Oracle Fusion Cloud EPM (旧PBCS)とは?機能や導入事例を紹介!

 2021.03.16  クラウドERP実践ポータル

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EPM(Enterprise Performance Management)」は、組織内の業務をプロジェクトとして管理し、組織の意思決定を支援するソリューションです。日本語では「企業パフォーマンス管理」や「企業業務管理」などと呼ばれることもあります。EPMの機能や特徴は、提供するベンダーにより様々ですが、本記事ではオラクル社提供の「Oracle Fusion Cloud EPM (旧PBCS)」について解説します。

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Oracle EPM Cloud(旧PBCS)とは?機能や導入事例を紹介!

Oracle EPM Cloudとは

企業向けソフトウェアの開発・コンサルティングなどの事業を手掛けるオラクル社では、業務管理(EPM)ソリューション「Oracle Fusion Cloud EPM (旧PBCS)」を提供しています。

Oracle EPM Cloudは、企業の意思決定を支援するソリューションです。具体的には、企業の財務・人事・サプライチェーン・販売のプロセスにおける計画を支援し、パフォーマンスを最大化するために必要な情報を提供します。

また"Cloud"と付くとおり、Oracle Fusion Cloud EPM は、EPMの機能をクラウドサービスとして提供するソリューションです。

EPM製品にはオンプレミス型のほか、クラウドサービス型のソリューションがあります。スケール変更が難しいオンプレミス型に対し、クラウドサービス型は「組織の規模に関係なく導入できる」「業務アプリケーション単位で拡張するという柔軟性を備えている」などのメリットが挙げられます。

Oracle Fusion Cloud EPMの主な機能

「Oracle Fusion Cloud EPM」には、以下のような機能が搭載されています。

  • 計画と予算管理を行う「Planning」
  • 連結および決算プロセスを効率的に管理する「Financial Consolidation and Close」
  • 財務および税金の決算処理を統合する「Tax Reporting」
  • コストと収益を正確に測定して割り振る「Profitability and Cost Management」
  • 勘定科目の残高が正しいかを確認して照合する「Account Reconciliation」
  • アプリケーションごとの管理を行うアジャイル型のデータ管理アプリケーション「Oracle Enterprise Data Management Cloud」
  • 財務レポートおよび管理レポートを作成する「Narrative Reporting」

Oracle Fusion Cloud EPMの中心的な機能である「Planning」には、経費やKPIなどのベストプラクティスがモジュールとして組み込まれています。給与や社員情報など既存の情報をインポートすると、自社に適した人員・給与・報酬支出などが自動的に算出され、計画として出力される仕組みです。また「Planning」で行った計画や予測は、ダッシュボードに自動的に反映され、いつでも参照できます。

Oracle Fusion Cloud EPM導入のメリット

今やExcelで売上やコストなどのデータ収集や計算、管理を行っている企業は少なくありません。しかし、Excelによる管理では人的ミスが発生しやすいだけでなく、ファイルの管理が複雑になる傾向も見られます。

「Oracle Fusion Cloud EPM」では、データの収集や計算だけでなく、シミュレーションやレポート作成までトータルで対応できるため、予算編成を含む企業の意思決定を正確かつ効率よく行えます。

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またOracle Fusion Cloud EPMは、既存のExcelのデータを取り込めるため、Excelベースでの管理からの移行も容易です。さらに、サーバーやインフラの整備が不要なことから、オンプレミス型のEPMと比較して、低コストかつ短期間での導入が可能であることもメリットです。

Oracle EPM Cloud(旧PBCS)の導入事例

ここでは、実際に「Oracle Fusion Cloud EPM(旧:Oracle Planning and Budgeting Cloud Service)」の導入によって業務改善を果たした事例を3つご紹介します。それぞれの企業がどのような課題を抱え、また導入によりどのような成果を上げられたのかに注目し、ぜひ今後の参考にしてください。

はなまる

セルフ式讃岐うどん「はなまるうどん」で有名な「株式会社はなまる」も、Oracle Fusion Cloud EPM導入企業のひとつです。

直営店だけで300を超え、本社の部門管理も含めると350近くに上り、拠点ごとに予算を作成する必要があるという同社。これまでExcelを使って、1店舗1シートというルールで予算管理をしていたものの、全拠点をまとめて集計するとExcel自体が固まるというトラブルが頻発していたとのことです。

新たな予算管理の方法を模索していた同社ですが、短期間で導入できることと、業種特化型のテンプレートを活用できることが決め手となり、Oracle EPM Cloudの導入を決定しました。

結果、Oracle Fusion Cloud EPMにより予算の集計管理業務の効率化を実現しました。それだけでなく、来店客数や売上高・勤怠データ・給与データ・廃棄ロスなどのデータから指標を抽出し、経営企画にも活かすなど予算管理の高度化にも成功しています。

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多慶屋

東京・台東区で9店舗を展開する総合ディスカウントストア「株式会社多慶屋」。

多くの小売店がクーポン値引きやポイント還元などの販促施策を行う中、同社の課題は、免税も含めてどれだけ正確に利益額を把握できるかという点でした。Excelでの収益管理から脱し、Oracle Fusion Cloud EPMへ移行したことにより、粒度の細かい損益算出が可能になったといいます。

同社では、以前は商品カテゴリ・フロア・店舗の軸から損益算出をしていました。Oracle EPM Cloud導入後は、新たに「販売チャネル」という軸を加えた、4次元の管理会計を可能にしています。

さらに、商品をカテゴリだけでなく、もう一段粒度の細かい商品分類別でも損益を算出できるようになりました。これにより、現在では商品ごとの売り上げや総利益に加えて、営業利益の分析も行っています。

損益算出に要する作業時間に関しても、これまで手作業で行っていた作業を、Oracle EPM Cloudで自動化できたことにより、約3割の時間短縮に成功しています。

綿半ホームエイド

長野県を中心に展開するホームセンターチェーン「株式会社綿半ホームエイド」。

同社が手掛ける「スーパーセンター事業」では、ホームセンター商材から生鮮食品までを取り扱うという、独自の販売形態を採用しており、商品を31ジャンルにまで細分化して管理する必要があるといいます。

一般的な会計ソフトにも管理会計の機能があるものの、細分化した商品を管理することが難しく、各店舗・部門で細かく確認するためには結局、Excelに頼ることになるというジレンマに陥っていました。

同社がOracle Fusion Cloud EPMの導入を決定した大きな理由は、多次元軸でデータを分析し、レポート作成できることでした。従来のレポートは、会計寄りの数字が多いものでしたが、Oracle Fusion Cloud EPM導入後は部門別・商品別など、数字を組み合わせて予算管理・管理会計できるようになったとのことです。

さらに、2週間かかっていた予算策定・作成の作業が、Oracle Fusion Cloud EPMの導入によりわずか2日に短縮したことも、大きな成果となりました。

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まとめ

今回は、統合業務管理(EPM)ソリューション「Oracle Fusion Cloud EPM」について、導入事例を交えてご紹介しました。店舗数が多かったり、取り扱い商品の分類が複雑だったりと、企業の事業形態は様々です。そのような企業における予算管理・管理会計などを助け、企業の意思決定を支援するソリューションとして、今後もOracle Fusion Cloud EPMの採用は拡大すると見られています。

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