弥生にERPはあるのか? 会計ソフトとERPの違い、製品の種類も解説

 2024.01.29  クラウドERP実践ポータル

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バックオフィス業務の効率化に役立つソフトといえば、「弥生」シリーズを挙げる人は少なくないはずです。弥生は数多くの製品をリリースしているため、ERPもあるのではないかと考えている人もいるかもしれません。本記事では、弥生にERPはあるのか、さらにはリリースされているデスクトップソフトなどについて解説します。

弥生にERPはあるのか? 会計ソフトとERPの違い、製品の種類も解説

弥生は会計ソフトを主力としたソフトメーカー

弥生(弥生株式会社)は、業務ソフトウェアや関連サービスの開発、販売、サポートなどの事業を展開する、1978年創業の老舗ソフトウェアメーカーです。なかでも会計ソフトは同社の主力製品であり、業界トップシェアの53.9%を誇っています。

会計ソフト業界のガリバーともいえる弥生ですが、現在のところERPを謳った製品は、同社からはリリースされていません。

参照元:事業内容 - 弥生株式会社【公式】

会計ソフトとERPの違い

会計業務を処理するためのシステムには、会計ソフトのほかにERPが挙げられます。両者の違いを簡単に解説します。

会計ソフトは、企業の財務部門が担当する会計業務に特化しています。損益計算書や総勘定元帳、貸借対照表をはじめとした文書作成機能を備え、財務状況や経営実績を適切に管理したり、財務レポートを作成したりできます。

一方、ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業の経営資源を一元管理できるシステムを指します。日本語では、企業資源計画または統合基幹業務システムなどと呼ばれます。会計管理のほかにも、顧客情報管理やプロジェクト管理、人事管理などの機能を搭載し、カバーする内容は広範囲に及びます。ERPに関して詳しくは以下の記事をご覧ください。

中小企業がERPから利益を得る7つの方法
失敗するERP導入プロジェクトの4大要因

弥生でERPを実現する「弥生シリーズ」の種類

弥生では、中小企業向けのさまざまなバックオフィス業務ソフトを弥生シリーズとして提供しています。弥生の製品は、パソコンにインストールして使用するデスクトップソフトの弥生24と、クラウドサービスである弥生オンラインに大きく分けられますが、たとえば弥生24だけでも7種類の製品がリリースされ、広範囲な業務をカバーできるようになっています。これを指して、弥生シリーズを「中小企業向けERP」と表現している記事もあるほどです。

現在、販売されている最新版では、クラウドとの連携でデータ共有やバックアップなどのサービスを提供しており、名称も「弥生(やよい)24+クラウド」となっています。以下では、弥生シリーズ7製品を紹介します。

弥生会計

中小企業を対象とした経理ソフトです。決算書の作成や記帳の自動化などの機能を備え、請求書と連携させることも可能です。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しており、安心して使えます。シンプルなインターフェースで誰にでもわかりやすいことが大きな特徴で、会計作業に慣れていない人でもスムーズに業務を行えます。製品の使い方はもちろん、業務に関することまできめ細かくサポートを受けられるのは、利用者には心強いサービスです。

弥生販売

仕入れや在庫管理、販売管理のほか、見積書・請求書の発行にも対応したソフトです。販売管理に求められる機能をひと通り備え、データの集計や分析レポートの作成も行えます。弥生会計同様にシンプルでわかりやすく、各種帳票や伝票の作成、入金・回収の管理も簡単です。

やよいの管理

顧客のさまざまな情報を一元管理できるソフトです。顧客の属性や販売履歴、来店履歴、対応履歴などを管理することが可能で、個々の顧客にあわせたマーケティングをサポートしてくれます。約30種類の業種別テンプレートが用意され、一般的な業種であれば、導入から運用までを簡単に行えます。そのほか、メールの一括送信や送り状の印刷などにも対応します。

やよいの見積・納品・請求書

インボイス制度に対応した見積書・納品書・請求書の作成ソフトです。メニュー画面はわかりやすく、複雑な設定もありません。作業に慣れていない人でも容易に請求書などを作成できます。カスタマイズ機能を使えば、業種や組織、取引先にあわせた帳票も簡単に作れます。PDFに出力した帳票を取引先にメール送信することも可能です。

やよいの給与計算/弥生給与

やよいの給与計算は、20人規模の小規模企業、SOHO、経理初心者を対象とした給与計算ソフトです。誰でも簡単に使いこなせる操作性の高さに定評があります。弥生給与は、従業員100人程度の中小企業を対象とした給与計算ソフトで、年末調整や各種集計表の作成、マイナンバー管理などの機能も備えています。

やよいの青色申告

65万円の青色申告特別控除に対応した、確定申告に特化したソフトです。手順に沿って入力・操作していくだけで、確定申告書を作成できます。e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用すれば、ソフト上から申告までを完了させることも可能です。クレジットカードや銀行明細などの各種データを自動的に取り込み、仕訳を行ってくれるAIを搭載し、申告書を効率的に作成できるようになっています。

弥生シリーズのメリット・デメリット

バックオフィス業務のサポートソフトとして高い知名度を誇る弥生シリーズですが、メリットだけでなく、デメリットもあります。

メリット

リリースされているソフトの種類が多いことは、弥生シリーズの大きなメリットのひとつです。たとえば、会計業務を効率化したいのなら弥生会計、時間をかけずに確定申告を行いたいのならやよいの青色申告と、自社の課題解決や目的に合致した製品が揃っており、必要なソフトを選んで導入できます。

弥生シリーズは、シンプルで見やすい画面デザインや、扱いやすい機能を採用し、パソコンや専用ソフトの操作に不安がある人でも使いやすいことが特長です。親切なナビ機能を搭載しているため、設定の仕方や機能の使い方なども操作しながら覚えられます。

デメリット

リリースされているソフトが多いことは、メリットであると同時にデメリットにもなります。多すぎるために利用者が「どれを選べばよいのか」と悩むこともめずらしくありません。また、デスクトップソフトの場合は、改正・新規制定される法令に対応するために、ほぼ毎年更新する必要があり、費用も手間もかかってしまいます。

出力できる帳票がソフトによって限定されてしまう点もデメリットです。たとえば、弥生会計で出力できるのは損益計算書と貸借対照表、月次推移表の3種類です。また、弥生販売とやよいの見積・納品・請求書では、双方に機能の重複があり、ソフトの選定を難しくしています。

弥生シリーズ同士でデータ連携する際に、若干の手間がかかるのもデメリットです。シリーズの別ソフト間でデータを連携させるには、インポート/エクスポートする必要があります。

全ての情報を一元管理したいならERP導入がおすすめ

弥生が提供してきたソフトは、おもに中小企業を対象にしています。これらは企業が抱える課題をピンポイントで解決してくれるものですが、そのために数多くの種類のソフトをラインナップせざるを得なくなっていました。

この問題を解決すべく、弥生が新たに立ち上げた新ブランドが、同社がポストERPと位置付ける「弥生Next」です。従来の会計はもちろん、商取引や労務、人事などまでを幅広くカバーし、バックオフィス業務の自動化を図るためのサービスです。2023年12月現在では「弥生給与Next」「やよいの給与明細Next」がリリースされています。

企業のもつ資金や人材、情報など、すべての経営資源の一元管理を考えるのであれば、ERPの導入をおすすめします。ERPなら販売管理から生産管理、会計管理までがひとつのサービスでカバーできます。

ERPを導入する際には、ぜひ以下のページもご参考ください。現在利用できるさまざまなERPの比較資料をダウンロードできます。

まとめ

弥生シリーズは製品の数が多いため、企業が抱える課題をピンポイントで解決できます。その一方で、数が多すぎて選定が難しかったり、定期的に更新作業を行わなければならなかったりするデメリットもあります。企業の経営資源を効率よく一元管理するのであれば、デスクトップソフトではなく、ERPを導入することをおすすめします。

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