上場のメリットとは?株式公開を目指す企業のためにおさえておきたい情報

 2018.09.27  クラウドERP編集部

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ニュースでよく「○○株式会社が東証一部上場しました」という言葉を耳にします。なんとなく会社にとって重大なことなんだな、とは理解できますが実際に“上場”の意味を理解している方は少ないかもしれません。

そこで今回は、上場を目指す企業や社会人として知っておきたい上場するということの意味と、上場のメリットについてご紹介します。

上場とは?

上場とは誰もが証券取引所を通じて会社の“株式”を購入できるようにすることです。

株式とは証券取引をするための単位で“株”と呼んだりもします。たとえば皆さんがとある会社の株式を100株100万円で購入したとします。その購入金額は会社の資産となって運営に回されます。この会社の経営が波に乗っていて、時価総額が向上した時点で株式を売却すればその分の差額が利益になるということです。これを“株取引”と呼び、株を保有している人や団体のことを“株主”と呼びます

では、上場することで企業にはどういった変化が生じるのか?企業が経営資金を売上以外から調達するためには、次の2つの方法のうちいずれかを選択します

  • 銀行等の金融機関や投資家、VC(ベンチャーキャピタル)から借金する
  • 株式を発行し購入してもらい資金を調達する

言わずもがな、後者の資金調達方法が実行できるのは上場企業だけです。それ以外の企業は1の方法によって資金を調達します。2つの資金調達方法の大きな違いは「利息があるか否か」です。

借金は利息を含めて返済する必要があるのに対し、株式から調達した資金には利息がありません。それはあくまで「株式を売買する」のであって、借金ではないからです。

企業は株式から調達した資金をもとに経営を行い、会社の時価総額を上昇させたり株主優待等の優待制度を設けることで利益の一部を株主に還元しています。

理解のポイント

上場とは、会社が株式を売買できる仕組みを取り入れること。

株式から調達した資金には借金のような返済義務や利息はない。

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上場の種類

ニュースでは「東証一部に上場」や「東証マザーズに上場」といった文言を耳にします。実は上場する株式市場には種類があり、地域ごとに証券取引所も違います。例として東京証券取引所(東証)を取り上げてみます。

東証一部

いわゆる大企業と呼ばれる会社が上場する市場です。上場審査基準は非常に厳しく、どの会社も上場できるわけではありません。上場までに2年以上の期間を必要とするのがほとんどであり、時価総額が250億円以上、株主人数が2,500人以上等の厳しい条件もあります

東証二部

一般的に中堅企業が上場する市場です。東証一部に比べると審査基準は厳しくありませんが、それでも時価総額20億円以上、株主人数800人以上等の条件があります。

東証マザーズ

ベンチャー企業などの新興会社が上場する市場です。東証一部と東証二部に比べて条件が低く、さらに“会社の成長性”が審査基準に盛り込まれているので、現時点で高い売上を獲得しているかどうかはあまり重視されません。

東京証券取引所以外にも北海道証券取引所、大阪取引所など地域ごとに証券取引所があり、それぞれの審査基準や条件が違います。

上場するメリット

企業が上場するためには多額の費用が必要になりますし、上場後も維持費として年間50万円~450万円程度の費用がかかります。これは上場時の時価総額によって判定され、かつこれ以外にも様々な費用がかかります。東証一部に上場した企業は平均的に年間5,000万円~1億円の維持費がかかるとも。

なぜこうした投資をしてまで上場するのか?具体的なメリットをご紹介します。

資金調達が容易になる

銀行や投資家から借金をして資金調達する場合、当然ながらおいそれとお金を借りられるわけではありません。なぜ資金が必要なのか?どんな事業に充てるのか?その事業の将来性は?などを細かく説明し、その理解を得なければいけません。加えて借金には利息が付きますので、借りた金額に利息分を上乗せして返済します。

一方上場した企業は株式の売買によって資金調達が行えますので、借金するよりも多額の資金を迅速に調達できビジネスの幅を広げることができます。さらに会社の業績が伸びたら株式を購入する人が増える傾向にあり、株価は上昇しより多額の資金が得られるようになります。

ちなみに創業者は会社が上場することで“創業者利益”という所有している株式の株価が跳ね上がるため、莫大な利益を得られます。

取引先や金融機関、社会からの信用が向上する

企業が上場すると取引先や金融機関からの評価は劇的にアップします。その理由は上場したことで会社の財務情報を公開する必要があり、かつ安定した経営をするだけの資金を持っているというアピールになるからです。

会社の財務情報を公開していれば本当に売上を伸ばしている会社なのかどうかを証拠として提示でき、新規取引先とのビジネスがスムーズに進みます。社会的信用が向上することで、会社の製品やサービスの価値も向上します。

会社の知名度が上がり優秀な人材が集まる

優秀な人材が必ずしも上場企業に集約するわけではありません。しかし、上場企業に優秀な人材が集まりやすいことは事実です。上場することで社名が新聞に記載されたり、ニュースでも話題として取り上げられやすかったり、ネット求人でも上場した企業なのかどうかの情報が記載されるので、自然と優秀な人材の目に留まりやすくなります。

そのため、深刻な人材不足問題の最中でも効率良く優秀な人材を確保できます。

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ガバナンスが強化される

近年“ガバナンス”という言葉をよく耳にします。これは日本語で“社内統制”という意味があり、会社にとって致命的なダメージになる不祥事の発生を抑止したり、法令を遵守するための管理体制のことを指します。

企業が上場するということはこのガバナンスが強化されたことを意味します。なぜなら、上場の審査基準の中にはガバナンスを評価する項目があり、コンプライアンスマニュアルの作成も必要だからです。ガバナンスが強化されることで企業はより強固な組織として、ビジネスの拡大を図ることができます。

従業員のモチベーションが向上する

企業の良し悪しは売上高やブランドによって決まるものではありません。売上高が大きく上場している企業の中にも、いわゆる“ブラック企業”と呼ばれ過酷な労働環境を持っているところはあります。しかし、企業が上場することで従業員のモチベーションが向上するのは確かです。

特に上場前から従事している従業員に関しては団結力が大幅に強化され、組織的にビジネスを成功させようという姿勢がより強まるでしょう。

創業者利益による資産作り

前述のように上場時は創業者利益によって多大な資産を得ることができます。これを会社の資産とすることで、幅広い事業展開が可能になりビジネスを拡大できます。

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上場のデメリットも理解しよう

いかがでしょうか?今回は上場のメリットをご紹介しました。注意していただきたいのは、上場にもデメリットがあるということです。上場のための維持費がかかったり、買収されるリスクがあったりと、考慮しなければいけないデメリットがいくつかあります。その点をしっかりと踏まえた上で、企業として上場するかどうかを判断しましょう。

また、上場するということは透明性を確保するということに他なりません。そのためにはクラウドERPなどで経営の見える化などの準備が必要不可欠なので考慮すると良いでしょう。その際にはNetSuiteなどをご検討いただけると嬉しいです。

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