2025年の崖とは? 背景や対策ポイントについて解説

 2021.03.04  クラウドERP実践ポータル

  投資対効果(ROI)特集

IT化がトレンドなっているビジネスシーンにおいて、課題として指摘されているものに「2025年の崖」があります。

これは経済産業省のDXレポートによって提唱された言葉です。変化する時代に緊張感を持って経営活動を進めていくためには、2025年の崖の意味を理解したうえで課題解決に備えることが重要です。実際に多くの企業にとってこのレポートは、DX推進の問題となるポイントに向き合うきっかけとなりました。

そこで今回は、2025年の崖の意味や概要、課題となる点を解説し、多くの企業が解決策として取り組むべきことを紹介します。

2025年の崖とは? 背景や対策ポイントについて解説

2025年の崖とは

まずは、2025年の崖の意味についてポイントをまとめていきましょう。

経済産業省は、DX(デジタルトランスフォーメーション)について今後の課題となる点をまとめ、レポートとして発表を行いました。そのレポートでは、以下の内容が提唱されました。

  • DXの推進が図れなかった場合、2025年には最大で年間12兆円の損失が予想される
  • すでにその経済的転落は始まりつつある

DXの推進はすべての企業が認識すべき課題の一つとされ、その課題が日本全体でなされない場合は、DXは失敗に終わり、結果として莫大な経済的損失が「崖」として待っているということです。

そして実際に、すでにその崖への転落は始まっており、企業にとってDX化は急務だと指摘しています。レポートでは、これから企業が行うべきことについても、事細かにまとめられています。

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2025年の崖で企業が抱える課題

ここからは、2025年の崖を考えるにあたって多くの企業が抱える課題について詳しく見ていきましょう。

DXを考慮した経営戦略がない

多くの企業は、DXを考慮した経営戦略をあまり持っていないのが実情です。

DXの重要性を理解し、対策組織・チームの立ち上げの動きはあるものの、具体的にどのような活動を進めていくべきか、どのようにビジネスを変革させていくべきか、方向性を明確に定めている企業は少ないでしょう。現在は、多くの企業が周りの動向を探りつつ、方向性を模索している段階といえます。

また、経営層からDXに関する明確な経営判断をもらえないという背景も影響している可能性があります。DX化を推進していくために、企業は経営層の中でDXに関わるビジョンを確立する必要があるでしょう。

既存のITシステムの老朽化と複雑化

企業はITシステムの老朽化や複雑化について、課題が山積していることを認識する必要があります。従来のITシステムは、老朽化が指摘されるようになり、それらの肥大化はDX推進を邪魔する問題点となっています。

企業は時代の変化に合わせて、自社システムも再構築していく必要がありますが、以下のポイントもDX化が進まない要因として指摘されています。

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  • なんとか運用できていること
  • 移行失敗時のリスクが不安要素になること

システム移行には確かに業務的負担が増えるため、重い腰が上がらず、老朽化・複雑化したシステムを使い続けてしまっている企業も多いでしょう。しかしこの点についても、解消していく必要があります。

DX人材の不足

企業にとっては、DXを推し進めるにあたって適した能力のある人材が不足していることも大きな課題となります。

ほとんどの企業はソフトウェアやストレージ、ERPなどのシステムを使用する際、開発や保守などの運用・メンテナンスをベンダーに一任しています。これは自社の開発コスト・メンテナンスコストを抑えるうえでとても効果的ですが、IT知識・技術を備えた人材が自社で不足しやすくなるという課題が一方で生まれてしまいます。

また、DXを推進しビジネス形態を変革させていくためには、単純にエンジニアとして知識・技術を持っているだけでは不十分になる場合も多いのです。IT知識を正しく備え、新たなビジネスモデルを構築していける能力を持った人材こそがDX時代においては価値が高くなります。

当然ながらそういった人材は非常に貴重で、優秀な人材をそろえることは難しく、企業はDXを進めるのにあたって人材不足に悩むケースが多いといえるでしょう。

ユーザー企業とベンダー企業の関係

ユーザー企業とベンダー企業における関係性の悪化も、課題として指摘されているポイントです。

エンジニアの知識・技術を持った人材が不足している企業は、ベンダーに丸投げ状態でシステム運用を任せていることが多いのが特徴です。そのため、DXの推進についても、ベンダーに頼めばすべて解決するととらえている企業は少なくありません。

DXとなると、企業のビジネスモデルや新たなサービスなどにも関わってくるため、既存システムのメンテナンスを担当するベンダーからしてみれば、分野・担当の違いが問題となります。そのため、DXについてもユーザー企業から丸投げされると、実際には対応に苦慮するケースが見られます。

そういった要因がユーザー企業とベンダー企業の関係悪化を招き、DX推進の妨げになるでしょう。

2025年の崖に向けて企業がやるべきこと

2025年の崖で待ち受ける莫大な経済損失を免れるために、企業は積極的にDXを推し進めていく必要があります。しかし実際にはどのようなポイントを意識すべきか、対策を見いだせない企業も少なくありません。最後に、2025年の崖に向けて企業がやるべきことを整理していきましょう。

既存ITシステムの見える化

既存ITシステムについては、今後の刷新計画を立てるにあたって的確に「見える化」を行うことが不可欠です。

情報資産の現状について考え、機能別に刷新を推し進めていきましょう。その際に見える化を行っておくと、新システムに移行すべきことが明確になっていきます。

例えば、頻繁に変更が生じて負担のかかりやすい機能については、オンプレミスからクラウドへ移行することを検討してみましょう。また、見える化を実行した結果、不必要なシステムがあれば、廃棄することも大切です。そして新しく機能を追加する必要が出た際には、利便性が高くDX時代に適しているクラウド管理を検討しましょう。

DXを活用した企業の目指すべき姿の定義

DXを活用した企業とはどんな姿であるべきか、というポイントを企業全体で考え、目指すべき姿の定義づけを明確に行っておきましょう。

何でもかんでも最新システムを導入して設備を整えれば、DX化が完了するというわけではありません。自社のあり方はデジタル化に伴ってどう変化するべきかというポイントを具体的に考え、それに伴って必要な業務・部門・システム・事業内容を模索していくことが重要となります。目標や計画が定まっていない限り、企業はDX化を進めるどころか迷走の一途をたどるのみです。

また、ここで重要となるのは、「企業全体」という部分です。DX化と聞くとIT部門にすべてを任せがちですが、DXにはITのみならず経営層も含めた多くの部門が関わってきます。各部門の責任者を交えてミーティングを重ね、DXで自社が目指す姿を定めていきましょう。

ベンダー企業の契約関係の再構築

ベンダー企業と契約関係の再構築を図ることにより、悪化した関係を改善することもDX化においては重要なポイントになってくるでしょう。

開発からメンテナンスに至るまですべての作業をベンダーに一任した状態では、ベンダーとユーザーとの間で情報把握における大きな溝が生まれます。DX化についてベンダーに相談したい場合も話がまとまらず、関係悪化が重大な問題として浮き彫りになってしまうでしょう。

ベンダー企業に対してDX化のモチベーションアップを図るためには、リスクの軽減につながるような契約関係を再度築いていくことが必要となります。

要件定義を決定する際にもユーザーはベンダーに丸投げせず、用件定義工程と設計工程を分離させるなどの具体的な方法をとりましょう。ベンダーと良好な契約関係を築いていくことは、DX化を推進していくうえで企業にとって日々欠かせないポイントです。

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まとめ

DX化によって自社のビジネスを変革させ、さらにはビジネス環境をDX時代に合うものに整備していくことは、現代において欠かせない重要なポイントです。これらのことが適切に行われず、DX化が推進されない場合、日本経済は2025年の崖によって莫大な損失を計上することになるでしょう。

現代においては、そういった2025年の崖という壁を理解し、DX化の推進を明確に進めていくことが重要です。

しかし、実際のところ人材不足や既存システムの老朽化・複雑化、DXへの認識不足などが課題として指摘されています。DX時代に取り残されないためにも、企業は自社でできるDX推進の取り組みを強化していくべきといえるでしょう。

特にDXを目指すためには、クラウドERP製品の導入が必要不可欠です。DXを推進していきたいと考えている企業の方は、オラクル社が提供しているクラウドERP製品の導入を検討してみてはいかがでしょうか。ご興味がある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

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