ワークフローとは? 意味やシステム導入のメリットをわかりやすく解説

 2022.11.29  2022.11.30

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ワークフローに関する悩みを抱く企業は少なくありません。手続きの進捗が見えずスムーズに進まない、毎回手間とコストがかかる、といった問題が発生しているのなら、ワークフローシステムの導入を検討してみましょう。本記事では、ワークフローの概要やシステムを導入するメリット、選定のポイントなどについて解説します。

ワークフローとは業務の流れのこと

ワークフローとは? 意味やシステム導入のメリットをわかりやすく解説

ワークフローとは、業務で発生するやり取りの流れを指します。多くの業務においては、意思決定までにいくつもの手続きがあります。この流れのこと、もしくはそれを図式で表示したものをワークフローと呼びます。

オフィスでの業務に必要な消耗品を発注するケースで考えてみましょう。この場合、まずは消耗品を発注したい従業員が上司に申請します。上司が内容を確認のうえ承認すると、さらに他部署の責任者へと申請が回され、その後最終的な意思決定者のもとへ送られます。

最終決裁者が承認すると、消耗品が発注され最初に申請をした従業員、もしくはその部署へ届きます。このような一連の流れがワークフローです。

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ワークフローでありがちな問題

従来、多くの企業では紙の稟議書を用いて申請や承認の手続きを進めていました。現在でも紙の稟議書を用いる企業は少なくないものの、紙媒体によるワークフローにはさまざまな問題が発生します。

コストがかかってしまう

紙媒体を用いたワークフローでは、さまざまなコストが発生します。さまざまな申請書類を用意しなくてはならないため、用紙代や印刷のインク代などがかかるほか、異なる拠点の責任者に承認してもらう場合には郵送費も発生します。

また、書類に必要事項を手書きで記入するため、時間コストがかかります。余計な時間を費やしてしまうと、本業に割く時間が少なくなり生産性の低下を招きます。さらに、金額を記載しなくてはならないケースでは手で計算する手間も発生し、承認プロセスに無駄が生じてしまいます。

進捗状況が見えにくい

手続きの進捗状況が見えにくいのも問題です。何人もの承認者を経由するケースでは、申請書類が今どこにあるのか正確に把握できません。手続きは問題なく進んでいるのか、差し戻しはあるのかといったことが分からず、申請者は次のアクションを起こせません。

進捗状況が見えにくいゆえに、問題なく進んでいると思っていた手続きが実はストップしていた、といったことも起こり得ます。その結果、業務に必要な備品が届かない、経費が下りないといったことが起きるおそれがあります。

また、書類がどこにあるのか正確に把握しにくいため、万が一紛失しても気づけないかもしれません。この場合、申請そのものがなかったことになり、再度書類の作成から手続きをやり直す必要があります。

社内不正が起きやすい

紙媒体を用いたワークフローでは、社内不正が発生するおそれがあります。たとえば、書類に記載している内容の改ざんです。書類に記載されている金額を誰かが勝手に書き換える、といったことが起きるかもしれず、しかも誰がそれを行ったのかも把握しにくい問題があります。

たとえば、本来の金額を水増しした数字に書き直し、差額を懐に入れるといった不正が起こりえます。このようなことが何度も起きると、組織の利益を圧迫しかねません。また、不正がさらにエスカレートすることもあるでしょう。

ワークフローの改善に不可欠な「ワークフローシステム」

紙媒体を用いたワークフローの課題を解決するには、ワークフローシステムの導入が有効です。システムの導入によってワークフローを電子化すれば、コスト削減や業務プロセスの可視化を実現でき、申請から承認までの手続きもスピード化できます。

ワークフローシステムとは

ワークフローシステムとは、従来紙の書類で行っていた稟議を電子化するシステムです。申請から承認の手続きをオンライン上で行うことができ、システムによっては複雑なワークフローにも対応できます。

ワークフローシステムを導入すれば、申請者はPCやスマートフォンなどの端末から容易に申請の手続きを行えます。承認者は、システムにアップロードされた申請データを端末上でチェックでき、承認や却下の決断を下せます。

複数の承認者を経由するケースであっても、承認したら自動的に次の承認者のもとへデータが送られるため、手続きが途中でストップすることも防げるでしょう。

ワークフローシステムを導入するメリット

ワークフローシステムを導入するメリットとして、さまざまなコストを削減できる点が挙げられます。また、業務プロセスの可視化によって承認漏れなどを回避できるほか、不正や情報漏えい防止など内部統制の強化や、多様な働き方への対応も可能です。

コストが削減できる

ワークフローシステムの導入によって、コスト削減を実現できます。従来のように、紙の書類を用いないため用紙を用意する必要がなく、印刷費や郵送費などもかかりません。コピー機の稼働が少なくなれば電気代の節約にもつながります。

また、時間コストの削減にも有効です。システムの導入によって、オンラインで効率よく手続きを進められるためです。従来の方法では、何人ものあいだを書類が行き来するため、どうしてもやり取りに時間がかかっていました。

しかし、システムを導入すればこのような余計な時間は発生せず、スムーズに申請から承認の手続きが進み時間コストの削減につながります。

業務プロセスが可視化できる

ワークフローシステムを利用すると、業務プロセスを可視化でき手続きの全体像を把握できます。手続きが今どこまで進んでいるのか、どこでストップしているのかといったことも把握できるため、申請者は次のアクションに備えて準備を進められます。

どこで承認が漏れているのかもひと目で把握できるため、そのときどきに応じたベストな対応を行えます。承認が漏れている担当者に対し、手続きを進めるよう電話やメールなどで促す、といったことも可能です。

また、多くのシステムでは承認ルートに関する詳細な設定が可能であり、複雑に分岐するようなケースにも対応できます。そのため、申請する部署や担当者を間違えてしまうといったミスも回避できます。

内部統制やコンプライアンスを強化できる

申請から承認の手続きをシステム上で行えるため、紙媒体の稟議で起こりがちな不正を回避できます。誰かが勝手に内容を書き換える、権限を持たない者以外が承認してしまう、といった事態も防げます。

システム上には、誰がいつ決裁したのかといった情報が記録されます。そのため、仮に不正が発生したとしても後から究明が可能です。さらに、閲覧権限も設定できるため、機密文書を稟議にかける場合でも情報漏えいの心配がありません。

多様な働き方に対応できる

ワークフローシステムを導入すれば、申請や承認の手続きをオンラインで行えるため、多様な働き方に対応できます。リモートワークへ移行していても、従来通りの方法で申請や承認の手続きを行っていた場合、その都度出社しなければならない問題が発生し非効率です。

リモートワークをはじめとした、多様な働き方が可能な組織を目指すのであれば、ワークフローシステムの導入は必須です。システムを導入すれば、従業員は自宅からでも申請を行え、決裁者はどこにいても承認の手続きを行えます。

また、決裁権限をもつ担当者が長期出張などに出かけている場合、手続きが進まず承認までに多大な時間を要するケースも珍しくありません。ワークフローシステムを導入すれば、このような事態も回避できます。

ワークフローシステムの導入手順

ワークフローシステムを導入する際には、担当者や責任者を決めて導入体制を構築しましょう。また、何のためにシステムを導入するのか目的や課題を明確にし、そのうえで選定と導入を進めなくてはなりません。

導入体制の構築

ワークフローシステムのスムーズな導入と運用のため、導入体制を整えましょう。担当部署や担当者、責任者を選任し、連携しつつ導入体制を構築します。

ワークフローシステムは導入しておしまいではありません。導入したあとも、手続きの流れを見直したり、フォーマットを変更したりといった必要があります。このような作業を誰が担当するのかも決めておくと、スムーズな運用につながります。

目的・課題の洗い出し

何のためにシステムを導入するのか、現状のワークフローにどのような課題があるのかなどを明確にします。場合によっては、システムの導入以前に改善しなければならない部分が出てくると考えられるため、漏れなく洗い出しましょう。

たとえば、最終決裁者にいたるまでの承認者が多すぎるようなケースが考えられます。このケースでは、本当にそれほどの承認者が必要なのかどうか、改めて精査してみましょう。

ワークフローシステムの選定と導入

ワークフローシステムを選定するプロセスです。いきなりひとつの製品に絞るのではなく、いくつか候補をピックアップし、そのうえで自社にマッチしたシステムを選定しましょう。現在ではさまざまなシステムがリリースされており、実装されている機能やUI、料金などが個々で大きく異なるため慎重に選定を進める必要があります。

また、いきなりすべての部門に導入するのではなく、範囲を限定したスモールスタートでの取り組みをおすすめします。導入したシステムが自社に合わなかった場合、全部門の業務が停滞してしまうおそれがあるためです。

まずは1~2部門など、一部の部門に限定して導入し、問題なく利用できるかどうかをチェックしてみましょう。一部の部門で試験的に運用して操作性や効果などを確認できたら、少しずつ対象の範囲を広げていきます。

ワークフローシステムの選定ポイント

ワークフローシステムを選定する際には、自社の目的達成や課題解決に役立つ機能が実装されているかどうかを確認しましょう。また、既存システムとの連携性はどうか、従業員のITレベルにかかわらず操作できるか、といった点もチェックポイントです。

自社に合った機能で選ぶ

ワークフローシステムはいくつもの製品がリリースされており、それぞれ実装されている機能やUI、操作性などが大きく異なります。基本的には、自社の目的達成や課題解決を実現できるシステムを選定しましょう。

たとえば、承認ルートがいくつにも分岐するようなケースでは、複雑なルートにも柔軟に対応できるタイプの製品が望ましいと考えられます。また、決裁権限をもつ従業員が頻繁に外出するような企業なら、スマートフォンで閲覧や手続きを行えるタイプの製品が望ましいでしょう。

既存システムとの連携性で選ぶ

既存システムと連携できるかどうかも要チェックです。既存システムと連携できる製品であれば、さらなる業務効率化を実現できます。

たとえば、ビジネスチャットツールとの連携が可能なシステムであれば、申請や承認に関するメッセージのやり取りをチャット上で行えます。メールよりもリアルタイムなやり取りができるため、よりスピーディーに手続きを進められます。

また、電子契約システムとの連携が可能であれば、ワークフローシステムでやり取りした情報をそのまま電子契約システムに反映させる、といったことが可能です。どのようなツール、システムとの連携が可能なのか、自社の既存システムにも対応しているのか、といった点をチェックしつつ選定を進めましょう。

既存システムとの連携が可能であれば、システムのサイロ化も回避できます。システムやデータのサイロ化は生産性の低下を招く要因ともなりかねません。

サイロ化の及ぼす影響と解決策については、以下の記事をご覧ください。
経営を左右するサイロ化とは?デメリットと解決法を解説

使いやすいものを選ぶ

優れた機能を有するシステムを導入しても、従業員が使いこなせないようでは活用できません。そのため、ワークフローシステムを選定する際には従業員が使いやすいものを選びましょう。

従業員のITリテラシーに差があるケースでは特に要注意です。操作が難しいシステムを選んでしまうと、一部の従業員しか使いこなせない、といったことが起こりかねません。従業員のITレベルにかかわらず、直感的に扱えるような製品を選びましょう。

併せて、サポート体制の確認も必要です。システムを導入したばかりのころは、不明点や疑問点がいくつも生じる可能性があります。このようなとき、適切にサポートを提供してくれるようなベンダーであれば安心です。実際にどのようなサポートを提供してくれるのか、電話やメールでの相談に対応してもらえるのかなどを確認しておきましょう。

まとめ

紙媒体を用いたワークフローでは、余計なコストの発生を招くほか進捗状況が見えにくく、スムーズな手続きを阻害してしまうおそれがあります。また、改ざんや情報漏えいなどのリスクを招く点にも注意が必要です。ワークフローに関するこれらの問題を解決するには、ワークフローシステムの導入が非常に有効と考えられます。
ワークフローシステムを選ぶ際には、自社の目的や課題に合ったものを選び、機能や操作性、既存システムとの連携性などもチェックしたうえで選定を進めるとよいでしょう。

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