ERPにBPRの違いとは?関係性や必要性について

 2021.05.24  クラウドERP実践ポータル

近年、テクノロジーの発達に伴い、市場競争性は激化の一途を辿っています。このような社会背景のなかで、企業が競争優位性を確立するためには、経営データの活用と業務プロセスの本質的な改革が必要といえるでしょう。そこで重要となるのが、企業の基幹情報を管理する「ERP」と、古いビジネス構造を改革する「BPR」です。本記事では、「ERP」と「BPR」の違いについて見ていくとともに、それぞれの関係性や必要性を解説していきます。

ERPにBPRの違いとは?関係性や必要性について

ERPとは

ERPとは、「Enterprise Resource Planning」の頭文字をとった略称で、直訳すると「企業資源計画」を意味する用語です。端的にいえば、企業にとって最も重要な経営資源であるヒト・モノ・カネの情報を適切に管理し、有効活用するためのマネジメント手法を指します。広義では、経営資源を効率的に運用するマネジメント手法を指す概念ですが、近年はオラクル社の「NetSuite」のようなITシステムを指して、ERPと呼称するのが一般的です。

ERPシステムは、「財務管理」「人事管理」「生産管理」「在庫管理」「販売管理」など、企業の基幹情報を一元管理するシステムとして、業種や業界を問わず、さまざまな企業で導入されるようになりました。情報通信技術の発展によってIT化が加速する現代では、定量的なデータ分析に基づく経営戦略の構築が必要不可欠です。ERPは、部門ごとに点在していた経営データを一箇所に集約することで、組織全体における業務効率化と労働生産性の向上に寄与します。変化の加速する現代市場において、迅速かつ的確な経営判断を下すために、必須のソリューションといえるでしょう。

BPRとは

BPRとは、「Business Process Re-engineering」の略で、日本語では「業務プロセスの再構築」と訳されます。具体的には、既存の業務プロセスの本質的な改革と再構築を図るマネジメント手法です。「Re-engineering」は、ゼロからの再構築を意味します。つまり「業務改善」という部分最適ではなく、「業務改革」によって組織体制を再構築する全体最適を目指した概念です。

現代社会はIT化の恩恵を受け、かつてないほどの発展を遂げました。しかし、その裏で市場の競争性は激化し、企業業績の二極化が進んでいます。このような時代において企業が生き残るには、組織全体の本質的な改革が必須といえるでしょう。そのためには、時代遅れとなった業務プロセスを改革し、企業経営に関わるすべての事柄の本質的な見直しや再構築が重要です。このような状況から、BPRを活用した業務プロセスの本質的な見直しと再構築が望まれています。

ERPとBPRの違い

ERPとは、経営資源を統括的に管理し、有効活用するためのマネジメント手法です。企業の基幹情報を一元管理することで、組織全体の経営データを可視化し、定量的な情報分析に基づく経営戦略の構築につながります。BPRは、業務プロセスそのものにおける改革や再構築をもたらすマネジメント手法です。古い業務プロセスや組織体制を脱却し、新たな市場価値を創出することが目的です。端的にいえば、ERPの役割は「経営資源の最適化」であり、BPRの役割は「組織全体の業務改革」といえるでしょう。

近年、ERPは現代の企業経営に欠かせないシステムとして、大きな注目を集めています。特に製造業において必須のシステムであり、多くの企業が導入を進めているソリューションです。従来の製造業では、「MRP(Material Resource Planning)」という生産管理手法が主流でした。MRPは「資材所要量計画」と訳される、生産と仕入れを管理して最適化するマネジメント手法です。この生産や仕入れを管理するMRPを発展させ、財務情報や人事情報なども管理領域としたのがERPです。

ERPを導入する際はBPRも必要?

ERPとBPRは比較する性質のものではなく、それぞれが現代の企業経営において、必要不可欠なマネジメント手法です。役割は違えども、その本質的な目的は「企業価値の向上」にあります。企業とは、製品やサービスという価値提供を通じて顧客の需要を満たし、対価として利益を得て発展していく組織です。市場価値を創出し、社会に貢献することが企業の存在意義といえるでしょう。変化の加速する現代において、新たな市場価値を創出するためには、古い経営体制からの脱却が必要であり、それを実現するためのマネジメント手法がBPRです。

業務プロセスの改革を実現するためには、ERPによって一元管理された基幹情報が欠かせません。既存の業務プロセスや組織体制を改革するためには、現状を認識して企業の経営課題や問題を明確にする必要があります。明確な経営課題が把握できなければ、何を変えるべきかも見えてきません。ERPによって経営データを可視化することで、企業の現状を明確なデータとして客観的に把握できます。ERPとBPRは、連携することで相乗効果を発揮するマネジメント手法であり、ERPを導入することで、BPRの業務改革をより効率的かつ効果的に推進していけるでしょう。

現代のERP、BPRの在り方

現代は「情報爆発社会」と呼ばれ、時間や場所を問わず膨大な情報へのアクセスが可能になりました。今こそ情報の活用なくして、企業経営は成り立たないといっても過言ではありません。さらに、グローバル規模での市場競争性が激化しており、強い経営基盤の構築や合理的な業務プロセスが必要不可欠です。そのため、企業の基幹情報を統括管理するERPと業務改革をもたらすBPRは、現代ビジネスにおいて必須のマネジメント手法といえるでしょう。このような背景もあり、企業の基幹情報を管理するERPシステムを導入する企業が増加傾向にあります。

クラウドサービスの普及も、ERPシステムの導入が進んでいる要因のひとつです。かつて、1980年代後半から1990年代後半にかけて、BPRやERPの普及が進んだ時期が存在しました。しかし、システムの導入費用や維持費用、ベンダーへの依存など、さまざまな要因によって多くの企業は成果に結びつきませんでした。現代はシステム環境のクラウド化が進み、従来のオンプレミス環境よりもはるかに、低コストで効率的なシステム運用が可能です。そのため、クラウドサービスの需要は拡大し続けており、さまざまなベンダーがクラウド型のERPシステムをリリースしています。

BPRを成功させるにはどうすればいい?

BPRの導入を成功へと導くためには、2つのポイントがあります。それが「導入目的の明確化」と「PDCAサイクルを意識した運用」です。ここでは、BPRの成果を最大化するために、押さえておきたい2つのポイントについて解説します。

何のためにBPRを導入するのかを明確にする

BPRの成果を最大化するためには、導入目的の明確化が重要です。ビジネスに限らず、目的意識の強さは物事の成果を大きく左右します。一体、何を目的としてBPRによる業務改革を実行するのか、という明確な目的が必要です。そして、そのためには「経営理念」と「現状把握」の2つの要素が欠かせません。まずは、自社の経営理念やビジョンを組織全体で共有し、何のために事業活動に取り組むのかを知る必要があります。そして、現状を定量的かつ客観的に把握し、理念やビジョンを実現するために、何が足りないのかを知らねばなりません。この過程を経ることで、改革が必要となる業務プロセスや組織体制が明確になるでしょう。

PDCAサイクルを意識して運用する

BPRは、一度実施して終わりという性質のものではありません。業務プロセスや組織体制の本質的な改革を成功させるためには、PDCAサイクルを意識した継続的な改善が必要不可欠です。まずは、理念やビジョンと現状のギャップから目的を明確化し、定量的な分析に基づく計画を立案します。そして、実行によって得た結果を客観的に評価し、より良い形へと改善していくことが求められます。BPRの運用効果を最大化するためには、この「計画_x0008_(Plan)」→「実行(Do)」→「評価(Check)」→「改善(Action)」のPDCAサイクルを回し続ける、継続的な改善が必須といえるでしょう。

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まとめ

現在、国内のあらゆる産業が大きな転換期を迎えています。情報通信技術の驚異的な発達は人々の暮らしを大きく変え、利便性と豊かさをもたらしました。しかし、産業や経済の発展は競争原理の上に成り立っており、テクノロジーの発展に比例するかのように市場競争性は激化の一途を辿っています。そして、発展していく企業と淘汰されゆく企業の二極化が進んでいるのが実情です。このような社会背景のなかで、企業がイノベーションを創出するためには、従来の古い企業体制では困難と言わざるを得ません。

だからこそ、ERPによる経営資源の最適化と、BPRによる業務プロセスや組織体制の本質的な改革が求められています。ERPの役割は「経営資源の最適化」であり、BPRの目的は「組織全体の業務改革」です。この2つのマネジメント手法を連携させることで、定量的な情報分析に基づく経営戦略の構築が可能になります。変化の加速する現代において、企業が新たな価値創出へと至るためには、的確かつ迅速な経営判断が不可欠です。ぜひ、本記事を参考にして自社の経営戦略に活用してください。


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