中堅・中小企業にERPシステムは必要?導入するメリットを徹底解説!

 2021.05.12  クラウドERP編集部

[E-Book]データ主導の意思決定に勇気を持ち続ける

ERP(Enterprise Resource Planning)は、ビジネスの基幹業務システムを統合的に提供するパッケージウェアです。主に大手企業を中心に導入が進んでいますが、近年は中堅・中小企業でもERP導入が活発化しています。背景には中堅・中小企業ならではの課題があり、ERP導入によって課題解決を可能にしています。では、中小企業はEPR導入により、どのようなメリットが得られるのか、詳しく解説していきます。

中堅・中小企業にERPシステムは必要?導入するメリットを徹底解説!

中堅・中小企業が抱える課題

中小企業は資本金や従業員数で定義づけられていますが、日本の企業の実に9割以上は中小企業に分類されます。大企業は1割にも満たず、日本の経済を支えているのは中堅・中小企業と言っても差し支えないでしょう。しかし、経営規模の小さい中堅・中小企業ならではの慢性的な課題が以前から指摘されています。以下に挙げるように抱える課題は深刻です。

人材不足

学生の大手志向は依然として高いと言えます。事業規模の大きな会社は福利厚生や休日の取りやすさなど働きやすさをアピールし、企業名のブランド力もあるため、学生には魅力的に映ります。さらに少子高齢化の加速により、若年労働人口が減少していることも、中小企業の人材獲得を難しくしています。2018年に中小企業庁調査室が発表した中小企業白書・小規模企業白書概要によれば、あらゆる業種で慢性的な人材不足を抱えており、特に目立つのは建設業です。

参照元:中小企業庁調査室 2018年版中小企業白書・小規模企業白書概要 5P 2018年

生産性の低さ


先進国の中で日本企業の労働生産性の低さが指摘されています。たしかに2008年のリーマンショックで大ダメージを受け、企業の生産性は大きく低下しました。その後、大企業は生産性を回復させ、堅調に推移していますが、中小企業の水準は依然として低いままです。元々大企業と中小企業では労働生産性に開きがありましたが、その格差はますます広がっています。

参照元:中小企業庁調査室 2018年版中小企業白書・小規模企業白書概要 2P 2018年

システム不足・老朽化

今では顧客管理や生産管理などでITツールを導入している中小企業は多いですが、既存システムの更新や最新モデルへの切り替えはコストと手間がかかるため、先延ばしにしているケースが少なくありません。また、社会環境の変化により企業の内部統制の必要性が高まっていますが、既存システムでは対応できないこともあります。適切なITツールの導入や更新ができないために、労働生産性を低下させるという負のサイクルに陥っています。

後継者問題

人材不足だけでなく、後継者問題も大きな課題です。中小企業の経営者は創業者が多く、経営者が高齢化しても、適した後継者が見つからず、事業承継ができないまま廃業するケースが少なくありません。親族経営への依存、人材育成や事業承継対策の不足も原因となっています。

中堅・中小企業にこそERPが必要な理由

ERP導入により企業は組織内データを一元的に管理し、経営資源を効果的に活用できます。また、各部署の連携をシームレスに行えるため、社内のサポート体制を強化し、顧客サービスの質の向上にもつながります。このような導入効果は企業の規模にかかわらず、企業活動にとって重要です。では、中堅・中小企業こそERPが必要な理由とは何でしょうか?

中堅・中小企業はメリットを得やすい

組織の構造や業務フローがシンプルな中堅・中小企業の方が、業務の標準化や最適化をしやすくなります。そのため、ERP導入の恩恵を得やすいという利点があります。

低コストのクラウド型ERPの増加

ERP導入コストは高いというイメージがありますが、自社の業務にシステムをカスタマイズするのではなく、ERPに自社の業務をフィットさせれば、導入コストは抑えられます。また、最近は、低コストで導入できるクラウド型ERPも多数登場しているため、選択肢は増えています。

内部統制の強化に対応

大手企業だけでなく、企業全体で内部統制の強化の必要性が高まり、不正行為を未然に防ぐ対策が急務となっています。ERPを活用することで内部統制の強化を実現できます。

中小企業がERPを導入するメリット

中小企業がERPを導入するメリットを具体的に挙げます。後半はクラウド型ERPのメリットです。

Merit1.中小企業ならではの機動力を強化する

資本力を活かした大手企業のビジネス戦略と対等以上に渡りあうためには、中小企業のコンパクトさを活かしたスピーディかつ柔軟な経営活動が大きな武器になります。ERPでは、この機動力をさらに強化することが可能です。

よりスピーディかつ柔軟な経営基盤を作るためにはリアルタイムな経営資源可視化による、迅速な経営意思決定が必要です。そのためにERPは組織全体のあらゆる情報を可視化し、中小企業経営にさらなる機動力をもたらします。

Merit2.経営資源を可視化し、効率良く運用する

中小企業は経済面でも人事面でも経営資源に限りがあります。無駄のない経営資源運用が求められる中で、人手のみで効率化を実現するための環境を作るのは困難でしょう。ERPは財務会計、人事管理、在庫管理、購買管理などのヒト・モノ・カネという経営資源を全面的に可視化し、効率良く運用するための指針を示してくれます。

これまでに以上に無駄のない経営資源運用を目指すことで、利益率の向上や人材不足解消などさまざまな経営課題解決に取り組めるでしょう。

Merit3.月次決算を取り入れて財務体制を強化する

中小企業経営者の多くは、日々の業務に忙殺されて自社の財務体質について整理する暇がありません。しかし、現状の財務状況と将来的に必要になる資金などの情報を常に把握していないと、大きなビジネスチャンスを逃すことにも繋がります。

ERPが搭載している管理会計機能や財務会計機能によって、企業の財務状況をリアルタイムに可視化し、月次決算を簡単に取り入れて財務体制の強化に活用することができます。

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Merit4.短期間かつ低コストで導入する(クラウドERP)

ここからがクラウドERP特有のメリットです。クラウドERPが持つ何よりのメリットは、短期間で導入でき、かつ低コストで構築できることです。オンプレミスでERPを導入する場合は、インフラ調達から数えてカットオーバー(本格稼働)まで1年以上の期間を要することは珍しくありません。中小企業にとってこれは大きな負担です。

一方、クラウドERPではインフラ調達等は不要で、サービス契約をしてテスト稼働を経て、カットオーバーへと至ります。最短で3ヵ月以内でカットオーバーまでこぎつけるケースも多く、短期間かつ低コストな導入は財務面を圧迫せずに統合的なシステム環境を構築できます。

Merit5.運用保守にかける費用を削減する(クラウドERP)

クラウドERPはインターネット経由で提供されるサービスという特性上、ハードウェアメンテナンスやシステム運用はすべてクラウドERPベンダーが行います。ということは、ユーザー企業として運用保守にかかる負担はなく、オンプレミスERPでよくある年間保守費用等もかかりません。

ブラックボックス化しがちな保守運用費用を無くし、コスト体系が明確になることで予算計画も立てやすいでしょう。

Merit6.外部からのアクセスを可能にする(クラウドERP)

インターネット経由で利用するクラウドERPは、オンプレミスERPのように社内ネットワーク上でのアクセスに限定しません。たとえば経営者は出張先からでも自社の現状について正確に把握することができますし、営業マンは外出先から顧客情報の入力や日報作成が行えるようになります。

外部からのアクセスを可能にするだけで、ビジネスの幅が一気に広がるためERPを中心に据えてビジネス戦略を打ち出すこともできます。

Merit7.DXへの対応(クラウドERP)

“DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)”とは4つのプラットフォームを中心に据えて、企業のシステム環境やビジネスモデルをデジタル思考型に切り替える戦略です。

4つのプラットフォーム
A)クラウド
インターネット上で提供されるサービスの総称。2006年から急速に存在感を増し、今では企業インフラを指させる上で欠かせない技術

B)モビリティ
スマートフォン及びタブレットなど、世界中で爆発的に普及した小型携帯用端末

C)ビッグデータ・アナリティクス
これまで不要なものとして蓄積してきたあらゆる経営データを統合・解析することにより、ビジネスに有用な新しい知見を見出す

D)ソーシャル
既に世界中で数十億人ものユーザーが使用しているSNSをビジネスプラットフォームとして活用する

DXを意識したERP導入を検討することにより、急激に変化するビジネスへの対応を迅速に行ったり、2025年に発生するさまざまな経営課題や諸問題(2025年の崖)に対応したりするためのシステム基盤を手に入れられます。

Merit8.事業承継問題の解消に向けた取り組み(クラウド)

近年、中小企業で問題視されているのが“事業承継”です。経営者が高齢化しているにもかかわらず、後継者が見つからない、事業承継計画が遅れているなどの理由で多くの中小企業が廃業へ追い込まれる可能性があります。

この問題を解消するためにまず大切なのが「魅力的な企業づくり」です。後継者が引き継ぎたくなるような企業や、他社が買収したくなるような企業を創り上げることで事業承継にかかわる問題を解消します。

そのためにクラウドEPRが貢献することも多く、最新のシステム環境を構築してえることで魅力を高めたり、M&A(合併&買収)においてERPがあることで情報共有が行いやすくなったりと、さまざまな効果があります。

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中堅・中小企業におすすめのクラウドERP「NetSuite」

NetSuite」は世界で24,000社以上の顧客企業に導入されている、世界No.1のクラウド型ERPシステムです。顧客管理やEコマース、財務会計などの業務アプリケーションを単一のクラウドシステムで提供することが可能です。eコマースへの総合卸・小売・輸出入業の「プリアップ」や、特許・医薬・学術文献に関する専門情報のデータベース提供の「トムソン・ロイター」など、国内の中堅・中小企業でも数々の成功実績を収めています。

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まとめ

中堅・中小企業は人材不足や生産性の低さなどの慢性的な課題を抱えていますが、ERP導入によって課題の解決は可能です。むしろ中堅・中小企業のほうが組織や業務フローがシンプルで、業務効率化や最適化の恩恵を受けやすいメリットがあります。組織データを一元化することで経営資源の効率的な配分ができ、中小企業ならではの機動力を発揮できます。懸念されるコストもクラウド型ERPなら負担を抑えられるでしょう。中堅・中小企業におすすめのクラウドERPは「NetSuite」です。

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