ERPのトレンド、AIやIoT、ブロックチェーンなど

 2019.02.27  クラウドERP編集部

ERP(Enterprise Resource Planning)で統合的なシステム環境を構築することは、組織全体の情報を一元管理し、情報活用を促進するきっかけになります。さらには部門最適化されサイロ化が進んだシステム環境が統合されることで、部門間でのデータの受け渡しがスムーズになり、組織全体の生産性が向上する“全体最適化”の概念を実現するための基盤にもなります。

ただし、2000年代初頭に普及したERPとは違い、現代のERPは多様化が進み様々なトレンドが入り混じり、現在の市場を形成しています。そのため、企業はERPの各トレンドについて深く理解し、組織の未来を託すことができるERPを選ぶことが大切です。

そこで本稿ではERPを取り巻くトレンドについて分かりやすくご紹介します。

クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングという言葉は2006年から浸透し始め、今ではその言葉が知れ渡っているだけでなく、IT業界を牽引する技術の1つにまで成長しています。具体的にはIaaS、PaaS、SaaSというカテゴリがあり、それぞれがビジネス課題を解決するソリューションとして存在しています。

IaaS(Infrastructure as a Service)…システム環境の構築に必要なサーバーリソース、ネットワーク等のインフラをサービスとして提供する

PaaS(Platform as a Service)…アプリケーションの稼働や開発に欠かせないミドルウェアやOSといったプラットフォームをサービスとして提供する

SaaS(Software as a Service)…アプリケーションそのものをサービスとして提供する

ERPにもこのクラウドの波は大きく押し寄せ、ERP市場では現在オンプレミスパッケージの出荷が減少し、クラウドERPによるサブスクリプションモデルが急激に増加傾向にあります。

クラウドERPはオンプレミスで構築するERPパッケージに比べて、初期投資を抑えることができたり、導入が迅速だったり、運用負担が軽くなったりと様々なメリットを持ちます。そのため大企業や中小企業といった組織規模を問わず、統合システム環境を構築する上で有効な選択肢となりました。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは仮想通貨であるビットコインから生まれたデータ管理・処理技術の1つです。ビットコインは円やドルと同じような通貨の一種ですが、ビットコインを管理する専門機関は存在しません。それはインターネット上でやり取りされる仮想通貨だからこそのものであり、これを実現しているのがブロックチェーンという技術です。

ERPに関するお役立ち資料

ブロックチェーンは「1つの台帳」だと考えてください。その管理台帳には誰が、いつ、いくら、ビットコインを使用・送金したかといった情報がすべて記載されています。この台帳は誰が管理しているかというと、ビットコインを使用しているすべてのユーザーです。ブロックチェーンが扱うデータはビットコインを使用しているすべてのユーザーのコンピューターに分散管理され、互いに管理し合う仕組みになっています。だからこそ中央銀行のような管理者がなくても、安心な通貨として使用できるのです。

このブロックチェーンは現在、フィンテック(金融×技術)を中心に様々なシーンでの展開が進んでいます。近年、ブロックチェーンとERPを融合するサービスの開発が各ベンダーで進められており、ERPにおけるデータ管理の信頼性をより高める技術として注目されています。

IoT(Internet of Things)

IoTは「Internet of Thigs(インターネットオブシングス)」の短縮形であり、日本語に訳すと「モノのインターネット」という意味になります。意訳すると「モノがインターネット化する」というのが、IoTのコンセプトに最も近いでしょう。

つまりIoTとはモノがインターネットに接続された状態にするための技術であり、それらのモノが世の中に溢れることで生活の利便性が劇的に向上した世界を指す言葉でもあります。

たとえば日本には古くから「スマートポット」というIoT製品があります。これは、遠方に離れて暮らす両親が健康に生活しているか確認するために、ポットにセンサーを取り付けてネットワークに接続したものです。ポットを使用することでセンターがそれを察知し、使用した日時をメールにて送信します。それを確認すれば両親が健康に暮らしていることを毎日知ることができます。

このようにモノがインターネットに接続することで起こるインパクトは非常に大きく、それはビジネスや私生活を激変させます。ERPはこのIoTから生成されるデータの受け皿として、データを収集し、リアルタイムな分析と可視化、それによる新しいサービスの提供を実現します。

人工知能(AI)

人工知能は人間の知能を模倣するために作られるコンピュータではあるものの、必ずしも人間的行動を模倣するようなコンピュータだけが人工知能ではなく、むしろほとんどの人工知能は特定の分野に特化したコンピュータを指します。

たとえば皆さんが普段使用しているキーボード。これを使用するためには専用のアプリケーションが必要であり、そこには少なからず人工知能が搭載されています。キーボードを使用している最中に変換候補や予測変換が表示されるとき、その配列が度々変わっていることに気づいたでしょうか?これはちょっとした人工知能で、ユーザーが入力した内容を学習し、よく変換される文字を上位にもってきているのです。

このように人工知能はちょっとした利便性の向上から、ビジネスにおける業務プロセスの大部分を効率かするための技術として、現在他分野で活躍しています。ERPに人工知能を組み込むことで、人がこれまで行ってきた機械的な定型作業を自動化したり、人間的判断が必要なプロセスまで自動化が可能です。

RPA(Robotic Process Automation)

RPAはパソコン操作によって行う業務を自動化するためのロボットソフトウェアです。主にホワイトカラー業務が中心となり、経理、総務、人事といった部署では日常的あるいは定期的に発生する定型業務が多く存在します。たとえば日次の売上データを週ごとにまとめてシステムに転記したり、人事システムに記録されている労働時間情報をもとに、残業時間超過の連絡をしたり、こうした業務は予め手順が決められている定型業務となります。

手順が決められている定型業務ならばRPAによる自動化が可能です。パソコン上で行う操作をRPAに指示し、自動化ロボットを開発するだけです。

Excelシート内のプログラムを自動化するマクロ機能とは違い、Excelで自動的に作成したファイルを関係者間で共有するためのメールに添付して送信したり、クラウドストレージにファイルをアップロードしたりと、複数のアプリケーションにまたがって自動化が可能です。

ERPで行う業務にRPAを組み込むことも可能で、全体最適化はもちろん業務自動化も実現できます。

進化するサプライチェーンマネジメント

事業者間から消費者までを連鎖的に原材料や部品、製品が流れていくことを“サプライチェーン(供給連鎖)”といいます。そして情報は、こうした製品の流れとは逆方向にさかのぼっていきます。

製品と情報の流れが滞ってしまうと、製造メーカーは市場需要が把握できなくなり、適切な製品を市場に投入できないばかりか、投入までのリードタイムが長期化してしまいビジネスが成り立たなくなります。こうした問題を回避するために、サプライチェーンマネジメントでは製品の流れと情報の流れを管理し、最適化を図り、適切なタイミングで適切な製品を市場に投入し、さらにそこから得られる情報を新たなビジネスへと繋げていくことを目的としています。

サプライチェーンマネジメントは1980年代に始めた用いられた経営手法概念ですが、近年のIT技術進歩によって現実的な手法になり、クラウドERPを始めとしてAIなどを組み合わせた統合システム環境によってサプライチェーンの今までにない基準での最適化が可能になっています。

インダストリー4.0(Industrie 4.0)

ドイツ政府が主体となり長年取り組んでいる新しい産業革命が「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」です。具体的には「工場のデジタル化」を進めるのがインダストリー4.0のコンセプトです。これを聞くと、日本でも産業ロボット等の活躍によって、生産ラインの自動化は進んでいると考える方が多いでしょう。しかしインダストリー4.0は従来取り組まれてきた生産ラインとは全く違ったアプローチから、劇的な生産性の向上を目指しています。

インダストリー4.0の内容についてまとめると次のようになります。

  • ドイツ政府が主体になって推進する対外競争力を高める国家的戦略プロジェクト
  • 製造業のデジタル化及びコンピューター化を目指す
  • IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を取り入れる
  • CPS(サイバー・フィジカル・システム)を導入してスマートファクトリーを実現する
  • 消費者1人1人に合わせた商品作りであるマスカスタマイゼーションを実現する
  • 生産にかかるコストを極小化し、相対的に生産性を最大化する

こうしたスマートファクトリーにはIoTや人工知能が不可欠であり、そこにはやはりERPの存在も大きく関与しています。

ERPのトレンドを常にチェックしよう

ERPのトレンドは常に変化していますので、これにアンテナを張って最新のトレンドをチェックしておくことで、競争優位な業務システムの構築を実現することができます。本稿でご紹介したトレンドからその理解を深めていきましょう。

企業情報システム担当者は真のクラウドERPへの対応を切望

RECENT POST「ERP」の最新記事


この記事が気に入ったらいいねしよう!
ERP(統合基幹業務システム)の導入を成功に導く10のステップ
New Call-to-action
NetSuite 10ユーザー分の価格と導入費用
New Call-to-action

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング

New Call-to-action