顧客分析に使える21のフレームワークとは

 2016.10.27  クラウドERP編集部

新入社員、新規配属の方必見!ERP入門特集

“顧客分析が上手い人”というのは、必ず何かしらのフレームワークを活用しています。フレームワークを活用することで複雑な分析をパターンに落とし込み、シンプルにすることで思考整理を早め、的確な分析が行えるようになるのです。

しかしフレームワークは非常に多く、一体どれがどれだか混乱してしまっている方も多いと思います。

NetSuite(ネットスイート)」をはじめとしたクラウドERPソリューションには、標準的に顧客データ分析の機能が含まれていますが、考察するのはやはり人に依存します。今回ご紹介するフレームワークを頭の片隅に置いていただき、役立ていただければと思います。

状況分析

3C分析

一言で表すと:競合他社と比較することで今後取るべき戦略が分かる

3C分析は「Customer(顧客)」「Compatitor(競合)」「Company(自社)」の3軸から現状分析を行い、自社の立ち位置を確かめ有効的な戦略を考えていきます。

顧客のフレームではターゲットの明確化。競合のフレームでは他社と比較して違うポイントを明確化(良い部分も悪い部分も)。そして自社のフレームでは他社と差別化できる部分を明確にします。

バリューチェーン

一言で表すと:顧客にバリュー(価値)を届けるまでのプロセスを整理し、差別化を図るポイントを明確にできる

例えばWebサイト制作会社には「企画>提案>設計>デザイン>構築>運用」という業務プロセスが、まるでチェーンのようにつながっています。そして「誰が?いつ?どのように?」バリューを提供していくのかを整理することで、差別化すべきポイントが見えてくるのです。

PEST分析

一言で表すと:経済情勢の把握からビジネスにおける将来的なチャンスとリスクを視覚化する

PEST分析とは「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」といった4軸で経済情勢を捉えます。

政治では法律改正や政権交代など。経済では景気動向やGDP成長率など。社会では文化や教育の変遷など。技術では新しいテクノロジーの登場などを整理します。

SWOT分析

一言で表すと:企業が置かれている現状を把握し、新しい戦略を打ち出す

SWOT分析とは「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4軸から現状分析を行い、有効的な戦略を打ち出していきます。

強みは他社と差別化できるポイントを。弱みは自社の課題を。機会では現在、あるいは将来的なビジネスチャンスを。脅威ではビジネスにおけるリスクを整理します。

アマゾフの成長マトリクス

一言で表すと:企業としての成長戦略ポイントを抽出できる

縦軸に製品を、横軸に市場を置き「既存製品」「新規製品」「既存市場」「新規市場」の4つのマトリクスを作ることで、今後の成長戦略を考えていきます。

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戦略立案

TOWS分析

一言で表すと:市場におけるポジションを把握し、具体的な戦略を立てる

SWOT分析における「強み」「弱み」を横軸に、「機会」「脅威」を縦軸に置きマトリクスを作成することで、現状分析を行いつつ具体的な戦略を洗い出すことができます。

大切なのはいくつも戦略を書き出し「実現可能か?有効的か?取り組みの優先度は?コストは?」を繰り返し考え、現実的な戦略を打ち出していくことです。

ビジネスモデルキャンパス

一言で表すと:ビジネスを構成する要素の関連性を整理し、ビジネスモデルを考えていく

「パートナー」「主要活動」「リソース」「コスト構造」「価値提案」「チャネル」「顧客との関係」「顧客セグメント」「収益の流れ」の9軸から自社のビジネス構成を整理し新たなビジネスモデルを考え、かつ有効的かどうかを具体的にはじき出します。

基本競争戦略

一言で表すと:今後注力すべき経営戦略の方向性を決める

基本競争戦略では以下の3つの戦略のうち、自社のポジションや競合他社の状況に応じて優先的に取り組むべき戦略を決定します。

コストーリーダーシップ戦略:コスト競争で勝っていくための戦略

例)新たな商品価値を提供しコストを下げずに販売してく

差別化戦略:差別化を図り競合他社に勝っていくための戦略

例)オムニチャネルで新しい購買体験を提供する

集中戦略:特定の事業にターゲットを絞り経営資源を集中させる戦略

例)若い市場にターゲットを定めトップになる

MECE

一言で表すと:戦略立案のために欠けている要素はないかを改めて考える

MECEとは「Mutually Exclusive Collectivery Echausive」の略であり、「もれなく、重なりなく」といった意味があります。戦略立案における具体的な要素を並べてみて、もれや重なりがないか確認することでより有効的なアイディアを生み出していきます。

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実行計画

7S分析

一言で表すと:ハード、ソフト面から経営資源を分析し適切な実行計画を立てていく

7S分析とは「Strategy(戦略)」「System(システム)」「Structure(組織)」といった3つのハード面。そして「Stuff(人材)」「Skill(スキル)」「Style(スタイル)」「Shared Value(価値観)」といった4つのソフト面、合計7つの軸で内部状況を把握し、適切な実行計画を立てていきます。

3つのハード面は外部環境の変化に弱い半面、短期的に戦略効果がでる特徴があります。反対に4つのソフト面では戦略効果が出にくい反面、外部環境に強いという特徴があります。

PPM

一言で表すと:複数の商品やサービスの中から今後注力すべきモノを把握し実行計画を立てていく

PPMは「Product Portfolio Management」の略であり、市場の成長性とシェアから成るマトリクス上に製品やサービスを配置し、経営資源の効率的な配分を考えていきます。

「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」の4つに分類し分析していきます。

プロダクトライフサイクル

一言で表すと:市場における各フェーズでの具体的な実行計画を立てる

プロダクトライフサイクルとは商品やサービスの導入から衰退までを4つのフェーズに分け、各フェースでのマーケティングを分類しいてくことで有効的な実行計画を立てることができます。

  • 導入期:ブランディングに注力する時期でマーケティングコストがかかりやすく、利益率が低い
  • 成長期:マーケットシェアが拡大し需要が増加する半面、競合参入も多くなる
  • 成熟期:商人やサービスのコモディティ化が始まり競合との差別化が重要になる
  • 衰退期:市場価値が低くなり売上が減少、撤退かイノベーションによる新しい価値を創造する

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企画提案

AIDMA

一言で表すと:購買までの心理変化に応じたコミュニケーション設計ができる

AIDMAとはAttention(注意)」「Interest(関心)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の5段階にユーザーの心理変化をモデル化し、コミュニケーション戦略を考えていきます。

各段階ごとに「ユーザーの心理状態」「コミュニケーションの目標」「コミュニケーション戦略」を考えることで、段階的に購買へと誘導していくことができます。

AISAS

一言で表すと:購買までの心理変化に応じたコミュニケーション設計ができる

AIDMA同様にユーザーの心理変化を段階的にモデル化したものですが、「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Search(検索)」「Action(購買)」「Share(情報共有)」の5段階でユーザー心理を読み解きます。

デジタル化した社会に適用した上で、購買後の情報共有も視野に入れたコミュニケーション戦略を取ることで、より高い効果を発揮します。

4C

一言で表すと:ユーザー視点で商品やサービスのマーケティング課題を構造的に理解する

4Cとは「Customer Value(ユーザーから見た価値)」「Customer Cost(ユーザーが支払うコスト)」「Communication(ユーザーとの対話)」「Convenience(商品やサービスの利便性)」の4軸でユーザー視点から商品やサービスを見つめ、特徴やマーケティングの課題を洗い出します。

そのうえでAIDMAやAISASなどでマーケティング戦略を立てていくと、現状に適したマーケティングを展開していくことができるでしょう。

ペルソナ

一言で表すと:ユーザーをより深く理解しユーザー視点に立ってマーケティングを展開できる

ラテン語で「人格」を表すペルソナは、マーケティングにおいて“自社がターゲットとする架空のユーザー像”を意味します。つまり、自社にとってのユーザーを架空に作り上げマーケティングの中心に据えることで、よりユーザー視点に立ったマーケティングを展開できるのです。

ターゲットとするユーザーの職業、役職、家族構成、趣味、休日の過ごし方、好きな音楽、好きなスポーツなど、とにかく細かくユーザー像を設定していき、あたかも一人の人間として考えそのユーザーの視点で企画を練っていきます。

ちなみにデジタル上でもリアルでも活用できる汎用的なフレームワークです。

カスタマージャーニーマップ

一言で表すと:ユーザーとのタッチポイントを視覚化しコミュニケーション設計ができる

カスタマージャーニーマップとはユーザーが商品やサービスの認知から、購買に至るまでの行動をマッピングしたものです。基本的にペルソナを合わせて活用されるフレームワークであり、ユーザーの行動を可視化することで最適なタッチポイントを把握することができます。

タッチポイントに合わせて最適なチャネルで情報提供をしていくことで、段階的に購買へと繋げることができるのです。

計画実行

5W1H

一言で表すと:抜け目なく計画実行するためのフレームワーク

5W1Hとは「What(何を)「When(いつ)「Who(誰が)「Where(どこで)「Why(なぜ)「How(どうやって)」の6軸でビジネスプロセスを組んでいくことで、抜け目のない計画実行が可能です。

すべてのビジネスに当てはまるフレームワークであり、ビジネスマンの基本とも言えます。また「How much(いくらで)」をプラスした5W2Hというフレームワークもあります。

PDCA

一言で表すと:プロジェクト管理を最適化しつつ継続的な改善ができる

PDCAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」の4軸でプロジェクトを管理し、より良い商品やサービス、あるいはマーケティングを実行していくためのプロセスです。

ほとんどのビジネスマンが実行しているにも関わらずなかなか上手くいかないフレームワークの一つでしょう。PDCAに対する誤解や、やり方が大きな原因の一つですが今回は割愛します。

また、最近では「Check」サイクルを回すCAPDというフレームワークもあり、その他多くの応用パターンが存在します。

5つの「なぜ」

一言で表すと:深層的な原因究明ができる

トヨタ生産方式に代表されるフれームワークの一つで、特定の問題に対し5つの「なぜ」をぶつけていきます。

なぜ①:なぜ新規顧客が増えないのか?⇒ハウスリストが不十分

なぜ②:なぜハウスリストが不十分なのか?セミナーやイベントの開催数が少ない

なぜ③:なぜ開催数が少ないのか?⇒レポート作業が多く他に手が回らない

なぜ④:なぜレポート作業が多いのか?⇒レポート作業が効率化されていない

なぜ⑤:なぜレポート作業が効率化されないのか?⇒効率化のための環境が整っていない

上記のように5つの「なぜ」をぶつけていけば、大抵は深層的な原因に辿りつくことができます。ただし原因を人為的なものにしてしまうと見当違いな場合が多いので注意しましょう。

ガントチャート

一言で表すと:プロジェクトの進捗率を直感的に確認できる

ガントチャートとは縦軸に「タスク」「担当者」「成果物」を置き、横軸に時間を置いていくことでプロジェクトの進捗率を一目で確認できます。自己管理のために利用しているビジネスマンも多いのではないでしょうか?

ガントチャートはエクセルでも簡単に作成できるフレームワークですが、プロジェクト管理において大切なのは柔軟性と共有性です。柔軟性とはタスクの変更などが簡単に行えるテンプレートであり、共有性はチーム内でシームレスに共有できる環境です。

こうしたことから最近ではガントチャートツールを導入している企業も多いと思います。

またクラウドERPソリューションでもガントチャートを提供している製品がありますが、全社的に情報共有できる環境と共に導入するのもいいでしょう。

まとめ

いかがでしょうか?顧客分析に使える21のフレームワークを紹介いたしました。大切なのはすべてのフレームワークを取り入れるのではなく最適なものをいくつか選び、取り入れるということです。

大切なのは目的に合わせてフレームをワークを選び、適切に活用していくことです。従っていくつかのフレームワークを積極的に利用し、自分なりに活用シーンを分けていくことをおすすめします。

また、すべてを顧客分析に取り入れる必要はありません。フレームワークも人によって合う合わないがありますので、使いやすいと感じたものを5~10程度持っていると確実に仕事効率が上がっていくでしょう。自分にとって使いやすいフレームワークをいくつか見極め、顧客分析はもちろん日頃の業務を加速させていきましょう。

今回ご紹介したフレームワークを活用し、NetSuiteなどのクラウドERPソリューションを使った顧客データ分析実施してみてください。

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