ERPのアップグレードは時代遅れ、Oracle Soarって何?

 2019.04.17  クラウドERP編集部

グローバル標準のクラウドERP

ERPをアップグレードする時代は終わった。」そう告げているのは、大手ERPベンダーであるOracleが新しく提供する「Oracle Soar(オラクルソアー)」というアップグレードツールおよびサービスパッケージです。2018年6月5日に発表されたOracle Soarは、オンプレミスで稼働しているERPをクラウドへアップグレードするために様々な機能を提供します。

今回はこのOracle Soarについてご紹介します。

Oracle Soarとは?

オラクルではエンタープライズ向けのERPとした「Oracle E-Business Suite」を提供しています。財務会計システムや販売管理、サプライチェーン管理など、企業に欠かせない基幹系システムを大規模に統合したERP製品であり、世界中で高い支持を集めています。

Oracle Soarが提供するのは、このE-Business SuiteからクラウドベースのERP製品である「Oracle ERP Cloud」へのアップグレードを支援しています。他にも「Oracle PeopleSoft」から「Oracle SCM Cloud」へ、「Oracle Hyperion Planning」から「Oracle EPM Cloud」へのアップグレードをサポートしています。

このOracle Soarの発表に際し、Oracle社会長兼CTO(先高技術責任者)であるラリー・エリソン氏はこう述べています。

(Oracle Soarでは)オンプレミスのE-Business Suiteを新バージョンへアップグレードするよりも、Oracle Fusionへアップグレードする方がずっと簡単だ。そしていちどクラウド化してしまえば、それが最後のアップグレードだったと言えるだろう。なぜなら、それ以後のクラウドでのアップグレードは我々自身が自動的に行うことになるからだ

 

 

ラリー・エリソン氏自身、「最後のアップグレードになる」ということに対しその理由を「クラウドでのアップグレードは我々自身が自動的に行うことになるからだ」と回答しています。

なぜクラウドではアップグレードが無くなるのか?

「クラウド(クラウドコンピューティング)」を知らないという方は少ないでしょう。それほどに我々の私生活やビジネスに浸透している技術です。では、なぜクラウドで提供されているERPにはアップグレードが無いのでしょうか?

クラウドはインターネット上で提供されるサービスの総称であり、ユーザーはパソコンやスマートフォンを通じてそれを利用します。ユーザーはサービス提供のためのインフラ(サーバーなど)を意識することはないのですが、それはベンダーサイドで運用されているというだけであり、やはり実体はあります。

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ベンダーがERPを運用しているということは、アップグレードもパッチ適用もバックアップもベンダーが行うものとなります。もちろんセキュアな環境でのデータセンター管理も含まれます。これが、Oracle ERP Cloudへアップグレードするユーザーにとって最後のアップグレードになるという理由です。

Oracle ERP CloudへのアップグレードにおけるSoar利用の効果について

Oracle SoarがどのようにしてE-Business SuiteからOracle ERP Cloudへのアップグレードを実行するのか?Oracle Soarによるアップグレードはすべて自動的に行われ、まずはオンプレミスのE-Business Suiteの内容をスキャンしてカスタマイズ状況、データベースやメタデータの内容、ストレージ、メモリやCPUの種類などのコンフィグレーション(設定)データを収集します。さらに、それに合わせてOracle ERP Cloudを構成した後、オンプレミスからデータベースの内容を取り出し、変換し、ロードします。

Oracle Soarには、プロセス分析ツール、自動化されたデータと設定のアップグレードツール、統合ツールが含まれているほか、ユーザー企業が最良の形でアップグレードを進められるように支援する専門のコンシェルジュサービスも含まれています。さらにユーザーは「Oracle University」でOracleの新しい技術に関するオンライントレーニングを受講することができ、アップグレード後1年間は新しい技術がスムーズに導入できるよう、カスタマーサクセスマネージャーの支援も受けられます。モバイルアプリケーションからアップグレードの状況を監視できる機能も備わっているので、安心して見守ることもできます。

Oracle Soarのようなアップグレードツールは他のクラウドベンダーでも提供されています。たとえばAmazon Web Service(AWS)には様々な移行ツールのリポジトリである「AWS Migration Hub」が用意されています。これに対し、Oracleの北米アプリケーションコンサルティング担当シニアバイスプレジデントBeth Boettcher氏によれば、Oracle Soarはコンサルティングや教育を含めたより包括的なソリューションを提供しているといいます。

こうした機能やサービスによって、Oracle SoarはこれまでのERPのクラウドアップグレードからアップグレードコストを最大30%削減し、20週間程度の短期間でアップグレードを実現できるとしています。もちろん規模や環境によって違いますが、多くの場合その効果は絶大であるということに変わりはありません。

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ERPアップグレードの課題とは

ラリー・エリソン氏は「オンプレミスのE-Business Suiteを新バージョンへバージョンアップするよりも、Oracle Fusionへアップグレードする方がずっと簡単だ」とコメントしていますが、なぜERPのバージョンアップは面倒が多いのか?その理由の1つがユーザー企業個別に構築されたカスタム環境です。

E-Business Suiteをはじめオンプレミスで構築するERPのほとんどが、ユーザー企業ごとの要件に対応するためアドオン開発によってカスタマイズが加えられています。その程度はユーザー企業によってまちまちですが、いずれにせよERPバージョンアップ時にはすべてのアドオンに対して動作検証を行わなければいけません。バージョンアップ後のERPが、従来のアドオン開発に対応できるかどうかは未知数だからです。

そのためユーザー企業は検証環境を用意して、1つ1つのアドオンの動作検証を行い、問題が無いことを確認してから本番環境へアップグレードします。これに半年以上の時間を費やすことも多く、アップグレードだけで膨大な工数とコストがかかるのです。

それに対してOracle Soarのアップグレードはすべて自動的に行われますし、ユーザー企業ごとに異なるカスタマイズにも対応しているのが大きな特徴です。

ラリー・エリソン氏はE-Business Suiteに施されたカスタマイズに対しこうも述べています。

E-Business SuiteからOracle ERP Cloudへアップグレードすると、多くのカスタム機能が不要になるだろう。なぜなら、Oracle ERP Cloudの豊富な標準機能でカスタム機能を置き換えることができるからだ

つまりERPアップグレードの付きものである、アドオンの動作検証は不要であり、Oracle Soarが自動的に標準機能へ置き換えてくれます。そうすることでERPバージョンアップよりも圧倒的に少ない工数とコストでOracle ERP Cloudへのマイグレーションが完了するため、ユーザーにとって大きなメリットがあるのです。

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Oracle ERP Cloudのメリット

Oracle ERP Cloudはクラウドサービスですので、まず運用負担が大幅に軽減されるというメリットがあります。アップグレード対応はもちろん、日常的なシステム運用もオラクルが実施するので、ユーザー企業は自社のコア業務に集中することができます。

さらに、Oracle ERP Cloudを利用することでこれまでのビジネススピードをさらに高めることができます。海外拠点を持つユーザー企業ではグループ全体でのERP共有を可能にして、グローバル規模でのリアルタイムな経営状況可視化を実現するでしょう。経営者はいつでもどこでも会社の経営情報を確認できますし、エンドユーザーは場所やデバイスにとらわれないアクセスによって、新しいワークスタイルを実現することができます。

もちろん、Oracle ERP Cloudのメリットはそれだけではありません。他社のクラウド型ERPに比べて圧倒的な優位性として、アーキテクチャーが挙げられます。

この機会にOracle E-Business Suiteを導入している企業も導入していない企業もOracle ERP Cloudを検討してみてはいかがでしょうか。

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