経営管理サイクル(マネジメントサイクル)を上手く回すコツを解説

 2022.06.16  クラウドERP編集部

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近年、幅広い業界において経営管理サイクル(マネジメントサイクル)が重要視されています。継続的な経営管理サイクルの実施は、企業の目指すべき目標や課題の明確化、効率よくゴールを目指すために不可欠な業務効率化を可能にします。経営管理サイクルの代表的な5つの手法について理解を深め、組織の生産性向上と企業の経済的成長を目指しましょう。

経営管理サイクル(マネジメントサイクル)とは

経営管理サイクルとは、業務を効率的に進める手順を示した理念を指します。取り組みの実施には、いくつかのフレームワークが活用されます。組織の計画に基づき、一連の業務プロセスをうまくコントロールすれば、目標達成となるゴールに向けて組織全体が効率よく進んでいけるはずです。経営管理サイクルにおいてもっとも重要なのは、計画に沿って正しく進められているかどうかを具体的に評価し、次期の計画に活かす取り組みを繰り返し行うことです。

改善の積み重ねによってレベルアップを図るため、取り組みを開始してすぐに良い結果が得られるものではありません。もっともよく知られるPDCAサイクルの他にも、経営管理サイクルに有用ないくつかのフレームワークは存在します。自社の置かれている現状や目標、解決すべき問題にあわせて最適な方式を選択すれば、組織全体の成長が期待できるでしょう。

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経営管理サイクル(マネジメントサイクル)の種類

ビジネスの戦略立案や問題点の洗い出し、情報の整理など、フレームワークはさまざまな目的で用いられます。経営サイクルに活用できる手法は主に5つあり、企業で設定した目的に合わせて選定する必要があります。企業の目標達成に向けてもっとも効率のよい道のりを見つけ出すには、フレームワークの特徴をよく理解したうえで最適な手法を選択しなければなりません。

業務効率の改善が期待できる「PDCAサイクル」

経営管理サイクルの中でもっとも有名な理論「PDCAサイクル」は、管理業務におけるPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)という4つの段階をひとまとまりのサイクルとして業務効率化を図る手法です。PCDAサイクルを活用する際に重要視したい点は、結果に関係なく必ず結果の評価を行うことです。
PDCAサイクルをどのように回すかは、設定したゴールによって異なります。期限を定め、個人の目標達成度を測るための定量化を行い、現状とのギャップを把握したうえで克服すべき課題を明確に洗い出す必要があります。課題ごとの行動を評価するためにKPIを設定し、具体的な施策案に落とし込みます。

市場環境の変化が激しい現代で企業が勝ち残るには、施策の優先順位や難易度を的確に判断しなければなりません。業務範囲を絞ってPDCAサイクルを活用するのも有用です。短期間でサイクルを回していけば、効率よく業務効率の改善に向けた取り組みが実施できます。

短期的な目標に適している「PDSサイクル」

短期的な目標や狭い範囲の業務改善に適しているのが「PDSサイクル」です。主に管理業務で用いられる手法であり、Plan(計画)・Do(実行)・See(評価/見直し)の3段階で構成されています。PDCAにおけるCheckとActionがSeeに集約されているため、PDCAサイクルよりも短いスパンでサイクルを回せるため、積み重ねにより着実に効率化を実現していけるでしょう。PDCAサイクルと同じように、目標に基づいて計画を策定してから取り組みを実行します。

意思決定を目的にした「OODAループ」

近年、状況の変化に合わせて迅速に対応できると注目を集めている手法です。意思決定の促進を目的とした「OODAループ」は、Observe(観察)・Orient(仮説構築)・Decide(意思決定)・Act(実行)の4段階で構成されています。観察のステップに重点が置かれているのが特徴です。OODAループにおける観察では、あくまで客観的に現状を把握して情報を収集します。この手法を成功に導くポイントは、いかに一連のループをスピーディーに繰り返すかということです。

過去の経験やこれまでの傾向から判断を下し、取るべきアクションを決定します。実行のプロセスを終えたら再び観察に戻り、再び一連の流れを繰り返します。目標とする結果の想定や評価・検証がプロセスに含まれていないため、目の前で起こっている事象を処理する際に有効です。この手法は、今どう動くべきかという判断が必要なシーンにおいて、最善の方法を得たいときに適しています。新規事業の立ち上げや新たな部署の設立、市場競争が激化した局面などに有用です。

はじめに評価する「CAPDサイクル」

「CAPDサイクル」は、Check(評価)・Action(改善)・Plan(計画)・Do(実行)といった4つの段階で構成されています。それぞれの要素はPDCAと同じですが、CAPDサイクルでは改善の前に現状の問題を計測する評価からスタートするため、実施する順番が異なります。これまでPDCAを実施する際に、計画でつまずいてしまい先に進まないといった経験がある方も少なくないでしょう。

現状の把握から実施して改善方針の立案につなげるCAPDサイクルを取り入れれば、スムーズな進行が望めます。サイクルのスピードアップが実現すれば、企業が成果を得られるまでの期間短縮に結びつくはずです。CAPDサイクルにおける評価とは、既存業務の把握や他社の成功事例といった情報を収集して確認する作業を指します。成功事例の裏付けがあるため、高い成功率が見込めるのが利点です。

変化に対応しやすい「PDRサイクル」

「PDRサイクル」は、Preparation(準備)・Do(実行)・Review(評価)の3段階で進めるやり方が一般的です。計画のプロセスが省かれており、準備したものを実行して評価するといった極めてシンプルで分かりやすい要素で構成されています。予測していなかった事象の対処と学習を繰り返すサイクルは、幅広い業務に利用できます。スピーディーさの求められるトラブル発生時など、迅速な対応を可能にするために用いられている手法です。

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経営管理サイクル(マネジメントサイクル)を上手く回すコツ

経営管理サイクルの重要性を理解していても、容易にはうまく回わらないと頭を抱える企業担当者もいるかもしれません。設定した目標が実現不可能であったり、具体的でなかったりすると、目指すべき方向に迷いが生じやすくなります。対象となる業務の範囲を小さくすれば、目標が明確になりやすく業務計画もスムーズに策定できるようになります。

また、経営管理サイクルは、継続的にサイクルを回すことで着実にブラッシュアップしていかなければその効果を最大化できません。サイクルをスムーズかつスピーディーに回し続けるには、問題がどのようにして生じたのかを具体的に把握できる仕組みが必要です。プロセスの過程で実行した内容を具体的に記録しておけば、原因が明らかになるだけでなく、これまでの経験で得たノウハウも蓄積していけます。

経営管理サイクルでは、設定した目的や業務に適したフレームワークを見極めたうえで活用することが重要です。実績がまだ少ないベンチャー企業の場合、どうしても不確実な要素が多くなります。計画どおりに仕事が進みにくいうちは、PDCAサイクルが合わないケースも考えられます。また、業務によっては、すでに何が最適な計画か明確になっているケースもあるでしょう。このような場合には、計画よりも実行に重点を置いたPDSサイクルが最適な手法だと判断できます。

まとめ

経営管理サイクルは、企業が効率よく目標を達成するための道筋を示してくれるものです。目的に適したフレームワークを活用すれば、業務効率化や意思決定の促進、迅速な判断が可能となり、組織全体の生産性向上が実現するでしょう。ただし、取り組めば必ず成功するというわけではありません。
取り組みを実施する際は、継続的な実行により計画がブラッシュアップすることを忘れないようにしましょう。目的を明確化したうえで適切な手法を選択すれば、組織全体の生産性アップが実現するはずです。

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