リアルタイムの経営判断を実現したスシローの事業戦略とは?

 2020.06.01  クラウドERP実践ポータル

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移り変わりの早い市場の変化に対応するため、多くの企業がリアルタイムの経営判断を実現すべく取り組んでいます。

回転寿司チェーン「スシロー」を運営するあきんどスシローもそうした企業の一つです。本記事では、経営管理システムを刷新することでリアルタイムの経営判断反映を実現したスシローの事業戦略について解説していきます。

リアルタイムの経営判断を実現したスシローの事業戦略とは?

スシローが経営管理について抱えていた課題

スシローはオラクルの経営管理システム「Oracle Essbase (オラクル・エスベース)」を導入し、リアルタイムでの経営判断反映を実現した企業です。

スシローといえば、回転寿司業界の国内最大手企業です。1984年に回転寿司の1号店を出店後、1995年には全皿100円均一をスタート。2002年には世界初となる「回転すし総合管理システム」を開発しました。これは、寿司皿にICチップを取り付け、リアルタイムで売れ筋商品の状況や寿司の鮮度を管理できる画期的な仕組みです。

このようにテクノロジーを活用した経営にいち早く着手したスシローですが、Oracle Essbase の導入前には、「経営会議に使う資料を作成する際、スプレッドシートを利用した数値入力に時間がかかる」「詳細なデータ分析ができず、単なる報告にとどまってしまう」など、データ管理に関する課題を抱えていました。

それに加え、アルバイト・パート従業員の賃金上昇、世界的な和食ブームによる魚介類の価格高騰など、回転寿司業界を取り巻く環境への変化にも対応を迫られていました。そうした中でも持続的な成長を遂げていくためには、市場の状況を迅速かつ的確にとらえ、戦略を立案して実行していかなければなりません。このような背景からスシローは、速やかなデータ入力と集計したデータの多面的な分析、経営判断に役立つ事業報告の作成を可能にするシステムを必要としていました。

オラクルを選定した理由

上記の課題を解決すべくスシローが導入を決めたのが、オラクルの分析シミュレーション用多次元データベースOracle Essbaseです。

スシローが評価したOracle Essbaseの強みとして、経営戦略に合わせた拡張性と柔軟性を備えている点、短期導入が可能な点があります。

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2011年から海外展開に注力しているスシローが、さらなる海外事業の強化を見据えていたことも導入の決め手の一つです。スシローは、国内はもちろん海外のグループ企業の経営状況をリアルタイムに把握できるシステムを探していました。Oracle Essbaseなら、スプレッドシートに入力したデータを自動的にシステムに取り込むことで、海外の現地法人が入力したデータも日本の本社で簡単に管理・分析できます。

また、スピーディーな入力作業を可能にしたことも選定のポイントです。短期間のトレーニングを受ければ、IT部門以外の担当者でもOracle Essbaseの操作方法を習得できます。

導入効果

通常、システムを一から構築するにはかなりの時間を要します。Oracle Essbaseを利用することで、経営リソースを他に回すことができました。実際、採用決定からわずか1ヶ月で導入完了し、3ヶ月後には本格的運用が可能になりました。

また、導入を支援したビジネスアナリティクス企業・ブレインチャイルドによる社員トレーニングも並行して実施。プロジェクトを立ち上げてから、ITの知識がない担当者がシステムを使いこなし、経営管理に必要な情報分析が行えるようになるまで、スシローの要望していた3ヶ月で実現しています。

従来、3〜5営業日を費やしていたスプレッドシートでの入力作業が0.5営業日に短縮されたほか、多次元データベースを導入したことにより、KPIだけでなく財務諸表やキャッシュフロー、店舗別・エリア別、部門別、出店年度別など、より細かい分類に基づいたデータ分析が可能になりました。

会社の状況を多角的かつきめ細かく分析・報告できるようになり、経営判断に役立つ非財務情報や競合との比較といった価値ある分析も可能になるなど、それまでスシローが抱えていたデータ管理上の課題ほとんど全ての解決に成功しています。

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「Oracle Essbase」で経営管理をスピーディーに

Oracle Essbaseはオラクルが提供するOLAP(オンライン分析処理)サーバーで、データ分析機能ができるクラウドサービス「Oracle Analytics Cloud」の一部として提供されています。組織のパフォーマンスを素早く予測するほか、複雑なビジネス予測も簡単にモデル化してテストできるため、経営におけるスマートな意思決定をサポートします。

シンプルなワークフローも特徴で、一つのユーザーインターフェースの中で複数シナリオのワークフローを管理することが可能です。また、100を超える構築済みの数学関数を利用した高度な分析計算エンジンを搭載しており、財務に関する分析も素早く簡単に行えます。経営分析に必要な従業員の組織図や複雑な製品階層なども、単純化することなく正確に表せます。

Oracle Analytics Cloudの利用料金は1ヶ月あたり36万円からです。クラウドサービスであるため、大企業だけでなく予算が限られる中小企業でも導入しやすいのが特徴でしょう。これまでオンプレミスのOracle Essbaseで構築したアプリケーションを活用していた場合でも、簡単にクラウドに移行できます。

Oracle Essbaseの利点

Oracle Essbaseの機能的な利点は、主に以下の3点です。

1.オンプレミスとクラウドの両方に対応

Oracle Essbaseなら、オンプレミスとクラウドのどちらでも利用できます。スプレッドシートのアップロードや異種データの入力と照合・管理、そのほかさまざまなデータソースの利用が可能です。

2.クラウドでの設計や管理が容易

Oracle Essbaseは、簡単で理解しやすい管理インターフェイスを使いながら、複雑な階層とビジネスシナリオをモデル化します。複数のデータソースからカスタムアプリケーションを導入でき、組織全体で一貫性のあるモデルを提供することが可能です。

3.Excelからのスムーズなデータ移行を実現

ExcelからEssbase Cloudへのスプレッドシートアップロードは1分以内で完了します。

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まとめ

企業がリアルタイムの経営判断を反映させるためには、組織のあらゆるデータを多角的に分析し、次なるアクションを素早く判断できるデータ管理の仕組みが欠かせません。それを可能にするのが、オラクルの分析シミュレーション用多次元データベース「Oracle Essbase」です。Oracle Essbaseは、スシローのリアルタイム経営をサポートしたシステムであり、導入期間の短さや、部門別の細やかなデータ分析を強みとしています。ぜひリアルタイム経営判断の推進にお役立てください。

【事例】あきんどスシロー

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