“MRP”から“ERP”への変遷とそれぞれの特徴

 2017.02.09  クラウドERP編集部

新入社員、新規配属の方必見!ERP入門特集

製造業に従事している方からすれば当たり前のように使用している“MRP(Material Requirement Planning)”という管理手法ですが、ERPの歴史について振り返る時、必ずMRPの存在がそこにあります。

今回はこのMRPという管理手法とERPへの変遷を解説しつつ、ERPというシステムについて紹介します。

また、最後にはクラウドERP世界No.1のNetSuite(ネットスイート)”についても紹介しますので、ぜひERP検討の参考にしてください。

MRP(Material Requirement Planning)とは

MRPとは「資材所要量計画」と訳され、在庫管理の中心として”生産計画を立てていくための管理手法です。

MRPはBOM(Bill of Material:部品表)をもとに製品部品を展開し、生産に必要な部品数を割り出します。同時に、調達までに必要なリードタイムや工数を算出し、部品ごとの値段や組み立て順まで記載したのがMRPです。

このBOMを基準に出庫数(それぞれの工程における必要資材数)を割り出し、入庫数に引当て、最終的な生産計画を立てていきます。

MRPのメリットは、適正な発注数を生産計画に含むことで、在庫数を適正量にコントロールできる点です。

在庫数を過不足なく適正に保つことができれば、資材調達コストの抑制やキャッシュフローの悪化を防ぎ、在庫改善から利益を上げていくことができます。

また、過小在庫を回避できるので、効率的な生産を実現できる管理手法でもあるのです。

ちなみにMRPが普及したのは1960~70年代のことで、当時多くの資金が在庫や内部プロセスに費やされていたのに対し、これを改ざんするために生まれました。

MRP2(Manufacturing Requirement Planning)へ

そして1980年代に入ると、在庫管理を中心として効率的な生産を行うMRPは、「製造資源計画」と訳されるMRP2へと発展します。

MRP2は適正在庫の維持を目的としてMRPを含め、さらにヒト/モノ/カネといった製造能力まで考慮し、生産計画を立てていくための管理手法です。

MRPに加えて生産に必要となる人員、設備、費用までを含め生産計画を立てていくため、MRPよりも複雑な管理手法でもあります。

しかし、より生産性が高く、利益を生み出す管理手法が求められていたことから、米国を中心に一気に拡大しました。

ちなみにMRPやMRP2は、トヨタ自動車が開発した“かんばん方式(後工程から前工程を必要資材数を指示する)”とは逆の管理手法であり、押し出し方式の管理手法とも言われています。

データシート:NETSUITE アドバンスト在庫管理

ERP(統合基幹業務システム)の導入を成功に導く10のステップ
失敗するERP導入プロジェクトの4大要因

ERP(Enterprise Resource Planning)への変遷

MRPからMRP2へ、そして時代はERPへと突入していくわけですが、この変遷を語る上で重要なのが“BPR(Business Process Re-engineering)”というキーワードです。

BPRは1990年代初頭、長期不況にあえぐ米国で誕生し、世界中に拡大したビジネス概念の一つです。

当時普及に行き詰った企業経営は“小手先の経営改革では立て直せない”と考え、コスト/品質/サービス/スピートといった現代ビジネスにおいて重要なパフォーマンス基準を改善するために多くの企業が様々な手法でBPRを実現していきました。

例えば世界的自動車会社のフォードでは、複数の伝票を突き合わせる古典的な会計業務から、コンピューター処理中心に切り替えペーパーレスを実現することで大幅な人件費削減を実現しています。

このように世界中の企業が内部プロセスを抜本的に見直すことで、劇的な経営改善を遂げました。

そしてBPRの中核となったのが“基幹業務のシステム化”であり、こうした環境を提供したのがERPです。

ERPは、MRPやMRP2といった従来の生産管理手法をさらに発展させ、生産とは直接的関係のない会計業務や人事業務までカバーすることで、組織全体を経営資源を活かすことがお目的とされ、BPRブームに乗じ爆発的に普及していったのです。

[RELATED_POSTS]

国内におけるERPの普及

1990中期~後期になると、日本においても“グローバル企業としてベストプラクティスが手に入る”という名目から、ERP導入は活発化しました。

特に後期には“2000年問題”の不安もあり、システム環境を刷新して対処しようという企業が多かったようです。

しかし、海外と日本では商習慣におけるそもそもの違いがあり、導入失敗に陥った企業も少なくありません。

こうした背景から一旦は下火となったERP市場も、時代のニーズと共に徐々に息を吹き返し、2015年には1,111億円という巨大市場へと拡大しています。

ERPとはどのようなシステムか?

ここでERPというシステムについて少し解説しますと、ERPは会計管理システムを始め生産管理システム顧客管理システムといった、経営上不可欠な複数の業務システムを包括的に提供する統合ソリューションです。

故に、“統合基幹業務システム”と呼ばれています。

では具体的にどのようなメリットがあるかというと、第一に挙げられるのが“経営資源の可視化”です。

部門ごとに業務システムが点在していた、従来の分断的システム環境においては、各システムが生成するデータを可視化するために大変な作業を要していました。

これではタイムリーに経営資源を可視化できないため、企業は経営判断において多大な時間を消費していたのです。

ERPでは、各業務システムから生成されるデータが統合的に管理されるため、BI(Business  Intelligence)などの分析ツールによって経営資源を瞬時に可視化することができます。

これにより経営判断の迅速化を促し、スピーディかつ的確な経営が実現可能になるのです。

また、もう一つのメリットとして“組織全体の業務効率化”があります。統合的なシステム環境ではすべの業務システムにおいて連携が取れているため、分断的なシステム環境で生じていた“業務のムダ(2重のデータ入力など)”を効率化し、組織全体の労働生産性を高めていくことができます。

[SMART_CONTENT]

世界No.1のNetSuiteが提供するもの

クラウドERPとして世界No.1であるNetSuiteは、上述したERP本来のメリットに加え、“低コストでの導入と柔軟性の高いシステム構築”を提供します。

NetSuiteはWebベースで提供されるクラウドERPなので、専用ハードウェアの設置やソフトウェアインストール、あるいは複雑な初期設定などは不要です。

PCとインターネット環境さえあれば導入でき、“最短1ヵ月でカットオーバー”した事例もあります。

さらに、クラウドERPでありながら開発プラットフォームを提供しているので、ユーザー企業独自のアプリケーション開発やエンドユーザーがIT技術者なしでコードカスタマイズを行うことも可能です。

これにより柔軟性の高いシステム構築を実現し、あらゆる業務にフィットさせることができます。

まとめ

MRPやMRP2から発展したERPは、全ての企業が持つIT課題を解決する有効的なソリューションの一つです。

統合されたシステム環境を導入することで強力な経営基盤を構築し、既存課題を解決できる企業は多いでしょう。

スピーディな経営や組織全体の効率化を実現するためにERPを、そして迅速かつ低コストな導入を柔軟性の高いシステム構築を実現するために、NetSuiteをぜひご検討ください。

時代遅れのレガシーERPが企業に与える8つの弊害

RECENT POST「ERP」の最新記事


ERP

「ZAC (ザック)」とは? オロ製クラウドERPについて特徴や機能を解説

ERP

勘定奉行のERPとは? 特徴や機能、導入メリットなどを紹介

ERP

弥生にERPはあるのか? 会計ソフトとERPの違い、製品の種類も解説

ERP

【2024年最新】ERP比較|企業規模別のおすすめ製品を紹介【比較表付き】

“MRP”から“ERP”への変遷とそれぞれの特徴
わかりやすいマンガ形式で解説!会計ソフトの選び方まるわかりガイド
ビジネスでの時間不足を解消する3つの方法

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング

New Call-to-action