ERPパッケージの市場シェアを解説

 2020.11.27  クラウドERP実践ポータル

近年では、さまざまなIT製品のクラウド化が進む中、ERPパッケージもクラウド化が盛んです。市場の動向を見れば、ERPパッケージはどのベンダーのシェアが大きいのか、そしてオンプレミス型とクラウド型のシェアにはどのような変化が起こっているのかがわかってきます。

そこで今回は、ERPパッケージの市場シェアを世界・国内両方の観点から見たうえで、ERPシステムのクラウド移行を検討する際に知っておきたいメリットや注意点をあわせて解説していきます。

ERPパッケージの市場シェアを解説

ERP市場全体としての傾向

ではまず、ERP市場全体の傾向について現状を整理していきましょう。

株式会社矢野経済研究所が2020年6月~8月に行ったERP市場動向に関する調査によれば、ERPパッケージ市場全体のライセンス売上高は近年増加傾向にあり、2020年以降もERP関連サービスは市場を拡大していくものとみられています。

また、同調査では、クラウド型のERPの需要が近年高まっていることを示しています。クラウドの概念に普及により、オンプレミス型ERP関連サービスの売上は、近年減少の流れを見せています。これに対してクラウドのERPパッケージクラウドの利用率は徐々に高まっており、2021年頃にはオンプレミス型を上回る見通しです。

その利用率の予測はオンプレミス型36.5%に対してクラウド型63.5%になります。クラウド移行への流れは進んでいましたが、新型コロナウイルス流行がクラウド化の流れを加速させるきっかけになったのは明らかです。長期的なコロナ禍は、ERPパッケージの市場動向にも大きな影響を与えています。

世界のERPシェア

では続いて、世界のERPシェアについて詳しく解説していきます。世界のERPパッケージの市場構成は、ベンダー別で以下のようにランク付けできます。

  •  1位: SAP社
  •  2位: Oracle社
  •  3位: Intuit社

トップシェアを誇るのはSAP社、そして2位にOracle社、3位にIntuit社と続きERPパッケージの市場は構成されます。では、それぞれのベンダーの特徴を見ていきます。

【SAP社】

ERP市場でトップを誇るベンダーは、SAP社です。SAP社はオンプレミス型のERPの代表ともいわれる有名なベンダーで、さまざまなベンダーがERP市場を構成する中でSAP社は6%の割合を誇ります。

SAP社はSAP S/4HANAという高度な機能を備えたERPシステムを提供しています。AI、機械学習、アナリティクスなどの高度インテリジェンステクノロジーが組み込まれ、高速なリアルタイム処理、シンプルなデータモデルを実現します。

【Oracle社】

Oracle社は、Oracle Fusion Cloud ERPやOracle NetSuiteなどを提供するERPシステムの代表的ベンダーです。特にOracle NetSuiteは、世界最大級の規模を誇るクラウドERPで、業務アプリケーションの一元化を低コストでの実現が可能となり、大きな魅力となっています。BIツールを備えたERPシステムでもあるため、経営活動における迅速なデータ分析も可能です。全世界で20,000社以上にも及ぶ導入実績もあり、信頼性も非常に高いといえるでしょう。

Oracle Fusion Cloud ERPも同じく業務プロセスの一元管理をサポートするERPシステムです。Oracle Fusion Cloud ERP (旧: Oracle ERP Cloud)は財務会計をはじめ、調達管理、プロジェクトポートフォリオ管理、リスク管理、統合業績管理EPM)などの管理系業務、そして製造や物流などの業務システムにいたる、企業活動に関わる全ての情報を一元管理するERP(Enterprise Resource Planning)です。クラウドサービスとして提供することにより、より柔軟な導入と運用を可能にするプラットフォームです。 オラクルは長年にわたりオンプレミス環境でのERPシステムの提供を行い、グローバルに展開する大規模な組織のお客様にも数多く利用していただいています。そしてこの実績豊富なオラクルのERPソフトウェアをクラウドサービスで提供することにより、より拡張性が高く柔軟な環境でご利用いただくことが可能になります。

Oracle Fusion Cloud ERPはその機能性の高さから、導入ユーザーからの評価である「G2 Crowd Gridサイト」のERP部門でLeaderの称号を得ているという高評価の実績があります。

【Intuit社】

Intuit社はアメリカで高い信頼を集めているベンダーです。アメリカだけに市場を絞れば、会計・税務・クラウドサービス関連の企業ではトップシェアを誇ります。クラウド会計ソフトウェアのQuickBooksは特に有名な製品です。早い段階でサービスのオンライン化を図ったことが、シェアを広げた理由の一つになっていると考えられます。

国内ERPシェア

では続いて、ERPシステムの国内シェアを見ていきましょう。

1位: SAP社

2位: Fujitsu社

3位: OBIC社

IDC Japan株式会社が行った2018年の国内ERM市場シェアに関する調査によれば、トップシェアを誇るのはSAP社、2位にFujitsu社、3位にOBIC社と続きます。

また、従業員規模別にシェア首位のベンダーを見ていくと、大企業が利用するベンダーはSAP社がトップとなり、中堅企業・中小企業のシェア首位のベンダーはどちらもOBIC社です。また、前年比で成長率の高いベンダーは大企業がOBIC社、中堅企業がOracle社、中小企業はOBIC社となっています。

では、国内トップシェア3社のそれぞれの特徴を見ていきましょう。

【SAP社】

SAP社は世界でもトップシェアを誇り、国内でもERP市場ではNo.1シェアとなっています。日本企業でもSAP S/4HANA ERPを導入している企業は特に大企業に多く、オンプレミス、クラウド、ハイブリッドどちらにも対応できる柔軟なシステムが高い評判を得ている理由です。

【Fujitsu社】

Fujitsu社は国内No.2のシェアを誇り、ERPシステム「GLOVIA」は特に高い導入実績があることで知られています。国内のERPとして40年以上支持され、業務統合の効果的なソリューションとなっています。会計、人事給、生産管理、販売管理など、あらゆるシステムを提供しており、スムーズな経営活動をサポートしてくれます。

【OBIC社】

OBIC社は国内No.3のシェアを誇り、中堅企業・中小企業からの支持が特に厚いことで知られています。管理会計、連結会計、外貨管理、生産管理、人事、BIツールなどさまざまな機能に対応するOBIC7は、各業界から常に高い評価を得ており、20,000社を超える企業への導入実績もあります。幅広いスケーラビリティが魅力となっており、単体企業からグループ企業まで業務プロセスの一元化を実現してくれます。

クラウドERPの人気が拡大?移行は検討すべき?

前述の通り、クラウドERPの人気は近年非常に拡大しています。

クラウドERPといえば、冒頭でも触れたように気軽な導入が可能なことに大きなメリットがあります。ERP自体はもともと導入コストが高いことで知られていましたが、クラウド化によってERPも低コスト・スピーディーな導入が可能となってきました。

また、新型コロナウイルス対策やDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れもあり、運営業務をベンダーに任せられるクラウド型の需要は今後も高まっていくでしょう。

しかし一方で、ネットワーク経由でシステムを利用するクラウド型の難点は、回線などの障害によって業務停止のリスクがあることです。ネット接続が不可になれば、システム停止によって大きな不利益を被る可能性もあります。クラウド化を検討する場合、デメリットもしっかりと把握したうえで、自社の業務内容に向いているのかなども考えて慎重に検討していくことが重要となります。

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まとめ

ERPパッケージはクラウド化の流れが近年、顕著にあらわれており、実際にクラウド移行を検討している企業も多いでしょう。現在はオンプレミス型のERPシステムがまだ主流となっていますが、今後はクラウド型の利用率がオンプレミスを上回る見通しもあります。

クラウド型は導入コストや導入までにかかる時間が少ないことが大きなメリットとなっています。ただ、その分ネットワーク経由になるため障害などのリスクが伴うことも認識しておく必要があります。自社の課題なども見つめなおしたうえで、クラウド化を検討していきたいところです。


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