予実管理はどう進めるか?ポイントや注意点を徹底解説!

 2019.07.25  クラウドERP編集部

新入社員、新規配属の方必見!ERP入門特集

企業では、年初や月初に売上目標を立てて、それに応じた営業活動が行われます。そこで必要とされるのが予実管理です。
予実管理を徹底すれば、売上目標に向かって順調に進んでいるかどうか、経営がうまく行っているかどうか、問題はないかなどを確認しながら事業を展開していくことができます。
本記事では、予実管理が必要な理由や手順、押さえておきたいポイント、よくある失敗例、予実管理を行う方法を解説します。Excelを利用した予実管理の方法やメリットとデメリット、さらに役立つシステムについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

予実管理はどう進めるか?ポイントや注意点を徹底解説!

予実管理とは何か?

予実管理とは、企業における「予算」と「実績」を比較し管理することです。「予算実績管理」とも呼ばれ、経営目標に対する実績を把握し、軌道修正が必要かどうかを判断する際に用いられます。

企業では、一般的に売上や仕入、経費、投資などの数値目標を予算として計画します。この目標に対して実績がどのように推移しているか、予算と実績の乖離がないかを確認および管理するのが「予実管理」です。

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なぜ予実管理を行うのか?

予実管理は、予算に対する実績の現状把握や問題の早期発見および解決、経営指針を決定する際の資料として利用することなどを目的に実施されます。

  • 予算に対する実績の現状把握
    経営目標として設定した予算や売上目標に対し、現段階における経費および売上を比較します。これにより、どの程度の目標が達成されているか、もしくはどの程度予算が足りていないのかを実際の数値で把握できます。

  • 問題の早期発見および解決
    現段階で予算に対する実績が足りていない場合、目標達成のための対策を早めに打つことができます。一方で、予算に対する実績があまりにも乖離している場合は、予算設定が誤っている可能性があります。実現不可能な目標は、社員のモチベーションを低下させるなどの問題を引き起こします。このような問題を早期に発見し、解決していくことも予実管理の目的です。

  • 資料としての利用
    上場企業の場合、業績予想の開示を求められるため、証券取引所に「予算実績管理表」を提出しなければなりません。また、経営会議などで、経営陣が今後の指針を決定する際にも重要な資料になります。
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予実管理の手順について

予実管理は以下の手順で行うのが一般的です。

  1. 予算の目標を立てる
  2. 予算を決める
  3. 月次チェックを行って修正点をあぶりだす
  4. 対策を実行する

これらを手順ごとに詳しく解説します。

1.予算の目標を立てる

予実管理は、あくまで予算の目標に実績を近づけることが目的です。そのため、まずは基本となる予算目標を立てることからスタートします。

このとき、目標は低すぎても高すぎてもいけません。低すぎれば企業の成長は見込めず、実現不可能な数値も社員の疲弊を招きます。高い効果を得るためには、できるだけ社員のモチベーションを維持できるような、実現性のある目標を設定する必要があります。

なお、適切な予算目標の設定において、利益の大小は必ずしも関係しません。例えば、売上が高くても、大きな経費を必要とする事業では利益は少なくなります。利益が出ていないからと少ない予算を設定すれば、必要経費を賄えなくなり赤字に転じる恐れがあります。

2.予算を決める

次に実際の予算を決定します。事業をすでに行っている場合は、過去の実績に今後の売上や仕入、設備投資の増加を織り込んで決めましょう。
この際、どの時期のデータを参考にして予算を立てるかが重要なポイントです。業種によっては繁忙期・閑散期があり、その差が大きい場合もあります。そのため、時期による差を考慮した予算を立てなければなりません。

月ごとでなく年間の予算を立てた場合は、その予算を月ごとに分けます。その際にも単に各月へ12等分した数値ではなく、繁忙期・閑散期を考慮して配分しなければなりません。

なお、これから開業する場合は参考にできる過去の実績がありません。その際は、売上・仕入の見込み額をもとに検討し、実現性の高い予算額を決定します。

3.月次チェックを行って修正点をあぶりだす

決定した予算に対する実績の確認・比較を定期的に行います。予算に対して実績が乖離している場合、計画内容または実務で何らかの問題が発生していることが分かります。問題はなるべく早期に発見し、対策を取ることが重要です。問題を早期発見するため、月次で確認を取りましょう。

月ごとの短期間での確認は、詳細な分析も可能にします。予算と実績に差があれば、原因を分析しなければなりません。原因となる要素は何か、またそれは一時的か、長期的な影響があるかを見極め、どこを軌道修正すべきかをあぶりだします。

4.対策を実行する

月次チェックにより修正が必要なポイントが見つかった場合、対策の実行に移ります。予実管理は、実績を予算に近づけることが目的です。原因を究明するだけでなく、実行しなければ予実管理の意味を成しません。原因が分かっているにもかかわらず、対策の実行を怠って先送りにしてしまうと、さらに経営が悪化し、より修正が困難になる恐れがあります。

比較や確認だけでなく、問題が発生していたらすぐに原因を究明し、対策を考えて実行に移すまでのプロセスが予実管理であることを理解しておきましょう。

予実管理で押さえておきたいポイント

予実管理を効果的に実施していくためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。ここでは、その重要なポイントを2つに分けて解説します。

未達成の部分は原因をきちんと見極める

予実管理を行うことで、予算に対する実績が明確になります。
はじめて行った場合、多くは予算目標に対して実績が不足します。そこで未達成の部分が判明しても「来月は頑張ろう」といった曖昧な呼びかけを行うだけでは、予実管理の意味がありません。

予算に対する実績が足りない場合、その部分の原因を明らかにし、それに対して有効な対策を検討・実行し、改善に繋げることが重要です。原因をきちんと見極めておくことは、次の予算を立てる際にも参考になります。
これは情報活用の基本でもあり、予算と実績という情報を比較して分析し、問題点の改善までを繰り返すことに意味があります。ただの現状把握で満足してしまう場合は、予実管理による効果は得られません。
また、無理のある目標を設定している場合にも、実現性のある改善策を打ち出すことが難しくなります。予実管理では、事業面の改善だけでなく予算目標についても検討を重ね、適切な経営状況を維持していくことが大切です。

リアルタイムな情報を活用する

予実管理は、前述したように予算と実績を比較して分析し、問題点の改善までを繰り返すことに意味があります。そのためには、常に最新の情報を活用し、比較・分析することが重要です。ビジネスの現場は常に変化し続けており、1か月、2か月も経過すると情報も古いものになっていきます。古い情報に頼ることは無意味であるどころか、悪影響を及ぼす可能性もあるため「現在の状況はどうなっているか」を把握することが大切です。

リアルタイムに活用するには、情報を収集し、分析、改善するサイクルを月ごとに、可能であれば週ごとの短期間で回していく必要があります。このプロセスを持続的に行うことで、少しずつでも予算と実績の差を埋め、より現実的かつ実現性のある目標に向けた経営活動へと繋げられます。

取り組む前に把握しておきたいよくある失敗

予実管理は経営の改善に役立つ一方で、失敗してしまうこともあります。ここでは、予実管理に取り組む前に把握しておきたいよくある失敗の例をご紹介します。

数字を追いかけることが目的になってしまう

予実管理により、予算に対する実績の数字が明確になります。しかし、目の前の数字だけを見て一喜一憂することは必ずしも経営の改善に繋がりません。
例えば、予算に実績が伴っている場合、それだけで満足して終わることもあるでしょう。しかし、順調に実績を上げられた原因について分析することで、さらなる成果を上げることにも期待できます。

一方、達成できなかった場合には、その数字に隠された原因を究明しなければなりません。どちらにしても、ただ目に見える数字を追いかけることを目的とせず、その数字が示す意味を追求することが大切です。

適切な予算を設定できていない

予実管理が成果に結びつかない理由として、適切な予算を設定できてないことが挙げられます。
よくある傾向としては、達成しやすい低めの予算を設定していることです。達成が容易な予算設定では社員や事業の成長に繋がらず、将来的に見込めたはずの成果を切り捨てることになります。
一方で、過度に高すぎる予算設定は社員のモチベーション低下を招きます。予算設定を見直し、適切な目標を再設定することも重要な改善手段であることを認識しましょう。

予算にこだわりすぎて現状が見えなくなってしまう

陥りやすい失敗として、予算にこだわりすぎて現状が見えなくなってしまうことがあります。
目標のみを重視していると、期間内で達成が難しい状況で社員が過度な労働をしたり、売上の水増しなどの不正行為に手を染めたりしてしまうかもしれません。

もし、予実管理に取り組んだばかりであれば、それほど予算にこだわる必要はありません。元々の予算設定の誤りや、設定したときから状況が変化した可能性も考慮し、予算や目標の修正を行うなど柔軟な対策を検討しましょう。

予実管理を行う方法について

実際に予実管理を行うには、どのような方法で行うとよいのでしょうか。ここでは、Excelまたはツールを活用する方法を解説します。

Excelを使用した予実管理

予実管理は基本的に、紙とペンさえあれば行うことができます。数字を表で管理する予実管理では、表計算ソフトのExcelを使用することが有効です。

Excelを使用した予実管理は作成が簡単です。操作方法をはじめ、役立てられる情報が広く出回っており、会計処理に向いた無料のテンプレートも数多くあります。また、多くの企業はすでにExcelを導入しており、追加のコストをかけずに始められるでしょう。

なお、紙媒体では記録や計算に手間がかかり、保管に場所を取られます。Excelは自動計算や検索・抽出機能で記録から分析まで比較的容易に行えることに加え、データは軽量のため実質的に保管場所を取りません。

ツールを活用した予実管理

もし会社の規模が大きい場合は、専用ツールを活用したほうが管理しやすくなる可能性があります。それは、大規模な管理にはExcel表のメンテナンスを必要とするためです。例えば、カテゴリーの追加や単価の変更、平均値が必要になった場合、そのたびに行や列を挿入して追加したり計算式を加えたりする手間があります。それが頻回であれば、とても煩雑な作業になりかねません。また、計算式を間違えるなどのミスも起こり得るでしょう。

予実管理の専用ツールでは、データ収集・管理・分析などのプロセスを効率的に行うことができます。チェック機能などを活用することで、計算式を間違えてしまう心配もありません。また、クラウド型であれば、データが破損するなどのトラブルも避けられるでしょう。ツールを利用することで、会社の特性に合わせた運用やイレギュラーな事態に対応しやすくなります。

便利なExcelのテンプレートを利用する

予実管理を簡単に行えるExcelですが、テンプレートを利用することでより便利になります。ここでは、Excelでテンプレートを使用するメリットやビジネス全体における予実管理のテンプレート、プロジェクトごとの予実管理のテンプレートに分けて解説します。

テンプレートを使用するメリット

テンプレートを使用することで、Excelでの予実管理がより簡単に作成できます。なぜなら、テンプレートは必要な項目がすでに盛り込まれているからです。Excel関数が苦手もしくは面倒に感じてしまう場合でも、すでに計算式が組み込まれたテンプレートを使用すれば情報を入力するだけで予実管理表ができあがります。

予実管理表をゼロから作るより手間をかけずに済み、なおかつ無料で使えるものも多く出回っているので、コスト面でもメリットがあります。

ビジネス全体の予実管理に関するテンプレート

予算の策定は、企業や組織の規模にかかわらず行われるものです。ビジネス全体における予実管理のテンプレートでは、「売上」や「原価」をはじめ、「広告宣伝費」や「交通費」「交際費」「保険料」「研究開発費」など必要な項目別に収支を把握できるようになっています。経営にかかわるあらゆる予算を一目で把握できれば、どの項目の予算を増やすか、または減らせば良いかなどの判断が正しく行えます。

また、損益計算だけでなく、人件費を把握できるテンプレートもあり、企業経営全体の予実管理に適用できます。

プロジェクトごとの予実管理に関するテンプレート

大事なプロジェクトを成功させるには、予算に対する実績を正確に把握することが重要です。プロジェクトごとの予実管理に関するテンプレートでは、タスクごとに「人件費」「材料費」「固定費」などを分けて整理できます。

プロジェクト管理においては、予算の策定から実行・監視・コントロール・終結の順にプロセスを進めていきます。この間に予算と実績の乖離が広がることは、プロジェクト管理の不足を意味します。プロジェクトの成功には、このようなテンプレートを用いて適切な予実管理を行うことが重要です。

Excelで予実管理を行うにあたって気を付けたいポイントとは?

Excelでの予実管理は、開始しやすい一方で注意すべき点がいくつかあります。

集計に時間がかかる

Excelの予実管理表は、基本的に人手によるデータ入力が必要です。そのため、最初に表を作成しなければならないことに加えて、変更の際は修正に時間がかかります。テンプレートを使用する場合でも、基本的には自社に合った計算内容や各項目へと修正する必要があります。

また、部署・部門ごとにフォーマットが違う場合、データの共有および集計に手間がかかります。なぜなら、まとめるためにひとつずつ入力し直さなければならないからです。
これにより作業効率が下がり、時間もかかります。そのため、部署・部門ごとに扱うデータや扱い方に差が出ないよう、あらかじめフォーマットやルールを決定しておきましょう。

タイムリーな情報を知ることが難しい

Excelで作成した予実管理は、複数人が同時に編集することが難しく、担当者ごとにあらかじめ期限を決めて入力する取り決めをしなければなりません。また、編集が行われるたびに共有化する必要があり、コピーを繰り返すと最新のファイルがどれか分かりにくくなる恐れがあります。

また、部署・部門別の集計に時間がかかる場合、差が生じることでタイムリーな情報を取得できない可能性もあります。データが集まった頃には、先行して入力した情報が古くなっている場合があるからです。

予実管理に大切なのは、タイムリーな情報を扱うことです。このことから、編集したファイルが最新のものであるか、すぐにデータを集められるかは重要なポイントであるものの、Excelでの予実管理には煩雑な手間や取り決めを必要とします。

人的ミスのリスクがある

Excelでの表作成およびデータ入力、メンテナンスは手作業で行います。その際、入力ミスや変更の手違いに気づかず関数が崩れたまま保存してしまう可能性があります。
多数のセルを参照する複雑な関数やマクロを使用するなど、自動化しすぎた表は修正すべき箇所を発見するのが難しく、メンテナンス性や拡張性にも問題があります。
また、表を作成した担当者が不在だと修復に多大な時間がかかり、分析や予算編成などのスケジュールに影響するかもしれません。担当者が不在もしくは変わる場合に備えて、マニュアルの作成や引き継ぎを行う必要があります。

ほかに、そもそも作成の際に関数や数式自体が間違っていたというケースもあります。対策を実行したあとにそれが発覚した場合、表を作り直したうえで間違った対策内容についてもさらなる修正を必要とします。

改善策が見えにくくなる

Excelでの予実管理は、予算と実績をまとめて数値的な結果を容易に把握できます。しかし、最終的な数字だけでは、そこから問題点を見つけることは困難です。例えば、事業全体の売上をまとめた結果だけでは、たとえ予算と実績に差が見られても、それに影響した商品はどれか、またどのプロセスに問題があるかなどを発見できません。
適切に管理するためには、商品やサービスごとに集計を行い、材料費や広告費などの項目ごとの状況も見えるようにする必要があります。

また、Excelでは予算シミュレーションを行うことはできません。多様な視点から分析し改善策を見出すには適さないでしょう。

データが重くなってしまう

Excelを利用した予実管理ではデータが重くなることがあります。例えば、自社に合った設定であらゆる項目を追加し、関数や数式を複雑化させることや、管理期間が長期に渡りデータが蓄積していくことで計算量が膨大になり、処理に時間がかかるようになります。

Excelの表は入力や更新のたびにすべてのセルで再計算が行われるため、わずかな遅延でも長期間使用していると多大な時間を取られます。そのことで、操作・管理に支障をきたし、作業効率に影響します。
また、データ量にかかわらず突然ファイルが破損する事態も考えられます。商品やサービスなど事業内容ごとにファイルを分け、データ量が過大にならないよう管理するとよいでしょう。

Excelの予実管理で使われるグラフとは?

Excelの予実管理で数値データを扱う際には、見た目で直感的に理解しやすいグラフがよく使われています。ここでは、Excelの予実管理で使われるグラフの形式を3つ紹介します。

予算と実績の比較がしやすくなる2重棒グラフ

ひとつ目は、予算と実績の比較がしやすい2重棒グラフです。予算と実績に分けたそれぞれの棒グラフを重ねることで、達成度も分かりやすくなります。ぴったり重ねても良いですが、少しずらすなどの細かい調整を行うことで、より見やすいグラフに仕上がります。なお、重ねた場合、積み上げ棒グラフと誤認する恐れがあります。

Excelでは、「系列の重なり」および「要素の間隔」を設定することで、2重棒グラフが作成できます。ちなみに「系列の重なり」では、同一要素(同じ月)の「予算」と「実績」の棒の重なりを調整できます。「要素の間隔」では、重なった棒の太さを調整します。これらを細かく調整することで、視覚的に予算に対する実績の度合いが理解しやすくなるでしょう。

予算と実績の比較がしやすくなる2重棒グラフ

売上の平均値などを確認しやすい折れ線グラフ

折れ線グラフは、ある一定期間におけるデータの変化および増減を表すのに適しています。予実管理においては、売上の推移などの変化を把握する際に役立つでしょう。棒グラフと違う点は、期間が線でつながっていることです。線の傾斜で期間あたりの変動量を把握でき、前年の推移と比較しやすくなります。また、数値がほかの月または年に比べて突出していないかをひと目で理解しやすいこともポイントです。

また、棒グラフと折れ線グラフを重ねて表示する手法もあります。予算と実績を棒、達成率を折れ線で表せば、関係する多くの要素を同時に把握しやすいことから、おすすめの手法です。

売上の平均値などを確認しやすい折れ線グラフ

予算と実績の差をひと目で把握できるウォーターフォールグラフ

ウォーターフォールグラフは、数値の増減幅のみを表すグラフです。滝のような見た目から名付けられ、直訳して「滝グラフ」とも呼ばれます。予実管理においては、予算と実績の差をひと目で把握でき、さらに実績がどのように推移しているかを表すことができます。

特長は、増減や差異の大きさだけでなく構成される要素を表せるため、予実管理に重要な原因究明にも役立ちます。また、ウォーターフォールグラフは比較対象の増減を視覚的に表すことが得意なため、「営業利益増減の要因分析」や「商品またはサービス別の売上要因分析」などにも有効です。増減の要因を簡潔に、なおかつ定量的に表したい場合にとても便利です。

予算と実績の差をひと目で把握できるウォーターフォールグラフ

予実管理をさらに効率的に行うには

予実管理の多くは、これまで解説したExcelや紙媒体に記入していく手法で行われます。しかし、手作業で数値を入力していくことで時間や手間がかかり、リアルタイムでの予実管理が困難です。さらに人的ミスが起こることも考えられ、扱うデータの規模が大きくなるほど手間やリスクは拡大します。

手間がかからずミスも起きにくい効率的な予実管理を実現するには、システム同士を連携させ、そこから収集したデータを統合し、予実管理に反映することが重要です。しかし、多くの企業では部署・部門ごとに最適化されたシステムで、それらを連携させることは困難な状況にあります。運営および管理はさらに複雑化し、ITシステム関連の維持にかかるコストが増大することも考えられます。

そのような問題を解決するためにおすすめなのが、クラウドERPの活用です。ERPとは「Enterprise Resource Planning」の頭文字を取った言葉で、基幹業務システムを指します。すなわち、会計から人事、販売、物流に至るまで、あらゆる業務に必要なシステムを統合したソフトウェアパッケージであり、部門ごとに最適化されたシステムの統合を実現できます。加えて、クラウド型は自社内でサーバーなどのインフラ整備をしなくても利用できます。

クラウドERPを活用した予実管理では、部署・部門ごとのシステムやデータを一元管理できます。また、システム同士の連携により、データの受け渡しもスムーズになり日々の予実管理も容易です。このことから、近年は多くの企業でクラウドERPの活用が進んでいます。

自社の予実管理を効率化し、成果を上げたいと考えている場合は、ぜひクラウドERPを検討してみてください。

まとめ

予実管理は企業経営へのデータ活用において重要な項目です。単に数値を把握するだけでなく、数値が示す問題点をあぶりだし、軌道修正を重ね改善することが大切です。

紙での管理やExcelでの予実管理も可能ですが、集計に時間がかかることでタイムリーな情報収集ができないことや、人的ミスの発生リスク、改善策の見えにくさなどのデメリットがあります。

これらのデメリットを回避し予実管理を適切に行うには、クラウドERPの導入がおすすめです。「Oracle Fusion Cloud ERP」は、企業の財務会計やEPMなどの管理系業務、製造・物流に至るまでの企業活動に関連するすべてのデータを一元管理できます。予実管理に必要なモジュールを組み合わせて取り入れることができ、効率化が実現します。さらに、クラウドサービスとしての提供により、インフラの整備が必要なく柔軟に導入・運用が可能です。

自社の予実管理などの効率化には、ぜひ「Oracle Fusion Cloud ERP」をご検討ください。

オラクル管理会計・予算管理クラウドサービス

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