本田宗一郎が最も重視したKPIとは 〜成功は99%の失敗に支えられた1%だ〜

 2016.05.06  クラウドERP編集部

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最高経営責任者 (CEO) あるいは事業のオーナーは、企業価値を高めるために組織全体の意思判断に責任を持っています。的確な経営判断を下すためには、経営の実態や事業の進捗状況を正確に掌握する必要がありますが、細かい数値の管理は財務責任者や営業責任者に任せきり、報告された数値のみを鵜呑みにされている経営者の方が実は多いのではないでしょうか。

今回は、経営上の数値管理から最も縁遠かった名経営者として多くの人が認める故・本田宗一郎氏が遺した名言に触れることで、CEOに求められる真のリーダーシップについて考察していきます。

世界のHONDAを一代で築き上げた名物エンジニア社長

“技術者の正装とは真っ白なツナギ(作業着)だ”
本田宗一郎氏は、尋常高等小学校卒業後、自動車修理工場のアート商会(現・アート金属工業)に入社し、6年間の丁稚奉公修業をした後に、のれん分けのかたちで故郷の浜松で独立。町工場の親父として自動車修理事業に専念する傍ら、速いエンジン開発への興味から二輪車の研究を開始し、1948年に資本金100万円・従業員20名で設立した本田技研工業株式会社を世界的な大企業へと育て上げた名経営者として知られます。

“実は一度も会社の実印を見た事が無い”
1949年。本田宗一郎氏は元・日本機工研究所社長の藤沢武夫氏を常務に迎え、実印と会社経営の全権を委ねて、自らは現場技術者に徹しました。“本田技研って会社が今日あるのは、パートナーがよかったからだ”と互いに認め合う絶妙のコンビネーションは、初の自社設計フレームエンジンの開発、二輪車生産台数日本一の達成、世界的ベストセラーとなったスーパーカブC100の発売、四輪車生産の開始、F1参戦と、瞬く間に本田技研を名実共に世界トップクラスの企業へと押し上げていきました。

企業成長への重要なファクターを的確に見抜く

それでは、本田宗一郎氏は経営判断を藤沢氏に任せっぱなしにしていた飾りだけの最高経営責任者だったのでしょうか。答えは否です。“僕は創業時からいつも世界を市場と考える思想を持っていた”と認める宗一郎氏は、創業間もない本田技研が世界的水準の技術を獲得するためには、研究開発の試行錯誤による経験値の蓄積が欠かせないリソースとなることを着実に見抜いていました。氏が遺した名言の中には、彼が大切にしている言葉が何度も登場してきます。

“チャレンジしての失敗を恐れるな。何もしないことを恐れろ。失敗が人間を成長させると私は考えている”

“人間は失敗する権利をもっている。しかし失敗には反省という義務がついてくる”

“私の最大の光栄は、一度も失敗しないことではなく、倒れるごとに起きるところにある”

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そして本田宗一郎氏は独自の哲学とエンジニアならではの感性で、経験値の蓄積を「失敗蓄積率」という基準で指標化していたのです。

“私がやった仕事で本当に成功したものは、全体のわずか1%にすぎない。99%は失敗の連続であった。そして、その実を結んだ1%の成功が現在の私である。私の現在が成功というのなら、私の過去はみんな失敗が土台作りをしていることになる。私の仕事は失敗の連続であった”

“百のうち九十九は失敗する。われわれは勝負師ではない。負けても何が原因で負けたのかを追求することに意義がある”

“成功は99%の失敗に支えられた1%だ”

一般に企業の成長を実現するためには、「2020年までに売上高500億」などの具体的な目標を設定し、その達成およびそのための課題を解決するための戦略やプロセスを策定して、その進捗状況を定量的に示す2つの指標を設定して進捗を管理していくことが求められます。

1つは事業成果の進捗を示す重要目標達成指標(KGI/Key Goal Indicator)で、組織の目標が「2020年までに売上高500億」であれば、2020年度までの会計期間ごとの売上高推移や各事業に落とし込んだ期間売上高目標がこれにあたります。

一方、重要業績評価指標(KPI/Key Perfomance Indicator)は、組織の目標を達成するために重要なプロセスの進捗を管理する指標となります。たとえば販売会社ならば商談成約率や累積顧客数、物流事業者なら在庫回転率や車輌稼働率、製造業なら歩留まりや設備稼働率など、実際の業務に落とし込まれた具体的な数値管理目標となりますので、皆様もよく耳にされると思います。

これを設定するためには、企業の目標を達成するための戦略とプロセスの要所となる成功要因(KSF/Key success factors)が明確にされている必要があり、組織にとってのKGI→達成のためのKSF→重要部門に求めるKPIの順でシンプルに整理されていなければ、組織を目標達成に向けて動かすことができません。

“私は、他人の真似をするのが大嫌いだから、うちはうちの作り方でやろうということで苦労をしたわけである。しかし、かれらに追いつくまでに時間をかけて努力したことが、追いついてからのちの技術力の差になった”

財務的なKGIの進捗管理を藤沢武夫氏に任せていた本田宗一郎氏は、本田技研が研究開発型企業として成功するためのKSFをしっかりと見抜き、「99%の失敗の蓄積」というKPIに置き換えて重要なプロセスの進捗を統制していた優れた最高経営責任者 (CEO)であったと言えます。

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現場由来のデータを重視し、継続的改善の仕組みを構築する

“いや、いいんだよ、その油まみれの手がいいんだ。俺は油の匂いが大好きなんだよ”
工場を視察する社長の手を油で汚すことを畏れて握手をためらう社員に対してはそう微笑み、講師として招かれた経営者向け勉強会の場では“こんなところで遊んでないで、さっさと帰って油まみれになって働け!”と一喝する本田宗一郎氏は、机上の経営理論や過去の成功事例に学ぶよりも実務の中から導き出されてくるデータやヒントを重要視する現場優先主義の実践的経営執行者でした。

“決断に必要なのは、誰でもうなずける科学的な根拠である”
自らの経験やカンに頼ることなく、研究開発の現場からリアルタイムに報告される生のデータを重視し、課題解決的視野から継続的なプロセスの改善に取り組む姿勢は、やがて幾つもの独創的なソリューションの発見を導き、本田技研を世界的な評価を確立する研究開発型企業の地位に押し上げます。

“開拓者精神によって自ら新しい世界に挑み、失敗、反省、勇気という3つの道具を繰り返して使うことによってのみ、最後の成功という結果に達することができると私は信じています”
企業が成長を実現するためには、目標を達成するためにコントロール可能なKPIを設定し、その進捗をリアルタイムにモニタリングしながら、継続的に戦略とプロセスの改善を図るマネジメントの仕組みづくりが求められます。創業時から世界を視野に置いた本田宗一郎氏は、そのビジョンを達成するために独自の哲学に基づいてKPIを指標化し、本田技研に課題解決的視野から継続的にプロセスマネジメントの改善を図る仕組みを設計し自ら推進した、卓抜した経営戦略家でありプロジェクト・マネージャーでもあったとも評価できます。

“企業で一番怖いのは社長の無知です。問題は持っている知恵が古くなることです。そうすると、過去がどんなに偉かった経営者でも、会社をつぶすことになります”
現実に即した的確なソリューションの提供を重視する本田宗一郎氏は、1973年に経営の一線から退き、後進の育成に専念しました。宗一郎氏が確立した「99%の失敗の蓄積」から「1%の革新的なソリューション」を導くマネジメント・メソッドはHONDAの研究開発スキームとして受け継がれ、ヒューマロイドロボット「ASIMO」や小型ジェット機「Honda Jet」などの優れた成果を今に示し続けています。

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企業がビジョンを実現し、設定した目標を達成していくためには、重要なプロセスのKPIをリアルタイムにモニタリングし、継続的に戦略とプロセスの改善を図るマネジメントの仕組みが求められます。刻一刻と変化するビジネス環境の中で、組織の成功を実現する重要なプロセスを見定め、目標と実際のKPI進捗状況とのギャップを埋めて成長を推進するためには、主要なプロセスでトランザクションされる現場ベースのデータを単一のデータベース上から統合管理し、全体最適視野から成長戦略とプロセスの再構築を図るクラウドERPの適用が必然となります。

統合されたプラットフォームから財務会計/ERPを中心にビジネスに必要なアプリケーションを提供するNetSuite は、標準で実装されているダッシュボード上に主要なKPIと業務の進捗状況を可視化してCEOの的確な経営判断を促し、成長する企業に最適化されたビジネスプロセスの継続的な改善の仕組みを提供します。企業価値のさらなる向上を望む皆様の傍らで成長へのナビゲーターとしてお役立ていただければ、幸いです。

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