物流・運輸業界におけるERPの導入理由と事例

 2018.11.28  クラウドERP編集部

ビジネスのIT化が進む中で、ERPの導入は企業規模を問わず必須と言っても過言ではありません。運輸・物流業界も例外ではないでしょう。IoTやAIの取り組み、セキュリティ性能の向上やランニングコストの削減、業務の効率化、標準化など、あらゆる側面からの見直しを図ることで劇的なパフォーマンスの改善が可能になります。厳しい競争化社会を生き残っていく上で、運輸・物流業界にERPを導入すべきなのはなぜでしょうか。ERPのメリットと実際の事例から考えいきましょう。

様々な業界で導入されるERP

ERPはこれまで様々な業界で積極的に導入され、現在は大企業の7割が使用しています。パッケージ型ソフトウェアやクラウドなど、多様なシステムの実装や改善が繰り返され、使いやすさも大きく向上しました。

ERP導入の基本的なメリットとして、情報が即座に共有されるため、全部門でリアルタイムの変化に対応できるという点が挙げられます。特にリアルタイムでの迅速な対応が求められるファッション業界やIT業界での導入が進んでいます。

それに追従するようにサービス業、製造業、建設・工事業など、管理レベルの向上と一括化によってスピーディかつ正確性の高い管理業務が実現されてきました。一方で、運輸・物流業界でのITの利活用に関する事項として、中小企業庁が求荷・求車システムの活用や配車管理システムの構築をあげており、ERP導入は一部にとどまっているのが現状です。

物流・運輸業界におけるERPの導入理由

ITの進歩によって商品の取引方法は変化してきました。それに伴って運輸・物流業界の取引も複雑化していますが、こうした時代の変化に適応することはビジネスチャンスとして捉えることもできます。激しい競争社会において、コストの削減と正確で効率の高い運輸業務を遂行することは企業にとって重要なファクターです。また、絶え間なく変化する社会環境に適応していくためには、適切な経営分析によって、現状を的確に見極める必要があります。こうした経営を実現するためには正確なデータを集めなければなりません。

多くの運輸企業はシステムの変更による混乱やコストを恐れて、古くなったシステムテクノロジーを使用し続けています。ERPを導入している企業が目指している顧客ニーズや価格モデルへの対応が遅れているという状況は、運送企業のビジネスチャンスを喪失していると言わざるを得ません。運輸業界は貨物輸送の4割以上を担うのにもかかわらず、他の業界とのIT格差が運輸業界の「ガラパゴス化」を引き起こしています。こうした状況が続くと、気付いた時には世の中のサービスレベルから著しく取り残されることにもなりかねません。

ERPに関するお役立ち資料

ERPを導入することによって配送管理や貨物管理などに加え、企業活動を一元化できるようになります。そうした環境を構築することができれば問い合わせにも迅速に対応できたり、所要時間を正確に算出したりすることもできます。さらに、ERPの導入は管理意識の高い企業であることを示し、管理に厳しい企業へのアプローチも可能になります。

物流・運輸業界向けERPでできること

具体的に、物流・運輸業界向けERPにはどのようなものがあり、どのように活用することができるのでしょうか。ここではその一例を紹介します。

物流・運輸業界向けEPRでは、配車業務を効率化するために運転日報入力、請求情報、経費等の必要なデータ管理を一括で行うことができます。同時に、一運輸ごとに必要な詳細情報の入力ができ、きめ細かい業務の処理が可能となります。また、運賃表の設定を行うことによって必要金額の計算も自動化できます。他にも受注状況と配車状況を把握し、運行指示書の作成やGPSを利用した運行状況の把握なども可能になります。

リアルタイムで運行データを把握することによって人件費、燃料費コストの削減が期待できます。また、上記データを共有することで日報入力時間や、転記・入力時のミスが削減され、給与管理システムと共有することで、給与計算も簡単にでき、経理の人件費を安く抑えることができます。

このように、すべての工程を同一のERP上で行うことによって大幅な業務の効率化、簡略化、ミスの削減などの業務改善が図られます。 ERPは企業ごとにカスタムできるように設計されているので、例えば燃料費削減とドライブレコーダーによる安全管理に特化したERPもあります。これはアイドリングやエンジン回転と速度の解析によって徹底的な燃料コストの削減を可能にします。他にもドライブレコーダーのデータは安全性の向上やハザードマップの作成にも利用できます。アルコールチェッカーなどと連携し、コンプライアンスを高めるERPも開発されています。

ERPの導入事例

前述のようなERPを導入した事例では、実際にどのような成果を上げることができたのかを紹介しましょう。

社員約40名が所属するA社はエクセルでの煩雑な業務から脱却するためにERPを導入しました。運送業社の中には、特殊車両の通行許可申請で積荷の図と、交差点でのトレーラーの旋回軌跡図が必要になった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。A社はERPを導入したことで、手書きで行っていたこれらの図の作成を半自動的に描けるようになったため、作業時間が大幅に短くなったそうです。

また、運送業を営むB社は取り扱う貨物の量が多く、1日数百行ものオーダー票の情報を入力する必要がありました。これを手作業で入力していたため、入力ミスが起きたりして非常に手間のかかる業務でした。しかし、ERPを導入することでオーダー表の情報が、そのまますべてのシステムに共有されるため、入力ミスがなくなったそうです。さらに、1ヶ月先のオーダーが来たとしても、その日のうちに入力しておけば、通常の業務に反映されるため非常に便利になったとのことです。

C社は30名程度の従業員を抱える運送業社です。C社はERPの導入によってトラックごとの収支を把握し、その業績に応じた業務給をドライバーに還元しました。ERPによって業績が視覚化されることで、ドライバーの意欲が向上し、業績が向上したそうです。 他にも、近年労働基準法などの法規制が厳しくなり、コンプライアンスの徹底は不可欠とも言えます。それに対応したERP連携機器(アルコールチェッカーやドライブレコーダーなど)を取り入れることによって、ドライバーの状態や配送状況をリアルタイムに管理することでコンプライアンスに基づく業務遂行を行うことができるようになったという事例もあります。

このように、ERP導入によって現代特有の多様な問題への対処に成功し、理想的な業務基盤を構築している企業が増えてきています。

導入を検討する際に考えるべきこと

このように多くのメリットがあるERPですが、導入におけるリスクがゼロというわけではありません。導入に失敗しないためにも、事前に準備をしっかり行うことが大切です。

まず、ITにできるだけ精通したプロジェクトリーダーを選出しましょう。ベンダーが担ってくれる部分も多くありますので、過度に詳しい必要はありません。業務要件の適切な理解と整理ができて、会社についてよく把握している人物を選任することが大切です。

また、信頼できる製品とベンダーを選ぶことも重要です。長期的なコストダウンが見込めるとは言え、あまりリサーチせずに早急に決定してしまうことは非常に危険です。また、導入後にはユーザー企業に合わせたカスタマイズなど、ベンダーの技術サポートも不可欠となってきます。ERP導入の目的を明確にして、適切な製品と技術力のあるベンダーを選びましょう。

まとめ

企業のIT化や市場規模の拡大によって業務が多様化し、運輸・物流業界もたくさんの問題を抱えるようになりました。システムをIT化することは生き残り戦略として有効な手段です。早急な導入はできないとしても、早い段階でERP導入の検討を開始し、各企業に最も合ったタイミングで導入を行うことが大切です。ERPの導入はビジネスチャンスを拡大する手段のひとつとして視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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