SAP導入の流れ・基礎知識を徹底解説!失敗しないためのポイントは?

 2021.10.06  クラウドERP編集部

世界中の幅広い企業に活用されているSAP。自社にも導入して、会社情報の一元化を実現したいと考えている人も多いことでしょう。SAPの導入にあたっては、関係者全員で押さえておくべきポイントやコツがあります。本記事では、SAPの導入を成功させたい、またはSAP導入を検討中で運用までの流れを知りたい人に向けて、SAP導入に関する知識やノウハウをわかりやすく解説します。

SAP導入の流れ・基礎知識を徹底解説!失敗しないためのポイントは?

SAPとは

SAPとは、ドイツのSAP社が提供している企業向けのERPパッケージの一つです。企業名であると同時に製品名でもあります。ERPとは、企業の経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」を部門ごとではなく企業全体で統合管理するという概念です。経営資源を統合管理するシステム開発を効率的に行うために提供されているのがERPパッケージです。

ERPパッケージを導入することで、基幹業務に使用するデータを部門ごとではなく企業全体で一元管理可能となり、経営資源の有効活用による経営の効率化を実現できます。SAPの特徴は、ERPパッケージの中でも特に、対応する業務の範囲が幅広いことです。SAPの対応業務と基本構成については次の段落で解説します。

SAPの主軸を担う「モジュール」とは

SAPでは、業務の領域ごとに機能がまとめられており、その一つのまとまりを「モジュール」と呼びます。SAPでは幅広い業務に対応するモジュールを提供しており、自社の要件に合わせて組み合わせることも可能です。

代表的なモジュールには、財務会計や管理会計を担う「会計モジュール」、販売管理や在庫管理などを担う「ロジスティックモジュール」、人事管理を担う「人事モジュール」、生産計画・管理を担う「生産管理モジュール」などがあります。モジュールごとに業務領域が分かれていますが、モジュール間でデータは連動しており、リアルタイムかつ整合性の取れた形で一元管理されます。

SAP導入のメリット・デメリット

SAP導入におけるメリットとデメリットについてもポイントを解説します。まず、SAPはグローバルでトップクラスのシェア率を誇るERPパッケージです。信頼性や知名度の高さに定評があり、多言語に対応しているため越境ビジネスにも適しています。
次に、SAPは世界の優良企業の業務プロセスに合わせて開発されたシステムです。自社の業務をSAPにフィットさせることで、業務プロセスをグローバルスタンダードレベルに標準化・効率化できます。

一方、導入費用の高さと取扱いの難しさが、SAPの難点です。特に、オンプレミス版の場合は初期費用に加えて、サーバー費用やライセンス料、システム構築費用などが発生します。ただし、部門の垣根を超えた業務効率化により人件費を大幅に圧縮できるなど、長期的には大胆なコスト削減を見込めるはずです。また、SAPでは「ABAP」という独自のプログラミング言語を使用しているため、機能の取扱いには訓練が必要です。

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SAP導入の流れをわかりやすく解説

SAPの導入に失敗しないためには、計画性が重要です。ここからは、SAPの導入から運用開始までの流れをステップ別に解説します。

導入目的・自社課題の整理

まずは、ほかのERPパッケージの導入と同様に、自社にSAPを導入する目的を明確にします。全社レベルで現状課題を洗い出し、「SAP導入によってどのような業務革新を実現したいのか」「将来的に組織をどうしていきたいのか」など、具体的なゴールイメージを描きましょう。
すべての課題を解決するにはコストがかかるため、課題の優先付けも必要です。導入を円滑に進めるには社内のリソース確保も必須ですが、全社横断的なプロジェクトを発足し、各部門からの要望の整合性を取りながら進めていけると理想的です。

ベンダー・業者選定

SAP導入の目的を明確化したら、ベンダーやコンサルタントなどのパートナー選定を行います。ベンダー選定については、自社の課題や要望、予算、スケジュールなどを盛り込んだ提案依頼書をSAPの導入実績が豊富な3~5社程度に送付し、コンペ形式で決定するのが一般的です。
提案依頼書の内容が詳細かつ明確であればあるほど、ベンダーも具体的に提案しやすくなり、見積もりの精度も上がります。自社だけで各ベンダーからの提案を評価するのが難しい場合も多く、コンペの時点から、専門的かつ中立的な立場であるコンサルタントを補佐役に立てるケースもあります。

要件定義・スケジュール調整

ベンダーと製品の決定後に、あらためて自社の要件定義を固めていきます。SAPはパッケージシステムであるため、SAPの機能にフィットしない要件も出てくるはずです。SAPに対するギャップの要素については、「SAPをベースとして既存の業務を変更する」または「既存の業務を変えずにアドオン開発で対応する」のいずれかで対処することになります。独自のアドオン開発には高額な費用がかかるだけでなく、その後の運用保守も基本的には内製で行う必要があります。まずは世界標準のSAPに合わせて既存の業務の見直しや整理を行い、必須のものだけをアドオン開発として切り出すのが賢明でしょう。

プログラム設計・開発

一つ前の要件定義のステップで、アドオン開発で対応すると決めた機能について、プログラム設計・開発を行います。設計についてはベンダー中心で進め、クライアント側はベンダーが作成した設計書をチェックするという役割分担が一般的です。問題なければ、優先度の高い機能から順にプログラム開発を実施していきます。ここから先は主にエンジニア中心のステップになります。それ以外のプロジェクトメンバーは並行して、その後のステップで必要となる業務マニュアルの作成など、社内教育の準備を始めておきましょう。

初期設定・運用テスト

開発完了後には、初期設定と運用テストを行い、問題があれば都度改修します。運用テストの大まかな流れについて解説すると、単体テストから総合テストまではベンダー主体で進め、総合テスト後の受入テストはクライアント側で実施します。リリース後にトラブルが起きないように、できるだけテストの段階で問題点を潰しておくのがポイントです。受入テストでは、実際にSAPを使ってスムーズに業務を遂行できるかを確認し、問題がなければリリースとなります。

社内教育・効果測定

社内教育とリリース後の効果測定までが一連のステップに含まれます。特に、SAP導入によって業務プロセスが変わる場合には、丁寧なフォローが必要です。マニュアルを配布して事前にトレーニングを実施するのはもちろん、SAP導入の経緯や期待される効果についても説明し、現場も含めた社内の意識統一を図ることが大事です。
リリース後には当面の間、システムや操作方法に関する問い合わせ窓口を設置しておくなど、スムーズな運用をサポートするための環境整備も行いましょう。併せて、現場からフィードバックをもらったり、効果を測定したりして早めに問題点を把握し、継続的に改善していくことが失敗を防ぐコツです。

SAP導入時に注意したいポイント

最後に、SAP導入時に注意したい2つのポイントについて解説します。

まず、SAP導入においては、リファレンスモデルに合わせた業務プロセスの標準化を前提として、できるだけアドオン開発を控えるのがポイントです。日本企業には、「現場の声が強い」という特有の課題があります。世界標準の業務プロセスを取り入れることに現場が強く反対した結果、既存システムへのアドオンという形で基幹システムが再構築されてしまうケースは少なくありません。しかし、このようなアドオン開発では、プロジェクトの長期化やコストの肥大化を招くだけでなく、その後の不具合の原因にもなりかねません。

次に、SAPの効果は企業全体の経営資源を一元管理することで最大化されます。すなわち、特定の業務にだけ導入するのではなく、全体最適化の視点で企業やグループ全体に影響するように要件定義していくことも成功のカギです。

まとめ

SAP導入によって、会社情報の一元化と業務の標準化を実現できます。ただし、導入費用が高く、導入そのものも大がかりとなるため、中小企業ではそれ以外のERPパッケージの検討も視野に入ってくることでしょう。

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