BOMとは何か?基本情報の整理とシステム化に向けた課題を解説

 2021.01.08 

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製造業における在庫管理は、あらゆる業務プロセスの中でも非常に重要度の高い業務です。BOM(部品表)により適切な在庫管理を行うことで、余剰在庫の削減や欠品による機会損失を防ぐことが可能です。本記事では、BOMの概要や種類、システム化のメリット、導入の課題、おすすめの管理システムをご紹介します。

BOMとは何か?基本情報の整理とシステム化に向けた課題を解説

BOMとは何なのか?基本情報を整理して紹介

製造業の在庫管理に欠かせないBOMとは何を指すのでしょうか。まずはその概要や管理方法、種類について解説します。

BOMの概要

BOMとは「Bill of Materials」の頭文字を取った略語で、製造業における「部品表」または「部品構成表」のことです。主に、製造業などのモノづくりの現場において、ユニットおよび部品を管理するために用いられています。

BOMに記載されているのは、製品を作るために必要な部品のデータである「PN(Parts Number)」と、それぞれの部品が何に使用されるかを示すデータ「PS(Parts Structure)」の2つです。

在庫管理が業績に直結すると言っても過言ではない製造業では、部品および材料管理の効率化が求められます。そのため、BOMは製造業において欠かせません。また、部品における階層構造も視覚化されているため、製品の見積もりや設計、部品調達、製造、保守まで利用されます。

BOMの管理方法とは?

前述のように、BOMは見積もりから設計、調達、製造、保守までのプロセスで利用されます。一方、製造形態の違いなどにより、BOMの管理方法が異なることがあります。

  • サマリー型
    ひとつの製品を製造するのに必要となる部品・材料を並列に一覧形式でまとめたタイプです。柔軟性の高さが特徴で、部品の追加や仕様変更にも臨機応変な対応ができるため、試作品や1点のみの受注生産などに適しています。

  • ストラクチャー型
    部品・材料を一覧形式ではなく、製品の組み立て順序に沿って階層構造で管理するタイプです。部品データだけでなく、各プロセスにおける必要なデータや手順も管理できる点が特徴です。リードタイムが把握できる点もメリットです。

  • ハイブリッド型
    その名の通り、サマリー型とストラクチャー型を掛け合わせたタイプの部品表です。プロセスごとにそれぞれ適したタイプを用いることで、利便性が高くなる手法です。

  • パラメトリック型
    求められる複数の仕様データに基づき、BOMを自動生成させる方法です。オプションが多い、寸法が違うなど、複数のバリエーションを持つ製品の管理に適しています。

BOMの種類について

BOMは使用する用途によっても、いくつかの種類に分類されます。以下、それぞれの特徴を解説します。

  • E-BOM(Engineering-BOM)
    設計段階でのデータをもとにして、仕様に沿うための部品表です。CADなどの他システムと連携して作成することが多く、部品データだけでなく、仕様および技術データも管理されます。

  • M-BOM(Manufacturing-BOM)
    設計部門から渡された部品表に、加工プロセスや組み立て順序などのデータを追加した部品表です。生産計画の立案や指示を行うほか、部品の手配にも利用されます。

  • P-BOM(Purchasing-BOM)
    主に購買部門で部品調達の際に利用される部品表です。発注の際にも使用するため、部品ごとの価格や手配数、仕入れ先データなどが記されています。

  • S-BOM(Service-BOM)
    主に保守サービス業務において利用される部品表です。製品を購入した顧客を管理し、保守の履歴を記載するなどのデータ管理が行われます。また、保守サービスにおいて必要となる部品の発注管理もS-BOMで行われます。
    S-BOM(Service-BOM)
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BOMシステムの導入に向けて

部品管理を効率よく行うためにも、BOMシステムの導入が欠かせなくなりました。ここでは、システム化のメリットや課題、必要な機能を解説します。

システム化することのメリットとは?

BOMのシステム化で得られるメリットは、部品管理の効率化です。設計部門・製造部門・サービス部門までのBOMを一括管理することで、それぞれの部門で必要データの検索や共有、統合ができ、生産管理の効率化が期待できます。多品種少量化および短寿命化により、複雑化する製品などの管理にも効果的です。

また、紙媒体やExcelによる管理で起こる、入力漏れや二重登録などのヒューマンエラーを抑制することも可能です。さらに、一覧で見られることで検索性も向上し、ミスや間違いにも気が付きやすくなります。

システム化にあたっての課題とは?

設計や製造などの部門ごとに最適な独自のBOMを管理しているため、品番(品目)コードが一致しなかったり、仕様の記載方法が異なっていたりするなどの課題があります。そのため、システム化にあたり品番(品目)の採番ルールや仕様の記載方法について認識をすり合わせ、品番(品目)台帳を整備しておかなければなりません。その際は、管理対象の品番(品目)を洗い出し、管理対象の優先順位を付けて整備していくことが重要です。

システム化で必要な機能とは?

BOMシステムで必要になる機能は、主に以下の4つです。しかし、細かい仕様については各部門間で確認することが重要です。

  • 管理機能
    部品データを一元管理する機能です。設計や製造などの属性ごとに体系的な管理が実現し、部品表の矛盾や項目の重複も回避できます。

  • 更新機能
    部品表を自動的に更新できる機能です。仕様の変更や部品交換などが自動的に更新され、各部門でデータ共有できます。それにより、入力漏れや伝達漏れなどのミスを防げます。

  • 在庫管理機能
    製品の製造プロセスに沿った部品管理ができる機能です。どの部品がどの時点で必要なのかを把握できます。また、足りない部品やリードタイムの把握も可能です。

  • 製品管理機能
    製品を体系的に管理する機能です。また、部品表など、製品の製造における主要なデータの紐づけもできます。

BOMの単体管理から製造現場の全体管理へ

製造現場においては、設計・製造、販売まで、すべての業務プロセスを企業全体で把握できる全体管理が理想です。そのためには、BOMを含めた企業の経営データをすべて一元管理できるシステムの導入が欠かせません。

しかし、一度にすべてをシステム化することは現実的ではありません。まずは部分的に導入し、様子を見ながら導入範囲を広げていくスモールスタートがおすすめです。その際は、できるだけ専門家に相談し、スケジュールや工程を組むことが大切です。

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クラウドERP「NetSuite」でBOMをシステム化し効率化を実現

BOMを含む全体管理ができるシステムがERPです。ERPとは「Enterprise Resource Planning」の頭文字から取られた用語で、会社の「会計」「人事」「生産」「物流」「販売」に至るまでの業務を統合・効率化し、データの一元管理ができる基幹システムを指します。

全体管理が可能な「NetSuite」は、世界31,000社の顧客に利用されている、管理業務に特化したクラウド型のERPシステムです。BOM管理はもちろんのこと、財務会計管理や顧客管理(CRM)、Eコマースなどの主要機能をまとめた単一システムで提供可能です。もちろん段階的な導入にも対応できるので、それぞれの業務の継続性も保持できます。部品管理を最適化して業務効率を最大化するためにも、「NetSuite」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

BOM(部品表)は製造業において欠かせないものであり、あらゆる業務プロセスで利用されます。またシステム化により、部品管理および生産管理の効率化、人的ミスの軽減が期待されます。

製造現場では、BOMを含む会社全体の経営データを一括管理できるERPシステムの導入が理想です。オラクル社が提供するクラウド型ERPシステム「NetSuite」は、企業の業務形態に合わせた柔軟なシステム設計が可能です。ぜひ導入をご検討ください。

戦略的な経営を実現するクラウドERP NetSuiteが支える企業変革

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