DXとは? ポイントや成功事例について解説

 2021.04.01  クラウドERP実践ポータル

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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル化が進む現代において、知っておくべき重要な概念の一つです。DXは、「現在進行形で発達が進むデジタル技術を活用し、企業の変革へとつなげていく取り組み」のことを指します。

DXについては多くの企業がデジタル化に伴って重要性を感じていますが、その反面、取り組みを推進していくことへの難易度の高さや課題を感じている企業も少なくありません。

実際に、なぜ企業にDXが求められるのか、そしてDXを推し進めるうえで必要となる考え方やテクノロジーとは何があるのか、理解が追いついていない社内担当者も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、DXの概要について詳しく解説し、理解をさらに深めるポイントとしてDXの成功事例を紹介します。

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DXとは

まずは、DXという言葉の意味や概念を整理していきましょう。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、最新のデジタル技術やデジタル機器を企業経営のなかで使用し、デジタル化が著しく進む時代に合わせて変革していく企業の取り組みのことを指します。

昨今は、日常生活のあらゆる部分でデジタル化が進み、企業に対しても業務の形態やフロー、取り扱う商品やサービスなどを必要に応じて変えていくことが求められています。

もともとDXの概念は、最近出てきたものではありません。初めて提唱されたのは2004年頃で、スウェーデンのウメオ大学教授、エリック・ストルターマン氏により、「世界的にDX時代が訪れる」ことが指摘されました。

市場や社会全体の変化についていかなければ、企業はやがて衰退の一途をたどることになります。これはDX時代に限ったことでなく、世の常といえるでしょう。つまり現代における重大な変化は、デジタル化・IT化であり、企業はその変化に合わせて変革(トランスフォーメーション)していくことが求められているのです。

DXが求められる理由

ここからは、DXが求められる理由・背景についてより具体的に整理していきましょう。DXが求められている背景には、多様化するビジネス環境や既存ITシステムの老朽化、一般消費者の消費行動の変化などがあります。

ビジネスの多様化

ネット環境が整備されたことにより、ビジネス環境やビジネスそのものは、ここ数年で大きく変化しました。現在もその変化・多様化は進んでいるといえるでしょう。

ビジネス形態にはさまざまなものが生まれ、多くの産業において新規参加者が出現しています。従来の型にはまったサービスばかりがすべてではなく、さまざまなサービス・商品の提供が可能となったことで、現代のビジネスモデルは多様化しています。

経営そのものを変革することを視野に入れてDXを推進することが、企業に求められていることだといえるでしょう。

既存ITシステムの老朽化

DX推進が必要とされる背景には、既存ITシステムの老朽化もあります。利便性の高いITシステムは以前よりさまざまなものが開発されており、企業は時代の変化に合わせてシステムを導入しています。

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しかし、ここ数年におけるシステムや技術の変化・発達のスピードは極めて速く、老朽化し使いづらさが目立つシステムを利用しつづけている企業も少なくありません。この老朽化したシステムを運用していくには、維持費が高く業務自体も効率化されないというデメリットばかりが指摘されるようになっています。

DX時代においては、デジタル化に伴って柔軟な経営基盤を築くことが不可欠とされています。そのため、企業にとっては、より利便性が高く業務効率化に貢献できる新システムへ、迅速に移行を済ませることが求められています。

顧客の消費行動の変化

顧客の消費行動についても、ここ数年で著しく変化したといえるでしょう。

これまでの消費スタイルは、製品を購入して所有する「購買」が一般的でした。これに対して現在は、楽しい体験を通じて満足感を得られることや生活の質の向上を感じられることに重きを置いた消費スタイルが広まりつつあります。近年盛んとなっている、定額制でサービスの体験を楽しむサブスクリプションビジネスなどがわかりやすい例でしょう。

このような消費行動や消費への価値観の変化を受け入れ、商品やサービスの形態を変化させたうえであらゆるビジネスモデルを模索していくことは、企業にとって現代における課題の一つとなります。この取り組みを強化することも、DXを推進することにつながります。

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DXに不可欠なテクノロジー

DXを推進していくにあたり、商品・サービスが便利であること、手軽であること、身近であることなどに貢献してくれるテクノロジーを知ることがまずは重要となります。

クラウド

クラウドの技術は、「DX時代の流れを作ったIT技術」といっても過言ではないでしょう。

クラウドの技術を駆使すれば、ソフトウェア・サーバー・ストレージなどのインフラを会社・自宅に整備していない状態でも、インターネット環境を経由することで機能を利用できます。

ソフトウェアやストレージの管理はサービス事業者が行うため、クラウドではインフラ維持費の大幅なコストダウンが図れるという大きな特徴があります。また、システム導入がスムーズに行えるというメリットもあります。

DX化を図るうえで、クラウド環境を整えることは、企業にとっても重要な課題です。オラクル社では、ERPパッケージにおいてもクラウド製品を提供しています。大規模なシステムであっても気軽に導入することができるため、利用を検討してみるのもいいでしょう。

IoT

IoTは、昨今あらゆる産業において話題となっている最新技術の一つです。「IoT=Internet of Things」で、直訳するとIoTは「モノのインターネット」と解釈できます。

パソコンやスマートフォンだけでなく、モノがインターネットに接続することで、機能性を高めたり分析を行ったりする技術のことです。

パソコンなどのデジタル機器がインターネットに接続することはよく知られますが、例えば家電製品や住宅、自動車などがインターネット接続を行うことに関してはなじみがないという人も多いでしょう。

IoT技術を応用すれば、家電を使っている人・住宅に住んでいる人・自動車に乗っている人の行動や癖などの情報をモノが収集し、新たな機能・サービスの提供へとつなげていくことが可能となります。

AI

AIとは、人工知能(Artificial Intelligence)を指し、クラウドやIoT技術と同じくDX時代には欠かせない技術です。

人間のように物事を学習したり理解したり、時には感情を感じたりする高い知能を持ち、その知能をコンピューターに活かしていく技術にあたります。ビジネスの最適化において、AIが搭載された分析機能などを応用することは、業務効率化に大きく貢献するといえるでしょう。

5G

5Gとは、第5世代移動通信システム(5th Generation)のことを指します。インターネットを使ったテクノロジーの発展が進むなかで、通信環境の設備を整えることは不可欠といえます。

5Gはこれまで使用されてきた4Gよりも20倍速い通信速度を誇る点が特徴です。大容量のデータのやり取りが行われても通信をスムーズに行うことができます。5Gの技術もDX時代においては重視すべきテクノロジーといえるでしょう。

DXの成功事例

DXの成功事例については、AmazonやUberなどがわかりやすいケースとしてピックアップできます。DXを本格的に推進していくためには、以下のような成功事例をまずは参考にしておきたいところです。今回は、DXの成功パターンとして、AmazonやUberの事例を具体的に見ていきます。

事例1: Uber

Uberは、DXの推進を早いうちから行い、成功を収めた自転車配車サービス企業です。Uberの特徴となっているポイントには、以下の5つが挙げられます。

  • スマートフォンアプリを使用して配車手配を行う
  • アプリを通じて到着時間などが細かく伝わる
  • 配車手配を行う際にアプリを通じて行き先はドライバーに伝達済み
  • 代金の決済はアプリを通じて行われる
  • ドライバーはUberの社員ではなく個人であり、管理はすべてアプリを通じて行われる

このUberのサービス提供の仕組み、そしてドライバーの管理システムはアプリを使用しなければ不可能であり、アプリを使用する前提でなければ成り立たないことがわかります。この「スマートフォンアプリありき」のビジネスモデルを確立させたのは、まさにDXの成功ゆえといえるでしょう。

事例2: Amazon

Amazonも、DXを成功させた企業として知られています。Amazonには、最新のIT技術を活用したサービスや新しい消費行動に重きを置いたサービスなどがさまざまあります。

例えば、ワンクリックで商品購入を済ませられるというシステムなどは、ユーザーの顧客情報を適切かつスムーズに管理しているからこそ成り立つ購入システムということがいえるでしょう。また、DX時代で重視すべき手軽さに寄り添っている点も特徴的です。

スマートスピーカーのAmazon EchoもDX推進に貢献した製品の一つです。連携可能なスマート家電と組み合わせて使えば、リモコンのような役割を果たすことが可能となります。そのほかにも話しかけてアラームをかけたり、ニュースや鉄道情報を確認したりする機能などは有名な機能の一つです。

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まとめ

DXとはデジタルトランスフォーメーションのことであり、企業などの組織に求められているデジタル化に伴う変革のことを指します。デジタル化が顕著な現代においてDXの推進は、すべての企業にとって向き合うべき課題といえるでしょう。

実際にDXを意識して自社のビジネス形態を変革させていけば、高度で新しい商品・サービスを提供することが可能となります。

とはいえ、DX推進にあたってはIT知識・技術を持つ人員を配置することや業務環境を整えることなど、多くの課題があります。そのため、急激な変革は難しいと考える方も多いでしょう。しかし、時代の変化に合わせてデジタル化を少なからず意識していくことは、企業活動において欠かせないことです。

DX化の際には、オラクル社の提供するようなクラウド製品の導入も重要となります。最新のIT技術を備えたシステムへの移行を検討の際には、ぜひご相談ください。

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