株式上場基準をおさらい(東証・JASADQ・札幌・名古屋・セントレックス・福岡)

 2018.10.04  クラウドERP編集部

企業が株式市場にて自社の株式を売買し、そこから資金調達ができるようにすることを“上場”といいます。株式市場には色々な種類があり、企業が上場するためには各証券取引所が提示する条件をクリアしていなければなりません。

それに加えて上場を目指す企業には審査基準があり、この基準を満たしていないと上場はできません。今回はこの審査基準について、各証券取引所が定める基準をご紹介します。

上場条件については「上場の条件とは?各証券取引所が規定する条件について」をご確認ください。

東京証券取引所(東証)

日本最大の株式市場であり、大企業と呼ばれる企業のほとんどが東京証券取引所に上場しています。東証一部、東証二部、東証マザーズと段階的に3つの株式市場があります。

上場の審査基準

項目

内容

企業の継続性及び収益性

継続的に事業を営み、かつ、安定的な収益基盤を有していること

企業経営の健全性

事業を公正かつ忠実に遂行していること

企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性

コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が適切に整備され、機能していること

企業内容等の開示の適正性

企業内容等の開示を適正に行うことができる状況にあること

その他公益又は投資者保護の観点から東証が必要と認める事項

-

札幌証券取引所

主に北海道に本社を置く企業や事業実績のある企業が上場する株式市場です。中小企業等が上場する本則市場と、ベンチャー企業が中心に上場するアンビシャス市場があります。本則市場には対象企業の条件がないため北海道に本社を置かない企業でも上場できます。ちなみに札幌証券取引所に上場している企業は単独上場で15社、本則市場が8社、アンビシャス市場が7社と少なくなっています。

上場の審査基準

項目

内容

企業の継続性及び収益性

継続的に事業を営み、かつ、安定的な収益基盤を有していること

企業経営の健全性

事業を公正かつ忠実に遂行していること

企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性

コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が適切に整備され、機能していること

企業内容等の開示の適正性

企業内容等の開示を適正に行うことができる状況にあること

その他公益又は投資者保護の観点から東証が必要と認める事項

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ERPに関するお役立ち資料

審査基準に関しては東京証券取引所と同じですが、札幌証券取引所のホームページでは上場規則として様々な規定を設けています。以下がその一例です。

コーポレートガバナンスコード 基本原則1

上場会社は、株主の権利が実質的に確保されるよう適切な対応を行うとともに、株

主がその権利を適切に行使することができる環境の整備を行うべきである。

また、上場会社は、株主の実質的な平等性を確保すべきである。

少数株主や外国人株主については、株主の権利の実質的な確保、権利行使に係る環

境や実質的な平等性の確保に課題や懸念が生じやすい面があることから、十分に配慮

を行うべきである。

名古屋証券取引所

愛知県およびその周辺に本社を構える企業や事業運営実績がある企業が上場しています。ただし、東京に近い分だけ株式の流通シェアは東京証券取引所に流れる傾向があるので注意が必要です。主に大企業が上場する一部市場、中堅企業が上場する二部市場、中小企業やベンチャー企業が上場するセントレックス市場があります。

一部市場及び二部市場の上場審査基準

項目

内容

(1) 企業の継続性及び収益性

継続的に事業を営み、かつ、安定的な収益基盤を有していること

1. 事業計画が、そのビジネスモデル、事業環境、リスク要因等を踏まえて、適切に策定されていると認められること

2. 今後において安定的に利益を計上することができる合理的な見込みがあること

3. 経営活動が、安定かつ継続的に遂行することができる状況にあること

(2) 企業経営の健全性

事業を公正かつ忠実に遂行していること

関連当事者その他の特定の者との間で、取引行為その他の経営活動を通じて不当に利益を供与又は享受していないこと

役員の相互の親族関係、その構成、勤務実態又は他の会社等の役職員等との兼職の状況が、公正、忠実かつ十分な職務の執行又は有効な監査の実施を損なう状況でないこと

親会社等を有している場合には、経営活動が当該親会社等からの独立性を有する状況にあること

(3) 企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性

コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が適切に整備され、機能していること

役員の適正な職務の執行を確保するための体制が、適切に整備、運用されている状況にあること

経営活動を有効に行うため、その内部管理体制が適切に整備、運用されている状況にあること

経営活動の安定かつ継続的な遂行及び適切な内部管理体制の維持のために必要な人員が確保されている状況にあること

実態に即した会計処理基準を採用し、かつ、必要な会計組織が、適切に整備、運用されている状況にあること

法令等を遵守するための有効な体制が、適切に整備、運用され、また、最近において重大な法令違反を犯しておらず、今後においても重大な法令違反となるおそれのある行為を行っていない状況にあること

(4) 企業内容等の開示の適正性

企業内容等の開示を適正に行うことができる状況にあること

経営に重大な影響を与える事実等の会社情報を適正に管理し、投資者に対して適時、適切に開示することができる状況にあること及び内部者取引の未然防止に向けた体制が適切に整備、運用されていること

企業内容の開示に係る書類が、法令等に準じて作成されており、かつ、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項や主要な事業活動の前提となる事項が適切に記載されていること

関連当事者その他の特定の者との間の取引行為又は株式の所有割合の調整等により、企業グループの実態の開示を歪めていないこと

親会社等を有している場合、申請会社の経営に重大な影響を与える当該親会社等に関する事実等の会社情報を、投資者に対して適時、適切に開示できる状況にあること

(5) その他公益又は投資者保護の観点から名証が必要と認める事項

株主の権利内容及びその行使の状況が公益又は投資者保護の観点で適当と認められること

経営活動や業績に重大な影響を与える係争又は紛争等を抱えていないこと

反社会的勢力による経営活動への関与を防止するための社内体制を整備し、当該関与の防止に努めていること及びその実態が公益又は投資者保護の観点から適当と認められること

その他公益又は投資者保護の観点から適当と認められること

 

セントレックス市場の上場基準

項目

内容

(1) 企業の成長性

高い成長の可能性を有していること

高い成長の可能性を有していると認められる事業を営んでいること

(2) 企業内容、リスク情報等の開示の適切性

企業内容、リスク情報等の開示を適切に行うことができる状況にあること

経営に重大な影響を与える事実等の会社情報を適正に管理し、投資者に対して適時、適切に開示することができる状況にあること。また、内部者取引の未然防止に向けた体制が、適切に整備、運用されていること

企業内容の開示に係る書類が法令等に準じて作成されており、かつ、申請会社及びその企業グループの業種・業態の状況を踏まえて、適切に記載されていること

関連当事者その他の特定の者との間の取引行為又は株式の所有割合の調整等により、申請会社の企業グループの実態の開示を歪めていないこと

親会社等を有している場合、申請会社の経営に重大な影響を与える親会社等に関する事実等の会社情報を、投資者に対して適時、適切に開示できる状況にあること

(3) 企業経営の健全性

事業を公正かつ忠実に遂行していること

関連当事者その他の特定の者との間で、原則として、取引行為その他の経営活動を通じて不当に利益を供与又は享受していないこと

役員の相互の親族関係、その構成、勤務実態又は他の会社等の役職員等との兼職の状況が、役員としての公正、忠実かつ十分な職務の執行又は有効な監査の実施を損なう状況でないこと

親会社等を有している場合、企業グループの経営活動が当該親会社等からの独立性を有する状況にあること

(4) 企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性

コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が適切に整備され、機能していること

役員の適正な職務の執行を確保するための体制が相応に整備され、適切に運用されている状況にあること

経営活動を有効に行うため、その内部管理体制が相応に整備され、適切に運用されている状況にあること

経営活動の安定かつ継続的な遂行及び内部管理体制の維持のために必要な人員が確保されている状況にあること

実態に即した会計処理基準を採用し、かつ、必要な会計組織が、適切に整備、運用されている状況にあること

法令等を遵守するための有効な体制が、適切に整備、運用され、また、最近において重大な法令違反を犯しておらず、今後においても重大な法令違反となるおそれのある行為を行っていないこと

(5) その他公益又は投資者保護の観点から名証が必要と認める事項

株主の権利内容及びその行使の状況が、公益又は投資者保護の観点で適当と認められること

経営活動や業績に重大な影響を与える係争又は紛争等を抱えていないこと

主要な事業活動の前提となる事項について、その継続に支障を来す要因が発生していないこと

反社会的勢力による経営活動への関与を防止するための社内体制を整備し、当該関与の防止に努めていること及びその実態が公益又は投資者保護の観点から適当と認められること

その他公益又は投資者保護の観点から適当と認められること

福岡証券取引所

主に福岡県に本社のある企業が上場しており、その他九州周辺に本社のある企業や福岡県内で実績のある企業などの上場も見られます。中小企業を中心とした本則市場と、ベンチャー企業を中心としたQ-Board市場があります。

本則市場の審査基準

項目

内容

(1)企業の継続性及び収益性

事業計画の適切性

安定的な利益計上の見込み

仕入、生産、販売等の事業活動・投資活動・財務活動の状況、主な事業の前提となる事項の継続性

(2)企業経営の健全性

関連当事者その他特定の者との取引の合理性・妥当性

役員の構成及び兼務の状況

親会社等から独立した経営の確保

(3)企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性

機関設計及び監査の有効性

内部管理体制の整備・運用の状況

必要な人員の確保の状況

会計組織の整備・運用の状況

法令遵守体制の有効性

(4)企業内容等の開示の適正性

会社情報の管理・開示の状況

企業内容等の開示の状況

企業グループの実態の開示の状況

親会社等の開示の有効性

開示実績の状況(既上場会社である場合)

(5)その他公益又は投資者保護の観点から本所が必要と認める事項

株主の権利

買収防衛策導入に関する事項

反社会的勢力関与防止の体制整備

その他

Q-Board市場の審査基準

項目

内容

(1)企業内容、リスク情報等の開示の適切性

会社情報の管理・開示の状況

企業内容、リスク情報の開示の状況

企業グループの実態の開示の状況

親会社等の開示の有効性

開示実績の状況(既上場会社である場合)

(2)企業経営の健全性

関連当事者その他特定の者との取引の合理性・妥当性

役員の構成及び兼務の状況

親会社等から独立した経営の確保

(3)企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性

機関設計及び監査の有効性

内部管理体制の整備・運用の状況

必要な人員の確保の状況

会計組織の整備・運用の状況

法令遵守体制の有効性

(4)その他公益又は投資者保護の観点から本所が必要と認める事項

株主の権利

買収防衛策導入に関する事項

反社会的勢力関与防止の体制整備

その他

ジャスダック(JASADQ)

ベンチャー企業ならびに中小企業が中心となる株式市場です。革新性、信頼性、地域性、国際性をコンセプトにしており、新興市場の部類に入ります。ただし、有名企業も名を連ねる注目市場です。

JASDAQの審査基準

スタンダード

グロース

(企業の存続性)

事業活動の存続に支障を来す状況にないこと

(企業の成長可能性)

成長可能性を有していること

(健全な企業統治及び有効な内部管理体制の確立)

企業規模に応じた企業統治及び内部管理体制が確立し、有効に機能していること

(成長の段階に応じた健全な企業統治及び有効な内部管理体制の確立)

成長の段階に応じた企業統治及び内部管理体制を確立していること

(企業行動の信頼性)

市場を混乱させる企業行動を起こす見込みのないこと

同左

(企業内容等の開示の適正性)

企業内容等の開示を適正に行うことができる状況にあること

同左

その他公益又は投資者保護の観点から東証が必要と認める事項

同左

以上が各証券取引所における上場の審査基準になります。各株式市場、同じようで異なる審査基準を設けていますので、上場を目指す際は基準をしっかりと確認した上で、それに向けた取り組みを進めていきましょう。

小規模企業における成長戦略

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