顧客管理システム:8つのポイントで基礎解説

 2016.10.19  クラウドERP編集部

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顧客管理システム(CRM)の重要度は組織規模に関係なく、すべての企業にとって不可欠なシステムだと言えます。

しかし、そもそもCRMとは何なのか?何のために必要なのか?この点をしっかりと理解していなければ適切な活用は難しいでしょう。

今回はそんなCRMの基礎を8つのポイントにわけて紹介していきたいと思います。

そもそもCRMとは何か?

CRMを単なる“顧客情報管理システム”と認識していることが多いようですが、正しくは顧客との関係を構築・維持するためのシステムです。

単なる顧客情報の管理ならExcelで十分異なります。CRMはさらに高次元な顧客管理を実現するためのシステムなのです。

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関係を構築・管理するとはどういうことか?

顧客との関係を構築・管理するということは、つまるところ顧客とのコミュニケーション状況を管理することを意味します。

例えば見込み客における担当者、決裁者、稟議のプロセス、現状課題、商談進捗などなど、管理項目は様々です。こうしたコミュニケーション状況を管理することで、見込み客をより深く理解し、より高品質なサービスを提供することができます。

もちろん、既存顧客においてもコミュニケーション管理の重要性は変わりません。

CRMを導入するメリットとは?

メリットについてはいくつもありますが、最も大きいのは新規顧客獲得と既存顧客のLTV(顧客生涯価値)向上でしょう。

見込み客とのコミュニケーション状況を管理し、他社よりも高品質なサービスを提供できれば自然と自社製品に目を向けてもらえます。また、信頼関係を築くことでより確実に新規顧客を獲得していくことにつながるでしょう。

既存顧客のLTVとは、取引などの関係を持っている期間を通じて、顧客が自社にもたらす利益のことです。コミュニケーション状況を管理することで既存顧客に対してもより高品質なサービスを提供し、ロイヤリティ(愛着心)を高めていくことができます。ロイヤリティが高まれば自然とLTVも高まっていくので、売上拡大に貢献できるというわけです。

その他のメリットについても簡単に紹介しておきます。

情報共有が効率化される

顧客の属性情報や商談状況などをシステム上にデータとして残しておけば、他者と簡単に共有することができます。また、システム上で報告書が作成できるので業務効率化にも。

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営業部全体でセールスに取り組める

部内の情報共有が促進されれば、自然と連携を取りやすくなります。属人的になっていた営業活動も部全体で取り組むことができるでしょう。

顧客対応の迅速化

顧客からの要望や問い合わせ、クレームなどがあった際は、過去の情報が対応を迅速化させます。過去の顧客情報や商談情報があれば迅速な対応ができ、ひいては顧客満足度の向上につながるのです。

CRMのデメリットとは?

CRMの導入においてデメリットとなるのはやはり導入コストです。システムを一から構築すると考えると、サーバ調達やスクラッチ開発、あるいはパッケージの購入などを考えると数百万円~数千万円がかかるでしょう。

また、導入後も運用管理業務が発生するのでランニングコストもあります。

こうした導入コストのデメリットを補えるのがクラウドCRMですね。クラウドサービスとして提供される導入コストはほとんどかからず、かなり削減することができます。ただし、毎月の利用料という明確なランニングコストが発生するので、この辺は長期目線でどちらがトータル的にコストメリットがあるかを検討する必要があるでしょう。

もう一つ、これは一部でのデメリットなのですが、CRMを導入して顧客管理をシステム化することで、以前の柔軟な対応ができなくなるという可能性があります。特に顧客要望に合わせて柔軟な対応が指示されてきたような企業では、これだけで顧客のクレームを受ける可能性があるので十分注意が必要です。

システム化による業務効率化の裏には、こうしたデメリットがあることもしっかりと認識しておきましょう。

CRMとSFA(営業支援システム)の違いとは?

混同されがちな2つのシステムですが、最近ではほとんど境界線がなくなってきているのが現状です。

以前ならばCRMは顧客情報の2層管理(属性情報、対応履歴)、SFAでは3層管理(2層管理に商談状況を加えた情報)が一般的な違いだったのですが、現在ではどちらともなく3層管理を提供しているのが当たり前です。

ただ、クラウドERPなど一部のソリューションではCRMとSFAをしっかりと分け、利用領域のすみ分けがされている場合があります。ちなみにクラウドERP「Netsuite(ネットスイート)」では、「NetSuite CRM+」の機能として営業支援(SFA)があります。NetSuiteは、完全にバックオフィスと統合された営業支援(SFA)ソフトウェアを提供しており、自社の営業部門のパフォーマンスを最大化することができます。

CRMが普及した背景とは?

CRMが普及する以前では、高品質のものを低価格で販売すれば売れる時代でした。つまりコミュニケーション状況の管理をせずとも、十分に利益を上げることができたのです。

しかし、インターネットの普及により多くの企業が情報武装したことや、経済状況の悪化、製品やサービスのコモディティ化によりただ“高品質ものを低価格で販売する”だけでは利益を上げるのが難しくなってしまったのです。

そこでCRMで見込み客や既存顧客とのコミュニケーション状況を管理することで、+αを提供し自社をもっと好きなってもらい、他社と競争できる環境を整えようとしたのです。

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失中案件の重要さとは?

CRMを解説する上で欠かせないのが失中案件の重要さです。よく失中案件はそのまま放置するという営業会社もありますが、そんな案件の中にこそ重要なものがたくさん詰まっています。

まず、失中案件を分析することとは同じ失敗を繰り返さないための分析です。営業現場では常々「ベストプラクティスの共有」と叫ばれていますが、ただ共有するだけでは意味がありません。失中案件と照らし合わせて何がいけなかったのか?何を改善すればより効率的に商談化できるのか?など、双方の案件から分析を行わなければなりません。

失敗は成功の母とはよく言ったもので、失注案件にこそ多くの学びが隠れていることもあります。

また、失注案件だからと言って今後商談化するかもしれないという可能性はゼロではありません。事実、優秀な営業マンは過去の失注案件からバンバン商談化するというケースもあります。

このようにCRMで失注案件情報を詳細まで残していれば、必ず何かの役に立つのです。

製品選定は明確な目的をもつことが大切?

最後のポイントとして重要なCRM製品選定ですが、まずはCRMを導入する明確な目的を持つことが大切です。

顧客管理において現状どんな課題があるのか?解決するためにはどうしたらいいのか?どんな製品を選べばいいのか?など、目的を明確にしておくことで外堀を確実に埋めていくことができます。

そうして外堀を埋めて進んでいけば自然と正解に辿りつくことができるので、CRM導入の失敗を防ぐことができるでしょう。

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まとめ

いかがでしょうか?顧客管理システムはあくまでコミュニケーション状況の管理を行った上で、顧客との関係構築・維持を目指すものになります。もちろん、管理業務の効率化のために導入するのも正解です。

ただ、単なる“顧客情報管理システム”にならないためにも、売上拡大を見据えた導入を目指していただきたいと思います。

ちなみに製品選定や運用に関するポイントについては、また別の機会に詳しく解説していきますのでチェックしてください。

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