意思決定を迅速かつ的確に行う管理会計とは?

 2019.11.22  クラウドERP編集部

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会社が行う会計業務は大きく分けて2つあります。財務会計と管理会計です。前者は会社の経営状況を表す情報を、外部に開示するためのものです。一方、後者は社内での情報管理を目的としています。本稿では、会社がその意思決定を迅速に、そして的確に行うための管理会計についてご紹介します。

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財務会計と管理会計

ウィリアム・シェイクスピアが1594年~1597年の間に書いたとされる喜劇、「ヴェニスの商人」。舞台は水の都ヴェネツィア。正義感が強く情に厚いアントーニオが、友人のバサーニオが莫大な財産を相続した富豪の娘と結婚するために、右往左往するという物語です。財務会計と管理会計の起源は、ちょうどこの頃まで遡るとされています。

当時は貴族が資金を出し、船を調達して雇った乗組員に船旅をさせることが当たり前でした。しかし、船が海に出れば貴族らの目に触れることはないので、管理下に置くことは当然難しくなります。そこで貴族らは、乗組員に旅中のお金の出入りをすべて記録させて、港に戻ってから貴族に報告させました。これが財務会計の起源です。

現代の財務会計は、会社の株主や投資家などのステークホルダーに経営状況を開示するために行われます。会社が船ならば、その資金を出資しているステークホルダーが貴族というわけです。

一方、船の乗組員にとって財務情報というのはさほど意味を持ちません。彼らにとって重要な情報は、進路や天候、他の船の存在などです。これは現代の管理会計に該当する情報だと言えるでしょう。

財務情報とはあくまで外部に開示するためのものであり、期中を通じた決算報告です。それはあくまで結果であり、そこから経営判断を下すことはできません。対して管理会計は、会社が適切な意思決定を下すために集める、リアルタイムな(生きた)情報を管理します。それらの情報を通じて会社という船の舵を切り、リスクを回避し、収益を最大限に得るための進路を見つけます。

意思決定のための管理会計とは?

前述のように、管理会計は経営の意思決定を下すためにあります。しかし、意思決定のためにそれを生かせている企業は、そう多くありません。また、管理会計を実施することは義務ではありませんので、そもそも取り組んでいないという企業もあるでしょう。そこで、管理会計を使って意思決定を理解するために、意思決定プロセスについて整理します。

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業務的意思決定

日々の業務の中において、頻繁に直面する意思決定です。日々の業務の進め方、従業員の管理などにまつわる決定を行います。日常的に来る返される決定事項ばかりで、現場部門のリーダーや責任者が実行します。

管理的意思決定

業務的な意思決定よりも重要性が高く、部長や課長など管理職が担当する意思決定です。戦略的意思決定にもとづき、業務遂行の過程を管理します。会社の経営戦略にしがたい、自分の管理部門においてその戦略を実現するために、業務内容やスケジュール、人材配置などを決定します。

戦略的意思決定

会社の将来性や経営方針にかかわる意思決定であり、会社にとって非常に重要性の高い意思決定となります。海外への進出、新しい視点や工場の設置、M&Aによる吸収合併、将来の会社の状態を左右する重大な意思決定を行います。同じような意思決定が繰り返されるようなことはないので、参考にする情報は少ないでしょう。しかし、正しい決定を下せれば会社を大きく成長させ、場合によっては会社の存続が危うくなります。

このように、管理会計における意思決定は戦略的意思決定からトップダウン式に下っていき、日常的な業務的意思決定へとつながっていきます。

管理会計の実施ポイント

多くの会社では管理会計を実施していますが、まだ実施していない、という会社も多いでしょう。しかし、管理会計を実施することで経営状況を定期的に可視化し、経営の意思決定を下すための判断材料を入手することができます。その管理会計を実施するにあたり、以下の実施ポイントを意識してみてください。

1.必要な情報の種類と、タイミングを明確にする

管理会計は、組織・事業・部門・顧客・製品という複数の単位を用いて、損益計算書や賃借対照表などの財務諸表をもとに、経営状況を分析・評価します。そのために必要な情報の種類と、情報を入手するタイミングは会社によって違うものです。事前に情報の種類とタイミングについて明確に定義していくことが、まず大切です。

2.管理会計に必要な情報を集めるための基盤作り

管理会計に最も必要なのは情報です。その情報はどこから持ってくるのか?基本的には、基幹システムから必要な情報をかき集めます。ところが、基幹システムから情報を集めるのには時間がかかることから、効率よく情報収集できる基盤を整えることがポイントです。たとえば、ERP(Enterprise Resource Planning)によって各基幹システムを1つのデータベースで管理することで、情報収集スピードは飛躍します。

3.分析ツールによるデータ分析の自動化をはかる

基幹システムから収集した情報は分析を通し、管理会計として活用できる情報に変換しなければいけません。Excelなどのツールを使用して分析は行えますが、ある程度はVBAの知識を有している必要がありますし、高度な情報分析を行う場合は、専門知識や技術も必要です。独自の分析には限界もあるため、既存システム環境と統合できるBI(Business Intelligence)も検討しましょう。

4.毎月の決算活動で会社の資産状況を把握する

管理会計では主に月次決算を行い、会社の資産について定期的に把握するのがポイントです。月次決算では現金と預金残高の確認、月次棚卸高の確認、仮勘定の整理、経過勘定の計上、減価償却費、退職給付費用などの計上、月次試算表の作成、月次業績報告の作成など、いろいろな作業が重なっていきます。年度計画における売上高・営業費・純利益の目標進捗管理など、多数のメリットがあります。

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管理会計を強化するOracle EPM Cloud

Oracle EPM(Enterprise Performance Management) Cloudは、管理会計・予算管理で必要になるデータの収集から蓄積、配布処理、予実管理、シミュレーション、レポート作成などトータルで管理会計・予算管理業務の効率化や、高度化を実現します。要するに、従来の管理会計を強化するためのソリューションです。

Oracle EPM Cloudは世界で10,000社以上の導入実績を持つ「Oracle Hyperion Planning」の管理会計機能、予算管理機能をそのままクラウドサービスとして提供するものです。業界別に適したテンプレートやサービスメニューが豊富なので、短期的な導入が可能になります。さらに、事前に定義された4つのベストプラクティスモデルがあります。

  • 要員計画、人件費計画のWorkforce Planning
  • 社内外のプロジェクトに対する予算策定、進捗管理ができるProject Financial Planning
  • 設備投資計画を支援するCapital Asset Planning
  • KPIが事前定義された組み込み型テンプレートのFinancial Statement Planning

これらの機能はすべて、会社の管理会計を強化するためにあります。皆さんもぜひ、管理会計の強化をご検討ください。

 

オラクル管理会計・予算管理クラウドサービス

事例記事:中外製薬
事例記事:リコー

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