工程管理はなぜ必要?実施する目的や具体的な手法について詳しく解説

 2022.04.28  クラウドERP編集部

新入社員、新規配属の方必見!ERP入門特集

自社製品の生産を効率的に行うためには、工程管理の実施が重要です。一方で、どのように行えば効果が上がるのか分からず、悩んでいるという企業も多いでしょう。工程管理には、ある程度決まった手法があります。適切な手法を覚えることに加え、クラウド型の工程管理システムなどを活用すれば、低コストで誰でも簡単に工程管理が可能です。この記事では、工程管理の概要や手法、役立つツールなどについて解説します。

工程管理はなぜ必要?実施する目的や具体的な手法について詳しく解説

工程管理の概要と目的

企業が製品を作るうえで工程管理は欠かせないものです。製造業だけではなく、期限のあるプロジェクトなどでも工程管理の重要性は変わりません。まずは工程管理の概要や実施の目的について解説します。

工程管理の基本的な考え方

工程管理とは、製品の生産に必要な一連の作業を効率的に行えるよう管理することです。工程とは、ある製品を作るまでの作業の順序のことを指します。工程全体で必要な設備や労働力、資材などを効率的に活用することを目指します。

企業が自社のリソースを無駄なく使うために必要な業務です。適切な工程管理はコストの削減や納期の遵守、品質の安定化などに貢献するでしょう。工程管理は、主に製造業の分野で用いられる言葉ですが、計画を立てて実行するプロジェクトであれば、どのような分野であっても工程管理は必要です。

なぜ工程管理をするのか?

工程管理の目的として主に以下の4つが挙げられます。

  • 納期を守るため
  • 品質を安定させるため
  • 生産性を上げるため
  • 費用を抑えるため

工程管理では、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を生産過程において、いかに活用するかを考えます。各工程でどれだけのリソースを費やすかを管理することで、効率的な運営を目指します。

経営資源を効果的に活用することで、生産性の向上やコストの削減が実現できるでしょう。また、生産性の向上は納期の遵守にも繋がります。加えて、生産工程が効率化すれば、製品の品質も安定するでしょう。

また、製品に問題がある場合、工程管理を見直すことで解決する可能性があります。リコールなどの問題が起こった際には、工程管理の見直しをすることが重要です。

生産管理との違いについて

工程管理と似た言葉に、生産管理という言葉があります。生産管理は、工程管理よりも幅の広い概念です。

工程管理では、生産工程のみの効率化を目指します。一方で生産管理では、製品の製造だけでなく、製品の販売計画から部品の仕入れ、出荷管理や売上管理など、製品が作られて売れていくまでの全てのプロセスを管理します。

生産管理の目的は、企業目標の達成です。企業目標を達成するためには、長期的な視野に立って製品に関わる全ての工程を管理する必要があります。この長期的な視野の有無が工程管理との大きな違いといえるでしょう。

また、工程管理は生産管理の一部です。生産管理によって企業目標を達成するために、工程管理という製造工程の効率化が必要だといえます。

NETSUITE DEMAND PLANNING
NetSuite 在庫管理

工程管理の手法

工程管理を行う際は、実績のある決まった手法を取り入れるのがよいでしょう。正しい手法を知ることで、より効果的に工程管理を行えます。ここでは、工程管理の基本的な手法について解説します。

基本的な手法「PDCAサイクル」

工程管理の基本的な手法は、PDCAサイクルを回すことです。PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(確認)」「Action(改善)」という4つの手順を繰り返すことで、徐々に業務の効率化を進めていく手法のことです。4つの頭文字を取ってPDCAサイクルと呼ばれています。工程管理におけるPDCAサイクルの具体的な内容は、以下の通りです。

  • Plan:生産計画を立てる
  • Do:生産計画を実行する
  • Check:計画通りに生産できたか確認する
  • Action:問題点を改善する

Plan(計画)では、生産計画を立てます。生産計画のポイントは、いつ何を製造するかを決めることです。自社のリソースや納期などを考慮しつつ、無理のない計画を立てることが大切だといえます。

Do(実行)では、生産計画を実行します。実際の場面では、生産計画の通りに工程が進むとは限りません。生産工程の進捗を常に監視し、トラブルが起こったら対処をしたうえで、次のCheckに繋げられるよう記録を取っておきましょう。

Check(確認)では、生産計画通りに工程が進んだかを確認します。生産計画と実際の生産状況との間でどれだけのギャップがあるかを確認し、その原因を探ります。

Action(改善)では、問題の改善を行います。Checkで見つけたギャップを埋めるための改善策を実施し、次の計画へ繋げることが目的です。このPDCAサイクルを繰り返すことで、工程の効率化を少しずつ進めていきます。

標準時間の設定

工程管理の手法として、次に重要なのが標準時間の設定です。標準時間とは、工程内の各作業を完了するのに必要な時間のことです。標準的な熟練度の作業者を想定して、1つの作業を行うのにどれくらいの時間がかかるかを考えて設定します。標準時間を設定することで、工程管理に必要な以下の情報を明確な数字で表すことが可能です。

  • 1つの製品を作るのにかかる時間
  • 人員1人あたりの1日の生産量

標準時間によって明確になった情報は、納期の遵守や生産性の向上に役立つものです。また、必要な人員や設備を計算するのにも活用できるでしょう。

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工程管理を円滑に進めるためのポイント

工程管理を円滑に進めるためには、いくつかのポイントを押さえて実施することが大切です。中でも重要なポイントは、工程の見える化と情報共有です。ここでは、工程管理に役立つ工程表やその他のツールについて解説します。

工程表で見える化を実現する

工程管理が適切に行われるよう、工程表を活用しましょう。工程表は工程全体を見える化するためのツールです。納期までの工程を表にまとめて見える化を実現します。工程表には、以下のような種類があります。

  • ガントチャート
  • バーチャート
  • グラフ式

ガントチャートは縦軸に作業項目を、横軸に進捗率を取った工程表です。工程の進捗具合を直感的に把握できる点が特徴として挙げられます。バーチャートは、縦軸に作業項目を、横軸に作業を行う日付を取った工程表です。スケジュールを把握する際に活用できます。グラフ式は、縦軸に進捗率を、横軸に日時を取った工程表です。作業の関連性も把握できる点が特徴で、曲線によって進捗具合を示します。

工程表には他にもさまざまなタイプがあります。必要な情報が直感的に把握できるようなものを選択しましょう。

工程管理に役立つツールを活用する

工程管理は関係者全員が共有できるような形で行う必要があります。情報共有を行うためには、ツールを活用しましょう。工程管理を行うためのツールには、以下のようなものがあります。

  • ホワイトボード
  • エクセル
  • 工程管理システム

ホワイトボードは簡単に扱えるツールです。大きなホワイトボード上に工程表を書くことで情報を共有します。コストがかからない点がメリットです。

エクセルを活用することで、マクロや関数を用いて工程管理ができます。共有しにくいというデメリットがある一方、コストや時間を節約できる点はメリットといえるでしょう。

工程管理システムは、工程管理に特化した専門のアプリケーションです。初期費用やランニングコストはかかりますが、情報共有を容易に実現できる機能が備わっている点はメリットといえます。自社の状況に合わせて、適切な工程管理ツールを選びましょう。

まとめ

工程管理は生産活動を滞りなく進めるために必要な業務です。適切な工程管理を行うためには、計画と実行を何度も繰り返し、少しずつ計画の精度を上げていくことが重要だといえます。PDCAサイクルを何度も回すことで、最適化を目指しましょう。

また、会社全体の経営資源について把握することも重要です。クラウドERPを導入することで、業務効率化を実現できます。クラウドERPに興味をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

戦略的な経営を実現するクラウドERP NetSuiteが支える企業変革

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