない業務を洗い出したら、どのような手法で業務に組み込むか、もしくはシステムに反映させるのかも考えていかなければいけません。ベンダーに相談するのもよいでしょう。こうした問題を解決できる体制作りがERP導入の第一歩です。

ERP選定のため課題確認と要件定義をする

リーダーを軸として、部署内のヒアリングと業務の洗い出しを行い、ERPのパッケージで賄えるものとそうでないものを分けます。そして、ERPのパッケージ外で対応しなければならない業務や機能について、課題や必要性、優先度などについて検討し、リスト化します。

ERPのカスタマイズで実現可能かどうか、コストはどれくらいかかるのかを算出し、ベンダーと調整を行います。実現可能なものについてはデモンストレーションを作成してもらい、実際に画面を見て使い勝手をテストしてから業務やプロセスに適合するかどうかを確認しましょう。 予算がオーバーしてしまうようであれば、社内で業務プロセスを検討したり、ベンダーに相談して代替案を提示してもらったりして、再度確認します。これはパッケージに業務を合わせるのか、それとも業務をパッケージに合わせるのかを決定する非常に重要なポイントです。ERPは業務プロセスを一新することができる優れたシステムであるため、現状の業務にこだわり過ぎず、将来的な効率を求めて業務プロセスを変更するよい機会かもしれません。このように多角的なアプローチを繰り返して、ひとつずつ案件を定義していきます。

ERPを選定する

おおよその案件が定義されたら、次はERPを選定します。会社の軸となるシステムなので、慎重に選ぶ必要があります。5つの選定ポイントをご紹介します。

ERPに関するお役立ち資料

1.アドオンモジュールがあるもの

ERPはパッケージ化されているため、必要に応じて自社の業務に合わせてカスタマイズしていかなければなりません。予算の兼ね合いでカスタマイズが難しい場合は、追加機能で対応が可能かどうかも重要なポイントになります。そのため、アドオンモジュールによる拡張ができるERPを選ぶことも検討します。

2.カスタマイズの自由度

自社の業務に100%フィットするようなERPはありません。そのため、要件定義をどの程度満たすことができるのか、カスタマイズの自由度についてもチェックしておく必要があります。

また、ERPが提供するベストプラクティスを活用して業務を適応する方法も検討すると良いでしょう。開発費用をかけてでも機能を求めるのか、ERPに業務を合わせるのかも影響してきます。

3.必要ない機能のチェック

ERPは基幹系情報システムと呼ばれる通り、全業種に適応するようにパッケージ化されているため、企業によっては必要のない機能も含まれていることがあります。こうした機能はシステムのリソースを減らしてしまいますし、操作ミスを誘発するリスクもあります。ヒューマンエラーを防ぐためにも不要な機能が少ないものを選ぶ必要があります。追加して欲しい機能と同様に、不要な機能についてもチェックするようにしましょう。

4.セキュリティ機能

ERPは会社の基幹を担うシステムなので、ウィルスの感染やハッキング等による被害を受けると致命的なダメージに繋がりかねません。情報が集約できるというメリットがありますが、その一方で、情報漏洩などセキュリティリスクも高くなっていることを踏まえて慎重に判断する必要があります。アクセス権限やセキュリティ認証など、セキュリティが万全なものを選ぶようにしましょう。

5.サポート体制

さまざまな工程を経て導入ができると、ひとつの区切りを迎えることができますが、運用してみるとどうしても不具合や改善点も出てくるものです。想定していたものと違う不具合が起こることも考えられるので、業務時間中に対応可能なヘルプデスクがあるかどうか、導入前のトレーニングの有無などを確認し、サポート体制が充実しているものを選ぶようにしましょう。

ERPの導入準備を行う

適切なERPを選定したら、いよいよ導入準備をはじめます。まずはERPの基本的なルールを整備し、アクセス権限やフロー、注意点など、あらゆる角度から不具合を生じさせないようにマニュアルを作成します。 マニュアル作成と導入までのトレーニングや研修など、実施すべき具体的な事項とスケジュールが定まったら全社に通達して情報を開示します。ERP移行の準備期間が必要なので余裕を持ったスケジュールで通達するようにしましょう。そして、使用方法や注意事項などの教育を段階的に実施する旨をアナウンスし、従業員の意識レベルを統一した上で導入の日を迎えるようにしましょう。

ERPを導入する

ERPを導入したら、不具合が出たときの対処法などを周知しておきます。また、使い勝手の検証や不具合の事例を共有し、ベンダーと連携しながら検証を重ねていきます。最初はどんなに小さなことでもリーダーに報告を義務づけ、運用が安定するまでトライアンドエラーを繰り返す必要があります。

ERP導入後はユーザー教育や効果測定などを行う

導入前に教育を行いますが、不具合への対応や機能の修正によって運用方法が変わる可能性もあります。定期的に不具合やイレギュラーと対処法を共有し、ユーザー教育を継続していきます。 また、定期的に効果測定を実施し、ベンダーに報告して業務効率に向けての施策をアドバイスしてもらいます。ERPの導入効果を最大化するためには、定期的な効果測定による適切な対応を続けることが肝要です。

ERP導入スケジュールのたてかた

ERPを導入するためのスケジュールは、カスタマイズが必要かどうかで変わります。カスタマイズする場合は、カスタマイズ機能の開発期間だけスケジュールが延びます。

ERPのプロジェクトチームを作り、要件定義をするのに1ヶ月から2ヶ月程度見ておきましょう。同時進行でERPの選定も行います。より多くのモデルを見ることで、選ぶポイントも分かってくるので、複数のERPを比較検討していきます。ERPを選定したら、次はカスタマイズや代替案、業務改善案の作成に1ヶ月から2ヶ月を要します。ルールの整備と教育のためのスケジュール案を作成し、全社員が受講するまで1ヶ月程度の余裕を見ておきましょう。開発が必要な場合は数ヶ月の余裕を持たせ、プロジェクトチーム内で全体スケジュールを明確にしておきます。

ERP導入手順・スケジュールは企業により異なる

ERPの導入は長い期間をかけて慎重に進める一大プロジェクトです。ただし、紹介したものは一例なので、適した手段は企業によって異なります。導入前と開発段階、そして導入後の運用を想定して計画を作るようにしましょう。

まとめ

ERPを導入するためには、いくつものステップを踏んでいかなければいけません。しかし、導入が実現すれば、会社が大きく発展する可能性も十分期待できます。ERPを導入する際は、まずプロジェクトチームを立ち上げ、社員の声を吸い上げることからはじめましょう。社員の声が反映されたERPは、会社に多大なメリットをもたらしてくれるに違いありません。

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