成長企業の特徴から経営のポイントを学ぶ

 2019.03.25  クラウドERP編集部

新入社員、新規配属の方必見!ERP入門特集

経営者であれ、従業員であれ、自身が勤務する会社を成長させたいと誰しもが思っていることでしょう。誰でもユニコーン企業になりたいですし、誰でも成長していたいのは当然のことです。それではいったい成長企業の仲間入りを果たすには何が必要なのか?そもそも成長企業とはどんな企業なのか?企業が継続的に成長するためには、ある法則がありました。本稿では、そんな成長企業の定義から特徴、そこから学べる経営のポイントについて紹介しています。

成長企業とは?

成長企業とは大企業を指していう言葉ではなく「高い成長性を示し、利益や事業規模が継続的に拡大している企業」を指します。日本は世界的な中小企業大国であり、企業全体の99.7%は中小企業だと言われています。そうした中小企業およりベンチャー企業にも高い成長性を示している企業は存在しています。

では、「成長性が高い」とはどんな状態なのでしょうか?

一般的には2年以上連続で売上高や純資本額などが拡大している企業のことを指します。具体的な成長性を知るには1つの指標で判断するのではなく、複数の指標から総合的に成長性を分析します。

成長性分析に使われる主な指標

●売上高増加率

(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高×100

経常利益増加率

(当期経常利益-前期経常利益)÷前期経常利益×100

営業利益増加率

(当期営業利益-前期営業利益)÷前期営業利益×100

総資本増加率

(今期総資本-前期総資本)÷前期の総資本×100

純資本増加率

(当期末純資本残高-前期末純資本残高)÷前期末自己資本残高×100

従業員増加率

企業の成長を阻む4つの壁
変化の激流の中で生き残りを図るために

(当期従業員数-前期従業員数)÷前期従業員数×100

lEPS(一株あたりの当期純利益)

当期純利益÷普通株式の期中平均発行済み株式数

新規顧客増加率

(当期新規顧客数-前期新規顧客数)÷前期新規顧客数×100

顧客単価

当期総売上高÷総顧客数

これらの指標を合わせて成長性を判断することで、自社や競合他社が成長企業に分類されるかどうかを知ることができます。

成長企業が持つ共通の特徴

日本や世界には多数の成長企業が存在しますが、成長企業各社には共通の特徴があります。その特徴を知ることで、自社に足りないものを把握することが可能です。

特徴1.組織全体の高い目的意識

成長企業各社に見られる特徴としてまず挙げられるのが、組織全体の目的意識が非常に高いということです。「優秀な人材獲得に成功した企業が成長する」と認識している方も多いでしょうが、実際は組織全体の目的意識を高めた企業が成長しています。従って「優秀な人材を確保する」のではなく「優秀な人材を育成する」というアプローチを常に持っているのです。

組織の目的意識を高めるためにまず欠かせないのが「企業理念や経営目標を明確にしており、それを組織全体で共有する」ということです。組織に属する従業員は1人1人に重要な役割があります。企業理念や経営目標を個々人の目標に落とし込み、それぞれの役割を明確にすることで高い目的意識を持つことができます。

特徴2.無駄な資金を使わない

成長企業が常に慎重になっていることが「投資」です。無駄な投資は、資金も時間も労力も浪費してしまうため、無駄な投資を絶対的に避けます。では、どういったところには投資しないのか?よくあるケースが「広告費」と「残業代」です。

現在では、商品やサービスのプロモーションを実施するにあたって様々な選択肢が用意されています。また、デジタル広告技術が発展したことにより、効率的にマーケティングを展開できるようになりました。しかしながら、広告は今でも博打的要素があるため、それを知る成長企業がお金のかかる広告への投資を積極的に避けています。「月1ドル~新鮮なカミソリをお届けします」という斬新なサービスコンセプトを持つ米国のDoller Shave Clubというベンチャー企業は、YouTubeを活用した動画配信マーケティングにより、広告費をほとんどかけずに大量の会員獲得に成功しています。

残業代も、成長企業が考える無駄な投資の1つです。特に海外諸国では「残業=要領の悪さ」と考えているため、海外の成長企業では徹底的に残業が廃止されています。それよりも、従業員のプライベートを充実させることで、高い労働生産性という形で企業に還元されると考えています。

もっと読む:成長企業が 大規模なライバル企業から学び、 追い越すための4つの秘訣

特徴3.常に顧客視点に立っている

「当社も顧客の視点に立ってビジネスしているけれど、成長していないよ?」という意見も聞こえそうです。しかし、常に正しく顧客視点に立っていれば、ビジネスは成長するはずです。問題は、間違った顧客視点を実施していることでしょう。

「顧客の視点に立つ」ということは、まず企業がターゲットにしている顧客層を明確にして、その顧客を取り巻く経営課題や、業界特有の問題などを把握していることが前提になります。この観点で考えると、胸を張って「顧客を理解している」と言える企業はそう多くないかと思います。つまり、顧客視点に立っていると自負する企業の中には、結局のところ自己満足的な経営になっているケースが珍しくありません。

さらに、正しく顧客視点に立つことで、成長企業は会社にとって積極的に投資すべき優良顧客の存在を把握しています。「顧客は神様」とは昔の話で、現代ビジネスでは顧客の単なる「御用聞き」になってしまうと、価格競争に巻き込まれたり、代替の利く取引先というイメージを持たれてしまいます。

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特徴4.経営状況の把握に力を入れている

帆船が大きな海の中で、目的地に効率良く辿りつくためには正しい海図と、帆船自体の現状について詳しく知ることがとても大切です。極端な話、帆船の底の小さな亀裂を見逃していると、目的地にたどり着くことなく沈んでしまいます。

成長企業はこのことを良く知っているので、会社の経営状況を把握することに常に力を入れています。統合的なシステム環境を構築したり、情報共有がされる基盤を作ったり、リアルタイムな経営状況把握は、継続的な成長を遂げるための羅針盤のような存在です。

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成長企業の特徴から見る経営のポイント

では、成長企業が持つ共通の特徴から、継続的に成長していくための経営ポイントを確認していきましょう。

Point 1.組織の末端まで経営者の意思を浸透させる

経営者や企業が持つ企業理念や経営目標は、組織の末端まで浸透させることで、組織全体の目的意識を高め、従業員各人が、各部署が、組織全体が経営目標達成に向けて進むことができます。

Point 2.販売予測によって積極的に投資すべき事業を明確にする

様々な分析フレームワークを活用したり、分析ツールを活用して販売予測を実施し、積極的に投資すべき事業、商品、サービスについて把握することで、無駄なく効率的な投資が行えます。

Point 3.顧客を理解するためのフレームワークを活用する

顧客が抱える現状課題や環境問題について自社都合で考えるのではなく、様々なフレームワークを活用し、顧客について本質的に理解しましょう。

Point 4.顧客情報を蓄積するのではなく活用する

顧客から得た情報は個人情報として蓄積するのではなく、活用してこそビジネスに大きな効果を生み出すことができます。顧客分析を積極的に実施し、マーケティング施策を最適化すれば広告費の削減にもつながります。

Point 5.経営状況把握のためのシステムを検討する

成長企業では必ずと言ってよいほど、リアルタイムな経営状況把握のためのシステムを構築しています。ERP(統合型基幹システム)など、統合環境を積極的に検討しましょう。

いかがでしたでしょうか。以上の経営ポイントにより、成長企業としての特徴を取り入れてみましょう!

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