経産省の「DXレポート2.1」をわかりやすく解説!

 2022.03.18  クラウドERP実践ポータル

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DX化は昨今のビジネス現場において喫緊の課題として捉えられており、政府もその推進に取り組んでいます。具体的な施策内容や現状に関しては「DXレポート」として取りまとめられ、2021年には「DXレポート2.1」が公表されました。この記事では「DXレポート2」とどのような違いがあるのか、レポート2.1で言及されているデジタル産業の姿などを解説します。

経産省の「DXレポート2.1」をわかりやすく解説!

DXレポート2.1とは?

「DX」がホットな話題となってしばらく経っていますが、未だ日本では十分なDX化が進んでいるといえる状況にはありません。

DXが十分に進んでいなくても、利益が出て事業が継続できれば問題ないと考える企業の方もいるかもしれませんが、DXは現代において特別先進的なものではありません。今後もビジネスを継続的に発展させていくためには、企業のDX化を進めていく事が必要不可欠です。

ひいては国全体の経済力に影響を与えることになり、いつまでも改革が起こらない企業ばかりだと海外との競争にも勝つことが難しくなってしまいます。この影響は各企業にも返ってくるものであり、このままだと近い将来大きな壁に当たってしまい、経営が上手くいかなくなる企業も多く出てくるかもしれません。

そのため、政府としてもDXを推進しており、近年はDX化に向けた施策に積極的に取り組んでいます。そうした取り組みの一環として、DXを進めていくための手掛かりとなる資料を「DXレポート」として経産省が公表しています。

第2弾として2020年12月にDXレポート2が発表されましたが、その中で「デジタル産業」と表現したデジタル変革後の新たな産業の姿やその中での企業の姿がどういったものであるかという点までは議論を進められていませんでした。そのため、デジタル変革後の産業の姿やその中での企業の姿、そして企業の変革を加速させるための課題や政策の方向性をまとめたDXレポート2.1が2021年8月に発表されました。

ユーザー企業・ベンダー企業の現状

同レポートでは、ユーザー企業とベンダー企業が、現状どのような関係性にあるのかが整理されています。
現在の構造では、互いが利用し合うことでメリットを享受し合えており、良い関係性が築けているようにも見える反面、双方がデジタル時代で必要となる力を獲得できる状態になっていないと示されています。そのため、良い依存関係ではなく、低位安定のスパイラルに陥っているという認識がとられているのです。

これからはデジタル技術を駆使し、データを用いて新たな価値の創出をすることで、デジタル社会に必要な機能を社会にもたらす「デジタル産業」を構築していくことが重要とされているのですが、現在の構造ではこの実現が難しい状態にあります。

簡単に進められない理由として、企業のジレンマがレポート内でも挙げられています。
企業共通のジレンマとしては「危機感のジレンマ」「人材育成のジレンマ」があります。前者は現在の業績が悪くないことによって進めなくてはならないという危機感が感じられていないこと、後者は技術を習得したところで陳腐化が早くすぐに古い技術になってしまい、人材育成が追いつかないことを意味します。
また、ベンダー企業特有の「ビジネスのジレンマ」もあります。こちらは、変革をサポートした結果ユーザー企業から必要とされなくなってしまい売上が落ちてしまうというジレンマを意味します。

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今後デジタル社会・産業が目指すべき姿

レポート最新版では現状の問題点等を指摘するとともに、今後の目指すべきところ、デジタル産業の姿がどのようなものなのかが示されています。これまでの産業と比べてどのように変化するのか、どのような構成をとるのか、そのとき企業はどのような姿になっているのかという点が重要視されているのです。

また、その到達すべき産業構成に至るにはどのような方向性で改革を進めていくのか、これまでの現状を打破し、変化を加速させていくための取り組み内容なども記載されています。以下で細部を解説します。

デジタル産業の構成と企業例

ゴールとなるデジタル社会では、「社会的な課題の解決が素早くなされること」「新たな価値創出や新たな顧客体験の提供が迅速化すること」「世界的にも強い競争力を持つ企業が誕生すること」「地方かどうか、資本の大きさを問わず価値創出に参画できること」が期待されています。

そして、このデジタル社会のための機能を社会にもたらす存在がデジタル産業である、と位置づけられています。
デジタル産業を構成するためには、「価値を創出するための事業能力(デジタルケイパビリティ)を有し、他社や顧客と繋がってエコシステムを形成」するような企業の存在が求められています。そのため、他社から提供されているクラウドサービスを利用するだけで、自社のサービスそのものが変化していなければ理想的なDXとはいえません。また、他社のサービス等を巻き込まず社内で閉じた価値の創出をしているだけでは不十分です。

レポート内で示されている、デジタル産業を構成する企業類型としては下の4つに分類されています。

  1. 改革に求められる知見・技術を共有するパートナー(伴走型のコンサルティング事業者など)
  2. 最先端の技術を有するパートナー(開発会社など)
  3. 業界ごとの協調領域をカバーするプラットフォーム提供主体(プラットフォーム事業者)
  4. 新たなサービスやビジネスにより社会に新たな価値を与える主体(大手の小売事業者)

企業変革の方向性

レポートにおいて、上の類型別に目指すべき姿を明確化させてわかりやすい形でまとめる旨が記載されており、各企業が具体的に何をすれば良いのかを把握し、変革の進捗が把握できるよう、指標も策定すると示されています。

また、DXを成功させるためには成功パターンを知ることも重要です。しかしながら成功事例につき、企業が再利用しやすい形でまとまっているとはいえない状態にあると評価されています。そこで、成功パターンを活用し、企業変革の道筋をパターン化することで明らかにする方向で話が進められています。

さらに、経産省が同レポートと同じく2021年に策定した「半導体・デジタル産業戦略」もデジタル社会実現と密接に関わるものと捉えられており、こちらの戦略も同時に進めることが変革の実現において重要です。

DX実現に向けて取り組むべき施策

政府がDX実現に向けてさまざまな取り組みを行っていますが、各企業も受け身ではなく、示された社会や企業の姿を目指すため積極的な取り組みを行わなければなりません。

レポート2において、企業が着手すべき内容が示されています。
例えば、業務環境をオンライン化すること、業務プロセスや従業員の管理をデジタル化すること、顧客接点をデジタル化することなどが重要なアクションです。デジタル化がDX化とイコールの関係になるものではありませんが、前提問題としてクリアすべき課題です。また当然、個別のデジタル化を進めるだけでなく、DX戦略を策定して企業としての方針を決めることも重要です。

なお、各事業、各部門などの単位が別個にデジタル化を進めてしまい、各システムの連携が取れない状態にはならないよう注意が必要です。この状態に陥ることをサイロ化と呼びます。

そこでデジタル化・オンライン化を図る上ではサイロ化が起こらないようなSaaS選定も大事です。
この点、オラクルのSaaSはバックオフィスからフロントまで広い業務領域をカバーでき、各業務の連携にも効果的です。スケーラビリティにも優れており、現状におけるニーズや企業体力に合わせた段階的な導入が可能です。クラウドサービスの選定で悩んでいる企業は検討してみると良いでしょう。

まとめ

DX化の中間取りまとめが「DXレポート2」として2020年に公表されていましたが、「DXレポート2.1」ではさらにこれを補完する形でデジタル変革後の産業の姿、企業の目指すべき姿などが示されました。

これまでの産業構造を変革し、企業間の関係性も変えていくことが重要とされています。今後本格的なDX化を考えている企業の方は、DXレポートの内容を参照しつつ、取り組んでいくと良いでしょう。

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