ERPの導入で失敗しないポイントを解説

 2019.04.01  クラウドERP編集部

グローバル標準のクラウドERP

従前、ERP(Enterprise Resource Planning)は大企業や官公庁が導入するものと考えられていました。確かにERPが日本に浸透した1990年代後半から2000年にかけての期間では、そうした大規模組織が導入するものがほとんどでした。

当時のERPはほとんどが海外製品であり、日本企業に適用するには大量のアドオン開発を必要としました。当然そこには莫大なコストがかかりますし、運用負担も増大するため、資金源とIT技術者リソースが潤沢にある大規模組織だけが導入できるようなものだったのです。

しかし時代は流れて、日本独自のERPが生まれたり、海外製品の度重なるアップデートによって標準装備で日本企業の要件に対応できたりと、徐々にERP導入にかかるコストと運用負担が低下していきます。現在では中小企業やスタートアップ企業でも容易に導入できるケースが増え、特にクラウドERPの台頭によりERPは非常に短かな存在になったと言えるでしょう。

そんなERPをいつ導入しようかと検討している企業も多いかと思います。ただしERPは導入するだけで様々なビジネス効果をもたらしてくれるというわけではありません。ERP導入に失敗しないためにはいくつかのポイントを押さえることが大切です。

今回は、ERP導入におけるよくある失敗原因と、失敗しないためのポイントについて解説します。

ERP導入のよくある失敗原因

ERPを導入することでこれまで分断していた基幹システムが1つに統合され、経営情報の可視化や全社的な業務効率化など、様々なビジネス効果を得ることができます。しかし残念ながら、すべての企業がそうした恩恵を受けているわけではありません。様々な失敗原因によってERP導入が逆効果になってしまったという事例も少なくないのです。まずは、どんな失敗原因があるのかを確認していきましょう。

失敗1.ERP利用が定着しなかった

せっかく導入したERPも現場にまったく定着しなかったというのはよくある失敗原因の1つです。多くのビジネスパーソンは現状環境からの変化を嫌います。しかも既存システムが「まだまだ現役で使える」となると、ERPを導入しても既存システムをそのまま使い続けるビジネスパーソンが多くなります。

ERPに関するお役立ち資料

失敗2.部署間の連携が取れていない

ERPは部署ごとに連携を取ると、今まで不可能だったレベルでの情報伝達スピードを実現でき、部門間の連携力を高めることができます。しかし前述のように1部署でもERPが定着していないところがあると、ERPは機能しません。ERPは全社的に活用するシステムなので、部署間の連携が取れないことでそのビジネス効果は大幅に減少します。

失敗3.導入したERPがミスマッチだった

日本企業が導入できるERPは選択肢が非常に多く、ついつい要件定義をしっかりとせずにブランドだけでERPを選んでしまったという事例は、実は少なくありません。他にも導入に焦ってしまったなど理由はさまざまですが、ERPがミスマッチだったことで失敗に陥っているケースが珍しくないのです。

失敗4.要件定義が不十分でアドオン開発が増えた

最近では、ERPが標準装備でも日本企業にマッチされるようになったといっても、やはり多少のアドオン開発は必要です。そのためには入念な要件定義がとても大切になります。要件定義が固まっていないと、自社に適さないERPを導入してしまい、結果としてアドオン開発によってコストが増大する可能性があります。

失敗5.ERP導入が目的化してしまった

ERPの導入プロジェクトは往々にして時間がかかるため、時間の経過と共にERP導入そのものが目的に代わってしまうケースがあります。このケースではERPを導入した時点で運用に回すリソースが無く、結果として使えないERPを導入してしまうことになります。

このように、ERP導入にはたくさんの失敗原因があります。失敗しないためには何をすればよいのか?次項からご紹介します。

ERP導入が失敗しないためのポイント

それでは前述したERP導入の失敗原因も踏まえて、ERP導入が失敗しないためのポイントをご紹介します。

Point 1.要件定義はしっかりと、関連部署責任者と一緒に

ERP導入の成否を決定付ける大きな要素が「要件定義」です。自社にとってERPとは何か?どんな役割を担うのか?どんな効果を期待するのか?といった考えをベースに、それらにマッチした機能要件を定義していきます。要件定義で注意すべき点は「要る機能だけでなく、要らない機能も定義すること」です。要件定義が膨らみ過ぎるとアドオン開発増加のリスクがあるので、不要な機能についてもしっかりと定義することで要件がコンパクトにまとまります。ちなみに要件定義の際は関連部署責任者も含めて行うことで、ミスマッチを回避したり、ERP定着率を高めたりすることができます。

Point 2.将来的なシステム拡張まで含めて考える

経営が好調期にあると事業拡大や組織体制の変化に伴ってERPへのニーズが拡大します。その際に大切なのが「ERPのシステムとしての拡張性」です。自由にカスタマイズできるに越したことはないのですが、パッケージ製品はクラウドに比べてやはり高額ですし、運用負担も大きくなります。なので将来的なシステム拡張を十分に考慮し、無理のない範囲で拡張性の高いERPの導入が肝要になります。

Point 3.どの機能を備えているか?よりも、どこまでできるか?に着目する

ERPソフトウェアベンダー各社にRFP(Request for Proposal:提案依頼書)に製品の機能有無を細かく尋ねる項目を設けて、各製品でどんなことができるかを比較する企業は多いでしょう。その際に重要なポイントは「どこまでできるか?」について掘り下げて確認することです。ほとんどのERPソフトウェアベンダーは、RFPに記載されている機能について「ある」と返答します。実際に、ほとんどのERP製品は大体の機能要件に対応できるからです。しかしそれは条件付きだったり、限定的なシーンでの利用だったりします。なので「どの機能を備えているか?」も大切ですが、それよりも「どこまでできるか?」に着目することが大切なのです。

Point 4.ERP導入後の啓もう活動を担うチームを作る

ERPは全社的に利用するシステムですが、いきなり全社的に導入すると失敗する可能性が大きくなります。特にERPを導入して、その利用をユーザー部門に丸投げするような方法は最悪です。ERP導入後は必ず、啓もう活動を実行するチームを作り、スモールスタートでERP運用を開始しましょう。小さなところから始めてノウハウを積みあげていき、チームからのサポートで全社的なERP定着を目指していきます。

Point 5.オンプレミスとクラウド、慎重に導入形態を選択する

オンプレミスとクラウドには決定的な違いがあり、ERPは大規模なシステムなのでその違いが顕著に表れます。たとえば自社リソースを使うオンプレミスと、ERPソフトウェアベンダーがリソースを消費するクラウドとでは、運用負担に雲泥の違いがあります。クラウドでは運用にほとんどノータッチでERPを利用できるので、中小企業にもおすすめです。ただしネットワーク経由で利用するサービスなので、セキュリティ面で不安が残るという人もいます。オンプレミスかクラウドかに関しては、導入企業の環境によって最適な導入形態が変わるので、慎重に選択しましょう。

いかがでしょうか?これらのポイントを押さえるだけで、ERP導入における失敗は大幅に回避できるでしょう。ERP導入の際は、ぜひ参考にしてください。

失敗するERP導入プロジェクトの4大要因

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