業務プロセスを改善する手順と方法

 2019.04.06  クラウドERP編集部

新入社員、新規配属の方必見!ERP入門特集

多くの企業や組織は業績を少しでもよくするために、そして利益を確保するために、現在の業務効率に疑問を持ち、1秒でも早く完了し、1円でも安く仕上げる、といった業務プロセスの改善に取り組んでいく必要があります。

本稿では、業務プロセス改善の定義から、改善のための手順や方法を紹介します。

「業務プロセスの改善」とは?

日本企業の中で改善活動に取り組んでいない企業はいないでしょう。「KAIZEN(カイゼン)」は世界のビジネス社会でも共通語となっており、改善活動は日本企業が得意とするところ、という認識が強いでしょう。実際に大手日本企業の多くは度重なる改善活動によって、今の地位を手にしています。

では、「業務プロセスの改善」とはそもそも何なのか?それは、「自社の利益確保及び向上」を最終的な目的として、業務の「ムリ」「ムダ」「ムラ」を排除し、業務時間を削減し、ミスの低減や抑制をし、投下コストの削減に取り組むことです。つまり、現状よりも手間や時間をかけずに、同じ業務の結果が得られるように既存の業務プロセスを改善するための活動です。

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業務プロセス・マネジメント(BPM)を実施する

昨今の業務プロセス改善のアプローチとして、多くの企業で高い効果を発揮しているのが「業務プロセス・マネジメント(BPM)」です。これは「業務プロセスを整理し、分析し、どうすれば効率的かつ効果的に仕事ができるか、という改善を継続的に行うこと」です。

企業が日常的に行っている一連の経営活動の中には、繰り返し実行される定型的な業務があり、これを業務プロセスと呼びます。業務プロセス・マネジメントはそうした業務プロセスを対象に、細部にわたって分析し、その効果と効率を向上させることに意義があります。

たとえば、業務プロセスのリードタイムを短縮する、欠陥を排除することで成果物の品質を向上させる、コストを削減する、顧客の満足度を向上するなどが業務プロセス・マネジメントを実施する効果です。

業務プロセス・マネジメントを実施するためには、不要な業務を見つけるための4つの取り組みと、業務のよどみを見つけるための2つの取り組みが欠かせません。

不要な業務を見つける4つの取り組み

①ABC分析

ABC分析は「経営要素の多くは2:8の割合になっている」というパレートの法則に従って、業務の優先度に応じてA(上位)、B(中位)、C(下位)、またはそれ以上のカテゴリを使って業務を分類していくための手法です。優先度が低い業務ほどビジネスに不要な可能性がありますし、優先度が高い業務は、高い改善効果を得られるかもしれません。売上に直結するかどうかで業務の優先度を付けたり、その尺度は企業によって様々でしょう。

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②5S活動

5S活動とは「整理(せいり)」「整頓(せいとん)」「清掃(せいそう)」「清潔(せいけつ)」「躾(しつけ)」といった、5つの活動を表す言葉です。作業手順が曖昧な業務プロセスを整理し、それに必要なツールを整頓し、清掃によって習慣づけ、継続的に清潔な状態を保ち、躾によって組織全体で徹底させる。本来はデスク回りから綺麗にして仕事をしやすくするという活動ですが、業務プロセス改善にも効果的です。

③業務量調査

業務量とは、1つ1つの業務プロセスにおいてどんな作業が、どれくらい発生しているかを表します。業務量調査によって業務量を把握することで、業務の無駄を発見することに役立ち、業務プロセス改善が促進します。調査方法としては「実測法」「実績記入方」「推定法」「合成法」などがあります。

④要因分析

要因分析は、「なぜこのような無駄が発生しているのか?」などの要因を根本的に追及するための手法であり、主に「なぜなぜ分析」が該当します。なぜなぜ分析とは特定の問題に対して「なぜ?」を掘り下げていくことで、根本的な要因を突き止めるという分析手法です。業務プロセス改善では単に無駄な業務を排除するのではなく、無駄が起きる要因と業務プロセスとの因果関係を知り、適切に改善していくことです。

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業務のよどみを見つける2つの取り組み

①プロセス・マネジメント

プロセス・マネジメントは「現状分析」「改善策立案」「改善策導入」「評価・見直し」という4つのステップで、継続的な業務改善活動を続けていくプロセスを作ります。

1.現状分析

現状どのように業務を行っているか、どれだけ実施しているかを明らかにして、どこに問題があるか、どれだけ問題があるかを明らかにします。その上で、改善目標を立てます。

2.改善策立案

現状分析で明らかになった問題点の改善策を検討していきます。様々な改善策の中から、有効性と現実性を検討し、導入する改善を決定します。

3.改善策導入

改善策を実際に導入し、導入した業務プロセスに問題がないかを監視します。

4.評価・見直し

導入した改善策の有効性を一定期間で評価し、変更すべき箇所があれば新しい改善策を立案・導入していきます。

②ワーク・サンプリング

ワーク・サンプリングは「担当者の作業構成」や「機械・システムの稼働状況」などの分析に使用し、「標準時間」を設定したり、適正な人員、システム、方法を定めたりするという目的があります。具体的には、担当者が行っている各作業を瞬発的に観測し、統計的に集計し、分類していきます。確率の法則にもとづいて瞬間観測するので、効率良く調査を実施することが可能です。

業務プロセス改善のポイント

業務プロセスを改善するためにはいくつかのポイントがあります。ここでそのポイントを知り、業務プロセス改善をより効率的に行いましょう。

●共通認識のもとで業務プロセスを整理する

業務プロセス改善にあたり、既存の業務プロセスを可視化していきますが、その際に関係者同士で認識のズレがあると業務プロセス改善が思うように進みません。たとえば業務フロー図を作成する際は、ルールを決めて互いに相違がないよう業務フロー図を作成していくことが大切です。関係者各人によって作成する業務フロー図が異なると、間違った解釈が生まれたり、異なる業務フロー図を標準化するための作業が無駄に発生します。

●業務プロセス間の繋がりに着目する

業務プロセスは単体で成立しているものではなく、いくつもの業務プロセスが繋がって1つのビジネスを形成しています。業務プロセス同に繋がりがある場合、Aというプロセスを変更すると、Bというプロセスに影響がでる可能性があります。その結果として業務プロセス改善が進まない可能性もあるので注意しましょう。

●必ず標準化を実行する

業務プロセス改善を実施するのと同時に、作業の標準化を行うことも大切です。誰もが同じように作業ができるようにマニュアルを整えれば、業務プロセス改善と同時に属人化を排除することができます。

いかがでしょうか?本稿で紹介した業務プロセス改善の方法を実施し、より良い業務プロセス改善を実施していきましょう。

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