基幹システムとは何か?ERPとの違いを説明

 2018.12.05  クラウドERP編集部

本稿では意外と知らない「基幹システムとERPの違い」について説明します。企業経営者の中には「基幹システム=ERP」という認識を持たれている方が多いかと思います。この認識は大方間違いではありませんし、ERPが広く浸透した現在において基幹システムといえばERPを、ERPといえば基幹システムを指すことが多いでしょう。

しかしながら、もともとは基幹システムとERPは別物であり、これを理解しているか否かで発見できる経営課題や、解決できる問題の数が違ってきます。その違いを、ぜひここで知っていただきたいと思います。

基幹システムとは?

「基幹」という言葉には「物事を成り立たせるための主要部分」といる意味があります。つまり基幹システムとは特定の物事を成り立たせるために欠かせないITシステム(とりわけ業務アプリケーションを指す)というわけです。企業の中での基幹システムはバックオフィスに集中しており、一般的な基幹システムとしては次のようなものがあります。

  • 財務会計システム
  • 生産管理システム
  • 販売管理システム
  • 購買管理システム
  • 在庫管理システム
  • 人事給与システム

いずれのITシステムも企業が経営活動を維持していく上で欠かせないものばかりです。

「では、顧客管理システムやマーケティングシステム等はどうなるの?」と考える方も多いでしょう。顧客管理を目的としたCRMやマーケティングを目的としたMAツール、コミュニケーション円滑化を目指すグループウェア等のITシステムに関しては「情報系システム」と呼ばれ、事務作業や情報処理を効率化するためのITシステムであって、必ずしも経営活動の維持に欠かせないものではありません。ビジネスに直接関与しないものが情報系システムです。(しかし、最近ではCRMやMAツールも経営基盤として必要不可欠になってきているため、その垣根は曖昧になりつつあります)

前述した6つの基幹システムは部門最適化がされている環境が多く、それぞれが独立した状態で稼働していて、異なるデータフォーマットと異なる帳票を持っていると場合がほとんどです。従来は部門最適化を進めることで業務効率を大幅にアップできると考えられてきましたし、実際にそれによって多くの企業が高い生産性を手にしましたが。

しかし今は違います。データが年々増え続け、消費者や企業の製品・サービスに対するニーズが非常に多様化したり、変化の毎日であるビジネス世界において部門最適化は大きな足かせになってしまっています。

ERPとは?

ERP(Enterprise Resource Planning:経営資源計画)とはもともと経営効率をアップするための概念でありマネジメント手法です。もともとは生産効率をアップするためにマネジメント手法であるMRP(Material Resource Planning)がベースになっています。

MRPは生産計画にもとづいて部品表と在庫情報から発注すべき生産資材の量と発注のタイミングを決定するものです。その後MRPⅡというマネジメント手法が登場し、MRPに人材・設備・資金など生産に必要な資源を全体的にコントロールすることを加えて、これを単一ITシステムに統合することを目指しました。ERPとはいわば、このMRPやMRPⅡを生産管理だけでなく、企業全体の資源に適用して全体的なコントロールをしようと考えたものです。

そしてその概念や手法を具現化したものがITシステムとしてのERPであり、今ではERPと言えば統合的なITシステムのことを指します。具体的に何を統合するかというと、前述した基幹システムを基本としてそれに加えていくつかの情報系システムも統合します。なので正確には「ERP=基幹システム」ではなく、「ERP=基幹システムと情報系システムを含む統合ITシステム」となります。

既存の基幹システム環境からERPに置き換えるメリット

ERPが世界中で浸透しているのは、既存の分断的な基幹システム環境に比べてたくさんのメリットを持つからです。では基幹システムをERPに置き換えるとどんなメリットがあるのでしょうか?

ヒト・モノ・カネの動きが見える

前述のようにERPは基幹システムや複数の情報系システムを統合したITシステムであり、統合というからには各ITシステムから生まれるデータを一元的に管理できることになります。それはつまり今までは難しかったヒト・モノ・カネといった重要な経営資源の動きが全体的に把握できるようになるということです。

ERPによくある機能が「経営ダッシュボード」です。これは各ITシステムから生まれたデータを一元的に管理した上で、あらゆる情報をシステム画面上に視覚的に表示するというものです。従って経営者は欲しい情報を欲しい時に、常に新鮮な状態で手に入れることができます。

データ連携による業務効率の向上

ERPでは各基幹システムと各情報系システムが相互に連携し合っています。データの受け渡しは非常にスムーズで、マスターデータも帳票も統一されるためITシステム間で連携が難しいという問題も解消されます。では、相互にデータ連携しているとどんなメリットがあるのか?

たとえば営業部門でCRMとSFA(営業支援システム)が同時に稼働していると、営業担当者のデータ入力負担はかなり大きなものになります。ただしERPならばCRMとSFAも相互にデータ連携しているので、1度のデータ入力でどちらのITシステムにも同じ情報が記録されることになります。そうすることで2重のデータ入力作業が無くなり、大幅に業務効率がアップするでしょう。

在庫適正化や調達費用の削減

ERPがある環境ではあらゆる情報が可視化されるだけでなく、情報の正確性も担保されるようになります。それは複数のITシステムが相互にデータ連携しているからです。2重のデータ入力や反映忘れといったミスが無くなるため、各ITシステムが持つデータはその信憑性が大きくなるのです。

そうなると在庫管理システムや調達管理システムに表示されているデータをいつでも信用できるため、ITシステム上のデータだけで物事を判断できるようになります。さらには無駄な在庫を持たなくなったり、必要以上に資材を発注することを防ぐこともでき、コスト削減になります。

生産工程の管理と適正化

ERPに生産管理システムが含まれていることは基本であり、従来のMRPⅡと比較してもその性能は大幅にアップしています。生産効率をアップするためには生産部門以外の部門でも、データ連携等に強く貢献しなければいけません。そのためERPがあることで様々なITシステムから生まれたデータを生産管理へ活かすことができ、生産工程の正しい管理や工程の適正化を図ることが可能です。

クラウドERPで更なるメリットを

現代ビジネスにおいてERPは欠かすことのできないITシステムですが難しい問題もあります。多額の初期投資、統合的ITシステム環境の細かいパラメータ設定、セキュリティを確保するための権限管理、導入後のシステム運用管理…。これらの問題は情報技術リソースを多く持たない企業にとって大きな負担になります。

そこで有効なのがクラウドERPです。インターネット経由で大規模な統合ITシステム環境を整えることができ、インターネット以外の特別なインフラは不要です。通常のERP導入に比べて初期投資も圧倒的に安価ですし、導入後のシステム運用管理負担もほとんどありません。

そのため近年では大企業でもクラウドERPを検討しているところが多く、中小企業にとっては少ない情報技術リソースで大規模な統合ITシステム環境を手にする有効手段になります。

基幹システムとERPの違いを理解したら、次は一般的なERPとクラウドERPの違いにも着目してみてください。

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