財務会計と管理会計の違いをしっかりと説明するための基本

 2019.11.18  クラウドERP編集部

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会社のお金を計算したり、お金の流れを管理したり、会計ではお金にかかわるさまざまな業務を行います。その中で混同しがちな業務が「財務会計」と「管理会計」です。同じように会計で処理される業務ですが、管理する項目や目的などが決定的に違います。本稿では、知っているようで知らない、財務会計と管理会計の違いを説明できるようにするための基本をご紹介します。

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財務会計とは?

「〇〇株式会社が決算報告を発表した」というニュースを見聞きすることがありますが、その際に行われているのが財務会計です。この会計業務は主に、会社の経営状況等を数値的に表し、外部に公開するためにあります。

会社には多くの利害関係者(ステークホルダー)が存在します。株主、投資家、金融機関、従業員もそのうちの1人です。会社は単体で経営を行えているわけではなく、利害関係者が必ず存在します。それらの人々や機関に対して、会社の経営状況を報告することは社会的責任の1つです。だからこそ、財務会計を行い、決算報告としてさまざまな角度から経営状況を外部に報告します。

財務会計の役割

財務会計には2つの大切な役割があります。それが、情報提供と利害調整です。

前述のように、利害関係者に経営状況を表す情報を提供することが1つの目的です。株の配当や資産価値の上昇による利益を目的として投資をする人や機関が、投資判断を下すために参考にします。それに必要な情報は多数ありますが、中でも財務状況にかかわる情報が重要になります。会社はその情報を利害関係者に提供し、投資をするかどうかを判断してもらっています。

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会社というものは、株主からその経営を任された取締役や役員によって運営されており、株主の意思を反映しながら利益を最大化することが義務とされています。しかし、時には自身の利益を最優先に考え、株主などの利害関係者にとって不利益になる行動をすることも想定されます。そうした不正を未然に防ぐためにも、財務報告による情報開示が求められています。

さらに、会社とその利害関係者は両者ともに収益から恩恵を受ける立場にあり、利益の分配方法や割合などを原因として、対立関係になる可能性があります。そうした事態を防ぐためにも、財務報告によって情報を開示することで、利害調整を行っているのです。

企業会計原則

財務会計を行うにあたり、会社は「企業会計原則」に従わなければいけない責務があります。これは1949年に企業会計制度対策調査会が公表した会計基準であり、その後は1990年代後半の会計ビッグバン(会計基準の大改正)等を経て、現在では以下のような8つの原則が定められています。

<企業会計(一般)原則>

1

真実性の原則

企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない

2

正規の簿記の原則

企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない

3

資本利益区別の原則

資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない

4

明瞭性

企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない

5

継続性の原則

企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない

6

保守主義の原則

企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない

7

単一性の原則

株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない

中でも重要なのが「1. 真実性の原則」であり、これは粉飾決算など偽りのある財務報告をしてはいけないことが定められています。

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管理会計とは?

財務会計は法律で定められた義務なので、すべての会社が実施しなければいけません。それに対し、管理会計に実施の義務はなく、任意で行われるものとなります。というのも、管理会計は外部の情報を開示するためのものではなく、あくまで社内での活用を目的としているからです。

社内の各業務プロセスからデータを収集し、加工して直接費や間接費の原価分析、収益性分析などのレポートを作成して、それらをもとに経営状況を判断したり、経営判断をくだしたりすることが目的です。なので、財務会計のように法的要件はありませんし、会計基準も存在しません。

企業のごとに異なるルールが用いられ、それぞれがやりやすい方法で情報を集めてまとめて、会社のお金や経営の状況を把握していきます。管理会計で実施する一般的な業務は、以下のようなものです。

損益分岐点分析

損益分岐点とは、損失と利益が分岐するポイントのことであり、これを分析するのが損益分岐点分析です。損益がプラスマイナスゼロになり、ここからは利益が発生するというポイントを知ることで、黒字化にはどれくらいの売り上げが必要かなど事業計画を正確に立てるために欠かせません。これを応用して、事業や製品の採算性を比較して経営計画の見直しなども行います。

部門別会計

文字通り、部門ごとに会計処理を行うものです。各部での売上増減、費用発生状況、費用対効果など収益性や将来性を分析するために用いられます。各部の予算管理の適正化にもつながりますし、事業集約や不採算事業の撤廃など、経営方針や事業戦略を考える上でとても大切な指標です。

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予実管理

会社の予算と実績を管理することを指します。主に営業部では売上高や仕入高などの数値目標を予算として計画していきますが、この予算通りに販売実績が推移しているかを確認するのが予実管理です。予算に対して実績が足りない場合、何が足りないのか?どうすれば達成できるか?などを分析していきます。

これらの管理項目はあくまで管理会計の中の1つに過ぎません。会社が運用している事業によっては、もっとたくさんの指標が必要になりますし、逆に単一指標だけで物事を判断する場合もあります。

とにかく、管理会計は自由です。会社は自身の経営状況を判断したり、経営判断を下したりするためにさまざまな管理を組み合わせて実施し、独自の会計業務を築いていきます。

企業会計に興味を持とう!

いかがでしょうか?本稿では財務会計と管理会計の違いについて解説しましたが、分かりやすくまとまっていたのならば幸いです。会計業務や企業経営に携わっていない人でも、企業会計に詳しくなると自分が勤めている会社の経営状況が把握でき、他社の経営状況から成長性などを判断できるようになります。自分にとって有利にビジネスを進めるためには、自分が属している環境や周囲の状況について詳しい情報を得ることが大切です。ビジネスをもっとやりやすく、自分の立ち振る舞いについて考えるためにも、企業会計に興味を持って、さらに深く知ってみてはいかがでしょうか?

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事例記事:中外製薬
事例記事:リコー

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