業務改善の4MとQCD

 2019.04.05  クラウドERP編集部

グローバル標準のクラウドERP

ここ日本で業務改善に取り組んでいない企業は、おそらく存在しないでしょう。日本の「KAIZEN(カイゼン)」は今や世界共通語であり、業務改善は日本企業のお家芸と言ってよいほど浸透しています。

そもそも「改善」とは、今ある悪いところを改めて良くすることです。業務改善とはすなわち、業務の悪いところを見つけて、問題の原因を突き止め、新しい施策で悪いところ改め、よい効果を生み出すという意味です。

しかしながら、業務改善に取り組んでいるすべての日本企業が、業務を本質的に改善できているわけではありません。業務改善が単なる掛け声になっていたり、無理な改善活動に取り組んでいたりする企業もたくさん存在します。

日本企業、および日本人の緻密かつ繊細な性格を考えると、業務改善を正しい方法と進め方で実施すれば、ビジネスに必ず良い効果が生まれるはずです。ということで本稿では、業務改善の基本的な方法と進め方について紹介します。

「業務改善=経費削減」は、間違い

最初にご理解いただきたいのが、業務改善と経費削減はイコールではない、ということです。実は、業務改善に対する考え間違っていて、それ故に改善活動が一向に効果を生まないというケースがよくあります。最も多い誤解が「業務改善を行うと経費削減になる」という考え方です。

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経費削減というのは、あくまでビジネスにかかっているコストを減少させるための取り組みです。たとえば電気代が多いなと感じたら店舗向けの電気契約を見直したり、事務所の家賃費用を下げたいのならばテナントを移転したりと、「どの経費を削減したいか?」に対して明確な解決策が常に用意されています。従って、経費削減には取り組むためのハードルが低いのが特徴です。

一方では、業務改善では明確な解決策が用意されているわけではなく、1つの問題に対して様々な解決策を実施することができますし、状況やタイミングによって解決策ごとの効果もあります。せっかく実施した改善活動が裏目に出ることもあるでしょう。経費削減に鑑みると、取り組むためのハードルは高めになります。

さらに、業務改善の最終的な目的はコストを減少させることではなく、経営計画を達成するためのプロセスを最適化することです。経営計画を達成するためにより効率的、かつ有効的なプロセスや方法は何か?達成を阻害するような問題は何か?その原因は何か?どうやったら解決できるのか?といった具合に、経営計画そのもの、業務プロセス、1つ1つの作業、現場の実態、顧客に提供するサービス、時には経費削減も視野に入れて、改善活動に取り組んでいきます。

「コストがかかり過ぎているから減少させる」という経費削減とは明確な違いがあるのです。

業務改善の基本的な考え方「4M」と「Q・C・D」

業務改善では、業務プロセスなどに潜在する問題を解決するわけですから、まずは業務プロセスそのものを洗い出し、問題を見つけることから始めます。でも、業務の洗い出しなんて具体的にどうやったらいいの?という方は、「4M」と「Q・C・D」という基本的な考え方(フレームワーク)を適用するとよいでしょう。

「4M」とは?

「4M」は業務プロセスの遂行に必要な4つの要素の頭文字を取ったもので、「Man(ヒト)」「Material(モノ)」「Machine(設備)」「Method(方法)」で構成されています。

Man(ヒト)

従業員、各人の能力、考え方や価値観、モチベーションなど

Material(モノ)

業務で扱う資材、パソコン、ソフト、業務ツールなど

Machine(設備)

社内設備や取扱業者、サービス提供を補助する仕組み、サービス提供にあたっての業務体制、社内ルール、プロジェクト、企画など

Method(方法)

作業工程、ワークフロー、承認フローなど

各業務プロセスにこれらの「4M」がどのように関わっているかをマッピングしていくと、かなり詳細に業務の洗い出しを実施することができます。

「Q・C・D」とは?

「Q・C・D」はそれぞれ「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」を表しており、経営計画を達成するためには、さまざまなシーンでこの「Q・C・D」を満たす必要があるという考え方がビジネスの常識です。先ほどの「4M」を使って業務の洗い出しを実施したら、各業務プロセスがこの「Q・C・D」を満たせているか?という視点で評価していきます。ちなみに「Delivery(納期)」は商品を顧客に引き渡すまでの期間だけでなく、1つの業務プロセスからその成果物を次の業務プロセスに引き渡す期間にも適用できます。

「Quality(品質)」を下げれば「Cost(コスト)」と「Delivery(納期)」を下げることができますが、顧客満足度の向上や経営計画の達成は難しくなるので、やはり「Quality(品質)」の維持または向上が重要になります。もちろん、「Quality(品質)」ばかりを追求すればよいわけではなく、「Quality(品質)」を向上しながら「Cost(コスト)」を維持または削減、加えて「Delivery(納期)」を短縮することが理想だとされています。

業務改善の方法と進め方

よくある業務改善の失敗パターンが、従業員に対して「毎月1個業の務改善案を提案しましょう」と命じて、その中から厳選した業務改善案を実施するというものです。組織全体から業務改善案を吸い上げるため一見して効率的に思えますが、実際のところ従業員は毎月の提案に苦慮し、最終的には適当な業務改善案やネットで拾い上げたものを提出し、現状を見据えた業務改善がまったく実施できなくなります。

業務改善とは組織的に取り組むべきものではありますが、成功するためには1つ1つの業務改善をプロジェクトとして捉えて、チームを発足し、効果検証を経て継続的な改善活動に取り組むことが大切です。そのための業務改善の方法と進め方を紹介します。

  1. 業務改善推進委員会等の組織を発足する
  2. 各部署から人選したメンバーで業務改善チームを作る
  3. 業務改善プロセスについて議論を重ね、プロセスを確立する
  4. 業務改善対象となる業務プロセスを決めて「4M」を洗い出す
  5. それぞれの要素で「Q・C・D」が満たされているかを評価する
  6. 基準に達していない要素から優先的に問題を洗い出す
  7. 洗い出した問題に改善の優先度をつける
  8. 優先度上位の問題の原因を追究する
  9. 問題に対してどんな解決策があるかを、ブレインストーイングで洗い出す
  10. さまざまな解決策の中から確実性、即効性、コストのバランスを考慮して実施する解決策を決める
  11. 実施の前に、その解決策がどれくらいの効果を生むのか、効果検証のための尺度を決めておく
  12. 解決策を実施する
  13. 実施後の効果検証を行い、どれくらいの業務改善効果が生まれたかを評価する
  14. さらに改善の必要があれば、問題の原因が間違っているか、解決策が悪かったかの視点から考え、業務改善プロセスを繰り返す
  15. 業務改善プロセスそのものも評価し、必要があれば再び議論を重ねて新しいプロセスを構築する

いかがでしょうか?この方法で業務改善を進めていくことで、成功パターンをいち早く見つけ出し、施策効果の高い業務改善を実施できます。業務改善の中では、業務フロー図や原因分析など使えるフレームワークは存分に使い、より効率的、有効的な業務改善を目指しましょう。

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