日本企業のための海外事業展開に失敗しないポイント

 2018.10.25  クラウドERP編集部

2020年東京オリンピックの開催を控え、着実に高まりつつあるインバウンド需要。同年の訪日外国人数は4,000万人に達すると言われています。日本には世界に誇る技術力と製品力があり、海外では“Made in Japan”ブランドが今なお人気を集めています。こうした背景もあり、日本企業の海外展開は毎年高い水準をキープしています。

独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)が毎年発表している調査(2017年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(ジェトロ海外ビジネス調査)結果概要)によると、今後海外展開を図ると回答している企業が全体の57.1%、現状を維持すると回答している企業は16.1%です。過半数の日本企業が海外展開に積極的な姿勢を見せており、今後もこの傾向は続くでしょう。

しかし残念ながら、海外展開に取り組んだ企業のすべてが成功を収めているわけではありません。海外市場でうまく波に乗れず、事業撤退を止む無くされるケースも多いのです。本稿では、そうした失敗をしないための海外事業展開のポイントをご紹介します。

海外展開のメリット

そもそも日本企業の海外展開にはどんなメリットがあるのでしょうか?

日本市場よりも大きな市場でビジネスができる

単純なメリットといえばとにかく市場が大きいことです。ビジネスの基本はより大きな市場を狙うことなので、日本市場に限定するのではなく視野を海外に広げることで大きな市場でビジネスを展開できます。少子高齢化が進み市場が縮小傾向にある日本から海外に販路を求めることは妥当な判断といえるでしょう。

さらに、海外市場でビジネスを展開することで世界的なトレンドをリアルタイムに感じ取ることができます。新しい技術や新しいサービスなどのトレンドは、海外で生まれ数ヵ月の時間を経て日本に上陸するのでそこにタイムラグがあります。これをリアルタイムに感じ取れるということは、日本市場において競合他社よりも優位に立つチャンスが多くなるということです。

一つの製品・サービスに集中できる

日本人ユーザーがよく使用するTwitter、Facebook、Dropbox、EvernoteなどのSNSおよびクラウドサービスは、提供しているサービスが一つであり、かつ社名と同じです。これは「成功している企業は社名とサービスが同じことが多い」ということを示しています。

一方で日本企業の多くは多彩なサービスを提供する“横展開”を得意としています。これは一つのサービスだけだと経営を支えられないからという見方もできるでしょう。しかし本来は誰にも負けない一つのコアサービスを提供し続けることに価値があります。

もしも一つだけのサービスをグローバルレベルで提供していれば、人材や資金が集まり、ノウハウが蓄積され、業務の最適化が進み、サービスの品質が自然と向上します。

ERPに関するお役立ち資料

日本市場だけを相手にしたビジネスでは、成長を考慮して製品やサービスの横展開をせざるをえない状況のため、一つだけのサービスにフォーカスしたビジネスが難しくなります。

海外の方が人材と資金が集まりやすい

日本と海外とではビジネスに集まる人材と資金の規模が圧倒的に違います。総合コンサルティングを提供するアクセンチュアが行った調査(投資先進国に比べると日本のフィンテック投資は約1/30。2017年のフィンテック投資市場調査からみる世界の動き)によると、日本のフィンテック投資額は投資先進国に比べると30分の1程度まで水準が下がってしまいます。

このデータからも海外市場の大きさが読み取れますし、海外展開することで日本市場では難しい資金調達を実現することも可能です。

人材の規模に関しても海外の方が圧倒的です。日本よりも優秀なグローバル人材が豊富ですので、人種や文化の壁を越えた組織を作り上げることができます。

こうしたメリットから日本企業の海外展開は活発化しており、近年では海外展開のためのインフラが整備されていることから、中小企業でも海外展開への意欲が高まっている状態です。

海外事業展開のポイント

それでは具体的な海外事業展開のポイントについてご紹介します。

既にあるものを真似ず、日本特有のものを

日本が提供する製品やサービスが海外から人気を集める理由は、そこに日本特有の商習慣から生まれた観点が盛り込まれており、海外では発想すらされないアイディアが詰まっているからです。そうした“日本らしさ”を盛り込むことは日本企業が海外展開する上での強みでしょう。

たとえばツナ缶。日本と海外のツナ缶製造工程は大きく異なり、日本では新鮮な材料を先に缶に詰めてから蒸すことで臭みを無くしたり、見た目や味の品質を保っています。それに対して海外では大量の材料を蒸したり茹でてから缶に詰めるので、身がボロボロに崩れていたり、生臭さが目立ってしまいます。こうした技術は日本人特有の繊細さが生んだものだと言えるでしょう。

このように同じ製品やサービスを提供するにおいても、そこに“日本らしさ”があるか無いかではビジネスの成功率が大きく違います。

シンプルに使いやすく

日本の製品と海外の製品を比べてみると、後者の方が大雑把に作られていることが少なくありません。これは手抜きをしているというよりも、日本の製品が価格以上の品質を求めてしまう傾向にあるからでしょう。この概念は日本国民全体が持っているものなので、企業は常に「価格以上の品質や価値を」と企画開発に熱を入れているのです。

これは言い換えれば日本の製品が複雑かつ海外ユーザーにとって使いづらい側面があるということです。数十年前の日本製品は「マニュアルが無くても使える」という使いやすさが海外で評価されていましたが、いつしか製品が複雑化したことでマニュアルが無ければ操作が難しく、シンプルを追求する海外ユーザーから敬遠されるようになったのです。

なので、海外展開で提供する製品やサービスに関しては“シンプルで使いやすい”を心掛けることが肝要です。価格以上の品質や価値を提供していても、そもそもユーザーがそれを求めていないかもしれません。

常に事業採算を考慮する

日本のベンチャー企業と海外のベンチャー企業で大きく違う点は「お金儲けへの執念」かもしれません。海外のベンチャー企業では何か新しい事業を立ち上げる際に、まずはその事業が儲かるかを考えます。投資に対してどれくらいのリターンがあるかを考慮し、儲かる見込みがない事業に対しては徹底して手を出さない企業が多いです。

一方、日本のベンチャー企業が新しい事業を立ち上げる際はその理由として「面白いと思ったから」と考えるケースが多いようです。恐らく、お金儲けの話をすることが文化的に嫌われる傾向にあるため「儲かるかどうか?」という考えを自然と避けているのでしょう。

しかし「お金儲けへの執念」が無いと製品やサービスが成長しないことは言うまでもありません。ビジネスとは歯に衣着せずに言えば“お金儲け”なので、その執念がない限り製品やサービスをより良いものにしようという考えは生まれないのです。

情報可視化のためのクラウドERP

システム面での話をすると日本企業本社と海外拠点がリアルタイムに情報共有できる基盤を整えることが欠かせません。それに貢献するITシステムが“クラウドERP”です。インターネット経由で統合的なアプリケーションを提供することで、同じシステム環境を構築して情報共有力を高めることができます。その際には多言語、多通過に対応したグローバル対応のクラウドERPの選定が必要不可欠になります。

経営者やマネジメント層はグローバルレベルで、今、何が起きているのかをリアルタイムに把握することができます。また、クラウドですので場所や時間を問わず確認ができます。このリアルタイムの経営の可視化により意思決定は迅速化されるだけでなく、グローバルレベルでのガバナンスの強化に対応できるのです。もちろんクラウドERPであれば本来やるべきではないサーバーやERPソフトウェアのメンテナンスはベンダーが行うので不要になります。つまり、自社のコア業務に集中できるのです。

業務プロセスをコントロールできるシステムは海外展開には必要不可欠と言えるのではないでしょうか。

 

海外事業展開で成功するための基本的なポイントをいくつかご紹介しました。情報可視化や業務プロセス構築のためのクラウドERPを導入する際は、ぜひ中堅・大規模に対応したOracle ERP Cloudやスタートアップ・中小企業のためのOracle NetSuiteにご注目ください。

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