DX(デジタルトランスフォーメーション)とAIの関係とは?

 2022.07.06  クラウドERP編集部

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AIは今後のビジネスにおいてもっとも活躍が期待されている技術のひとつです。昨今注目されているDXにおいても、AIが果たせる役割は非常に大きなものがあります。そこで本記事ではDXを推進する際にAIがどのように役立つのか、分かりやすく解説していきます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略語で、日本語にすると「デジタル技術による変革」を意味します。DXの細かな定義は、論者によってさまざまに解釈が分かれますが、「デジタル技術を活用することで、既存の価値観を覆すようなイノベーションを起こし、ビジネスや人々の生活をより良くすること」が、おおよその共通認識です。

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AIによって実現できること

DXを促進する際にカギとなる技術のひとつがAIです。AIとはArtificial Intelligenceの略語で、日本語では「人工知能」とも呼ばれます。AIとは簡単に言うと、人間の知的活動を再現することを目的にしたテクノロジーです。したがってAIは、人間の能力と類似した認識能力や思考能力を有しています。より詳細に言えば、AIは以下のような機能を持っています。

音声認識ができる

AIの持っている認識能力のひとつが、音声認識です。AIは音声を読み取って言語処理し、受け答えができます。たとえば、AmazonのAlexaやAppleのSiriなどの音声アシスタントがユーザーと会話できるのは、AIの音声認識のおかげです。

音声認識とは、音声をテキストデータに変換する機能であり、これを使えば、議事録の自動生成や、録音の文字起こしをAIに代行させることができます。また昨今では、高機能な翻訳ツールや顧客の電話対応などに、AI(AIチャットボット)が利用されています。

画像認識ができる

画像認識も、音声同様にAIの認識機能のひとつです。ディープラーニングという機械学習技術によって、AIが物体を識別する能力は非常に高度になっています。これにより、手書き文字をテキストに変換したり、人間の表情や顔の違いを見分けたりすることができます。セキュリティにおける顔認証や、製品の検品作業などがAIの画像認識を活用する代表例です。

自然言語処理ができる

AIは自然言語処理によって、人間が日常的に使用する言葉を理解できます。前述した音声アシスタントが読み取ったテキストを正しく質問や指示として理解するためには、言語処理の工程を挟む必要があります。
本来、機械は具体的なプログラムとして入力された指示はこなせるものの、曖昧な表現を受け取ることは困難です。自然言語による指示をプログラムに変換する複雑な処理を自動化するのが、自然言語処理の機能に当たります。

自然言語処理の活用事例としては、チャットボットによるカスタマーサービスの自動化対応などが挙げられます。ただし、AIの自然言語処理能力は、従来と比べて格段に向上しているとはいえ、まだ人間が行うほどの精度はありません。指示を理解できなかったり、誤読したりする可能性が高いため注意が必要です。

データをもとに予測ができる

AIの代表的な機能としては、データをもとにさまざまな予測・分析ができることも挙げあれます。AIは、多種多様かつ膨大なデータ(ビッグデータ)をもとに、隠れた規則や傾向などを明らかにして、将来予測などを行えます。
身近な例では、天気予報や交通量の予測などがこの機能を活用する分野です。また、企業にとっては非常に重要な顧客分析や売上の予測もできます。ビッグデータを人間が手作業で処理するのは困難かつ長大な時間がかかりますが、一度に多くの情報をインプットできるAIは、迅速かつ高精度な解析が可能です。

不正・リスクを検知できる

不正やリスク検知などのセキュリティ面にもAIが役立ちます。たとえばAIを搭載したセキュリティツールは、システムにアクセスしている人間の行動履歴を常時観察し、そこに不審な動きが見られた場合、すぐに管理者へとアラートを発してくれるのです。
人間の操作入力を「不審である」と感知するために、AIは全ユーザーのログやその他のデータから機械学習します。これによって、クレジットカードの不正利用や虚偽の経費申請といった、バックオフィス系の不正を抑止できます。

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DXとAIの関係

前章で説明したように、AIは人間と同様、または人間が行うのは困難な処理を実現できます。そして、こうしたAIの諸機能の活用がDXにとって重要になるのです。

たとえば、DXにはデジタル技術だけでなく膨大なデータを活用することが欠かせません。企業が保有・管理すべきデータの量は、昨今、膨大化の一途を辿っており、地道な手作業では手に負えなくなっています。
そこで、情報処理能力に優れたAIを利用することで、さまざまなデータを有効活用しつつ、人的コストを削減できます。AIによるデータ分析は、競合他社に対して優位性を獲得するためにも重要です。また、業務を自動化する際にも、人間に代わって物事を判断する司令塔としてAIが用いられます。

AI導入のポイント

最後に、AIを導入する際のポイントを解説します。

まず重要になるのが、AIによって自社のどのような課題を解決したいのか、目標を明確化することです。AIに限らず、ITツールの導入はあくまでも手段に過ぎません。現状を無視して導入そのものが目的となってしまうと、多額のコストをかけて導入したツールが実際には使われず、大きな無駄となる危険があります。
効果的なDXを実施するために、目標の明確化は必ず行いましょう。そのためには自社の現状把握に努め、現場の人間が望むものは何かを検討することが重要です。また、ツールの導入に際して、その目的や利用方法を十分に周知・共有して浸透を促しましょう。

続いて第二のポイントが、AI人材を育てることです。昨今ではユーザーの使いやすさに配慮した製品も多いとはいえ、ツールをフル活用するには、高度なスキルやノウハウを持った人材が欠かせません。とはいえ、IT・AIに精通した人材は基本的に需要過多な状況であり、外部から十分な人材を招くのは難しいのが実情です。そこで鍵となるのが、自社の既存の人材を育てることです。また、全社的にDXを実現するためにも、社員全体のITリテラシーを底上げする社内教育や研修制度を整備しましょう。

第三のポイントは、プライバシーの保護に配慮することです。DXにおいてはAIを用いてさまざまなデータを分析することが重要になりますが、そうしたデータの中には、扱いに慎重になるべき個人情報なども含まれる場合があります。セキュリティ意識やITリテラシーが低いと、顧客や事業活動に関する情報漏洩によって信用の失墜や市場競争力の低下を招きます。
昨今では、本人の同意なくクッキーデータを取得・活用することが法律で禁止されるなど、データを扱ううえで求められるコンプライアンスも強化されています。

最後のポイントは、AIをはじめとする最新テクノロジーを活用したERPを導入することです。ERPとは、企業内のあらゆる情報を統合的に管理できるITプラットフォームを指します。
データ分析をする際には、ひとつのシステムで社内のあらゆる情報へとアクセスできることが重要です。データが社員個人のデバイスに散在する状態では、効果的な分析が難しくなってしまいます。そこで社内のデータを一元的に集約できるERPを導入することで、データ活用の土台を整え、全社的なDXを促進できます。

まとめ

DXを推進するには、AIをはじめとした最新テクノロジーの活用が必要不可欠です。
AIは、音声・画像認識や自然言語処理といった人間が行う処理を自動化できるだけでなく、ビッグデータの解析や不正アクセスの監視など、これまで手作業で行うのは困難だった作業の実現を可能とします。
AIを導入する際には、目的の明確化や機能を活用できる人材の育成が重要です。また、AI技術の活用が進むERPは統合的なデータ基盤の構築に寄与するとともに、リスク管理に役立ちます。さらに、ビジネスプロセスの分析や将来予測に役立つEPMというソリューションも存在します。
最新テクノロジーを活用したERP製品としては、次世代のSaaSである「Oracle ERP Cloud」の導入がおすすめです。
本記事を参考に、ぜひAIを活用してDXを促進してください。

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