顧客ロイヤリティとは?その意味や重要性から向上のためのヒントまで解説

 2021.01.18  クラウドERP実践ポータル

顧客ロイヤリティはメディアやネットの情報でも頻繁に取り上げられ、今やマーケティング戦略に欠かせない概念です。しかし、概要だけ知っているだけでは、効果的に活かすことができません。そこで、この記事では顧客ロイヤリティの意味やメリットといった基礎知識から、それを向上させるための具体策まで、実践に役立つ情報を紹介します。

顧客ロイヤリティとは?その意味や重要性から向上のためのヒントまで解説

顧客ロイヤリティの意味

顧客ロイヤリティは顧客ロイヤルティとも言われ、顧客の企業やブランドに対する愛着、親しみ、信頼を表します。さらに、顧客の愛情・信頼・信用といった感情を表す「心理ロイヤリティ」と、サービスや商品を繰り返し利用したり人に勧めたりする行動を表す「行動ロイヤリティ」に分けられることもあります。

似たような意味を持つマーケティング用語に「顧客満足度」(CS)があります。これは購入した商品やサービスに対して感じる満足度です。

顧客を満足させることはビジネスの基本ではありますが、単に満足度のみが高くても、次回購入時には他社の商品を選ぶ可能性もあり、継続した購入が期待できるとは限りません。他方、顧客ロイヤリティは商品やブランドへの信頼や愛着を表すので、多くの競合商品から自社商品を選んで継続的に購入してもらえることが期待できるのです。

顧客ロイヤリティを高めるためには顧客満足度だけでなく、購入時の対応、プロセス、ブランドイメージなど総合的な満足度を継続的に高く保つ必要があります。

顧客ロイヤリティについて考える重要性

企業の売り上げを伸ばし、さらにそれを継続させるためには顧客ロイヤリティの考慮が重要です。なぜなら、顧客ロイヤリティが高ければ競合商品やブランドとの競争力も高まり、顧客の離脱や乗り換えというリスクを減らせるからです。

実際に購入額が多い、または長く継続して購入している顧客の中には、顧客ロイヤリティが低い人も多く存在します。その場合は「どこで買っても同じだからなんとなく」とか「乗り換えるのが面倒だから」という理由で買い続けているにすぎません。商品やブランドに特別な愛着はないため、より安い商品の発売やキャンペーンをきっかけとして競合他社に乗り換えられ、離脱するリスクが高いのです。

顧客ロイヤリティが向上すれば、企業の成長に欠かせない以下のようなメリットをもたらします。これらのメリットによって、安定的な継続利用を確保できるでしょう。

リピート率アップ

どのような商品・サービスにおいても競合各社が次々と参入し、市場が成熟してくると、差別化は難しくなってきます。価格もサービスも似通ってきて、顧客にとっては「何を選んでもあまり変わらない」ことになってしまうでしょう。この状態では、わずかなきっかけで顧客が競合相手に流れてしまうリスクが常にあります。

こうした状況でも顧客のリピートを確保するために、顧客ロイヤリティを高く保つことが大切です。どの商品・サービスの内容も似ているのであれば、愛着のある商品、ファンであるブランドのものを継続して利用しようという顧客心理が働きます。引き続き顧客の期待を満たす商品やサービス、対応を提供することで、顧客ロイヤリティを保ち、リピートを確保できるでしょう。

最近はサブスクリプションサービスも増えていますが、この契約継続についても、同じく顧客ロイヤリティの高さが重要と言えます。

顧客単価向上

リピート率のアップに伴い、顧客単価の向上も見込めます。新規顧客はいきなり高額商品を購入しにくいですが、継続顧客であれば、次はよりランクの高い商品、より高価な商品を購入する確率が高くなります。

また、その商品に対する満足度が高く、ブランドや企業自体への信頼を確保すれば、関連した商品の購入も期待できるでしょう。顧客ロイヤリティの向上によって、リピート購入だけでなく、上位商品・サービスへのアップセルや同ブランドにある別商品へのクロスセルにつながることが期待できます。

口コミ発生

顧客ロイヤリティの強みは、顧客が自分で満足するだけでなく、愛着心から他人に商品を勧めることが期待できる点です。SNSが盛んな現在では、ロイヤリティの高い顧客による商品へのポジティブな発信によって、好意的な口コミが広まる可能性もあります。
口コミによって、マーケティングの中でも難しい新規顧客の獲得につながることもあるでしょう。

顧客ロイヤリティを高めることで、インターネットによる口コミの効果も飛躍的に上がります。その反面、ロイヤリティ低下による影響も大きいので、注意が必要です。

顧客ロイヤリティの指標「NPS」

顧客ロイヤリティは、顧客の愛着、信頼といった内面の要素であるため、正確に測ることが困難です。それを数値化するために、アンケート調査による計測が一般的に行われています。アンケートの結果から、「顧客満足度」「必要度」「カスタマーエクスペリエンス(CX:顧客体験価値)指標」「リピート意向」など、さまざまな指標が導き出されます。

その中でも、業績との相関性や汎用性が高いとされ、大手企業でも広く導入されているのがNPS(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)、日本語で「顧客推奨度」と言われる指標です。計測方法が簡単で、結果の信頼性も高いこと、多くの企業で導入されているため他社との比較までしやすいことから高い支持を得ています。測定はやはりアンケートによって行います。

顧客に、「利用した商品やサービス(企業/ブランド)を知人に勧めたいか」を問い、0~10点の11段階で回答してもらいます。その結果、6点以下をつけた顧客を「批判者」、7・8点をつけた顧客を「中立者」、9・10点をつけた顧客を「推奨者」と分類します。そして、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値がNPSです。

例えば、ある商品・サービスの批判者が10%、中立者が30%、推奨者が60%だとすると、NPSは60-10で50となります。推奨者が70%、批判者が20%でも、同じく50になるので、その内容をよく吟味する必要があります。

顧客ロイヤリティ向上のためのヒント

効果的・継続的に売り上げを伸ばすために、顧客ロイヤリティを上げるにはどのような取り組みが必要なのでしょうか。具体的な対策のヒントを紹介します。

NPSの活用

効果的・効率的な顧客ロイヤリティ向上を維持するには、顧客心理を数値化し、データとして定量的に把握・分析することが重要です。それにより、顧客がなぜ、どこに愛着や信頼を感じているのかも把握でき、とるべき対策も明確になります。

より正確に実情を把握するために、アンケートによってNPSをはじめとしたさまざまな指標を多角的に集め、それをもとに顧客リストを作りましょう。指標を分析することで顧客ごとに求めているものが明確になり、誰が顧客リストを見ても、等しく顧客に合わせた対応ができます。

個別対応による印象アップだけでなく企業全体のロイヤリティを向上させるには、NPSをもとに顧客をセグメント化し、推奨者を増やす、批判者を減らすといった対策が必要です。推奨者はどこを気に入ってくれているのか、批判者は何を不満に思っているのかを総合的に分析し、優先的に対策を取るターゲットを決めましょう。

カスタマーエクスペリエンスの改善

カスタマーエクスペリエンス指標のチェックも顧客ロイヤリティ向上に関する重要なポイントです。日本語では「顧客体験価値」と言われ、顧客が商品やサービスを利用するにあたって得る一連の体験を表します。

NPSの改善は、顧客ロイヤリティを数値化したデータの分析によって行います。これに対しカスタマーエクスペリエンスの改善は、体験について寄せられたニーズや感想を受けて、直接的な接客や対応を修正することで行います。顧客ロイヤリティは顧客の感情や心理によるため、直接的な対応が重要です。また、サポートや購入前のプロセスなど、直接顧客の目に触れない部分でも改善できる箇所がないかをチェックしましょう。

アプローチの工夫

業務の改善を通して顧客の不満をなくす一方で、顧客の満足度を上げる施策も重要です。ファンとなった顧客が離れないよう、顧客それぞれにパーソナライズしたアプローチを継続しましょう。例えば、優良顧客を囲い込む会員制システムを構築し、会員限定のキャンペーンやポイントなど、優良顧客だけのメリットを提供することが考えられます。

また、CRM(Customer Relationship Management:カスタマーリレーションシップマネージメント)を利用するのもよい方法です。CRMは日本語で「顧客関係管理」などと訳され、顧客を中心に考えて利益の最大化を目指すマネジメント手法です。最近では戦略的に顧客管理をするITツールを指します。

このツールを導入すれば、顧客の購買状況を目視できます。それにより例えば、しばらく利用の途絶えている顧客へリピートを求めるメールとともにクーポンを添付するなど、個別対応も可能になります。

SNSの利用

企業やブランドとしてFacebookやTwitterなどのSNSにアカウントを作り、情報発信するのも顧客ロイヤリティ向上に有効です。こちらから発信するだけでなく、顧客とつながり顧客からの声を受けることもできるので、項目があらかじめ決められたアンケートからはわからない顧客のニーズや潜在的な意見を把握可能です。

SNSはコストもかからず簡単に導入できるうえに、多くの人が利用し口コミ効果も高いので、積極的に活用するといいでしょう。ただし、マイナスイメージもあっという間に広まるので、発信内容には慎重な吟味が必要です。

この記事で取り上げたデータ管理やCRM の活用は、それぞれバラバラに取り組んでは効率が悪く、一元管理することで効率的に成果を上げられます。データの一元管理には、業務全体を統合的に管理できるNetSuiteのようなビジネス管理ソリューションの活用が便利です。

NetSuiteでは、クラウドERPにより会計ソフトを軸としつつ、営業・サービス・在庫管理・受注管理・Eコマースなど、すべてが1つのソリューションで提供されます。クラウドの活用により導入もスムーズで、IoTやリモートワークへの対応も容易です。

NetSuiteで得られるビジネスデータは一つの統合されたデータ基盤に保管され、従業員はそこにアクセスすることで経営情報や顧客情報がわかります。これにより企業と顧客との接点を強化し、顧客ロイヤリティの中長期的な向上を強力にサポートします。このようなシステムの導入も、中長期戦略として非常に効果的です。

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まとめ

顧客ロイヤリティ向上は、マーケティング戦略に不可欠な要素です。顧客の主観という曖昧な情報でも、さまざまな指標を活用することで具体的に数値化し把握できます。そのデータをもとに顧客ごとの細やかな対応改善を行い、企業全体として顧客ロイヤリティを向上させる効果的な戦略を立てましょう。

顧客ロイヤリティの継続的な向上には、NPS やカスタマーエクスペリエンスといった指標の活用、SNSの活用、あるいは会計ソフトなどと合わせた統合的なソリューションの導入による企業全体での取り組みといった方法があります。業務状況に合わせ、最適な方法で顧客ロイヤリティをアップし、競合他社に負けない堅固な売り上げの基盤を構築しましょう。


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