クラウド会計ソフト:導入前に7つのデメリットを知る

 2016.08.16  クラウドERP編集部

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2015年にはいよいよCM放映(freee「ツバメの恩返し」)も開始され、一般的な認知度が日に日に高くなっているクラウド会計ソフト。導入しようかと現在検討中の方も多いのではないでしょうか?

仕分けの自動化やパッケージインストールが不要、場所やデバイスに囚われないなどのメリットはかなり魅力的かと思います。しかし導入の前に一呼吸置いて、クラウド会計ソフトのデメリットにも目を向けてみましょう。

クラウド会計ソフトは確かに素晴らしいサービスではありますが、デメリットもあることを忘れてはいけません。果たしてどんなデメリットがあるのか?今回はこの点にフォーカスして解説していきます。

クラウド会計ソフトのデメリット

オンライン環境に依存しているためオフラインで使用できない

そもそも「クラウド」というのは“インターネット経由で利用するサービス”を意味しています。また、SaaS(サース)・PaaS(パース)・IaaS(イアース)とさらに細分化されているのですが、クラウド会計ソフトはSaaSに分類されるサービスです。

SaaSとは、昨今では一般的なWebサービス全般がそれにあたることが多いです。皆さんが普段利用しているGmailやDropboxなどその他諸々のサービスもSaaSに分類されます。PaaSとIaaSに関しては開発者向けのサービスなので触れる機会はほとんどないでしょう。(詳しい解説は割愛します)

どんなものでもいいので、皆さんが普段使用しているWebサービスを想像してみてください。(思いつかない方はInternet Explorerなどのブラウザを想像しましょう)それらのサービスは基本的にインターネットに接続していないと使用できませんよね?

つまりクラウド会計ソフトもオンライン環境でないと使用できず、オフラインでの使用は不可能なのです。このためインターネットに障害が発生したり停電してたりすると使用できないというデメリットがあります。

万が一のときに業務をストップさせないためにも、ネットワークインフラ環境を強化しておく必要がありますね。

税理士が対応していないと効果が半減する

クラウド会計ソフトのメリットの一つは、最低限の会計知識で会計処理が行えるため業務を内製化できる点です。しかし、だからといってこれまで依頼してきた税理士の力が必要なくなるというわけではありません。

会計管理というのは複雑なもので、税理士のような専門家にコンサルティングしてもらわない限り完璧な処理は難しいかと思います。実際に経理担当・経営者の会計知識は十分でも税理士に依頼している場合がほとんどでしょう。

そこで問題になるのが、依頼先の税理士がクラウド会計ソフトに対応しているかどうかです。コンサルティング中心の依頼になったとしても、税理士がクラウド会計ソフトに対する知識がなければ効果的なアドバイスを受けることができません。

クラウド会計ソフトに対応している税理士は多いとはまだまだ言えない状況でもあるので、事前に依頼先が対応しているかの確認が必要です。

自動化できる仕訳とそうでないものがある

まだクラウド会計ソフトを使用したことがない方の中には「仕訳を完全自動化できる」と考えている場合があります。しかし実際には仕訳を完全自動化することはできません。

ネットバンキングやクレジットカードといった、インターネットで連携できるサービスに関しては問題ないでしょう。クラウド会計ソフトによっては3,000以上の銀行やクレジットカード会社と提携しているので「うちの銀行は対応していない」といった自体もほぼないと思います。

しかし現金取引や手形などはどうでしょう?こうした現実世界の取引をインターネットと紐付けるのは現状不可能なので、手入力での仕訳が求められます。従って仕訳を完全自動化できるわけではなく、一部仕訳はどうしても手入力が必要になるのです。

この点をあらかじめ理解していればクラウド会計ソフトが自社に適しているか否かがわかりますね。ネットバンキングやクレジットカード、その他通販などでの取引が多い場合クラウド会計ソフトで大幅に業務効率化を狙うことができます。

税務申告ソフトの選び方
NetSuiteと会計パッケージの違い

反対に現金・手形での取引が多い場合は従来の環境の方がよかったりします。

無料Eブック:わかりやすいマンガ形式で解説!会計ソフトの選び方 まるわかりガイド

インターネット経由のため環境によっては操作性に問題がでる

クラウド会計ソフトと従来のパッケージ型会計ソフトどちらの方が快適に操作できるかに関しては、やはりパッケージ型会計ソフトに軍配が上がります。

クラウド会計ソフトはインターネット経由で利用するサービスのため、環境によってはレスポンスが遅かったりするのです。一方パッケージ型会計ソフトはPCにインストールすることで安定性を確保できます。

インターネットが快適に利用できる環境であれば問題ありませんが、そうでなければ操作性に若干のストレスを感じるかもしれません。

ある程度の会計知識とインターネットスキルが必要になる

よく「クラウド会計ソフトには会計知識がいらない」と誤解されがちですが、これは大きな間違いです。確かに税理士ほどの会計知識は必要ありませんが最低限の知識はやはり必要になります。

また、各製品によっても必要な会計知識の程度は異なります。

例えば初心者でもカンタンに利用できると謳っているfreeeでは、最低限の会計知識があれば十分でしょう。一方MFクラウド会計や弥生オンラインなどはある程度の会計知識を携えている方向けに設計されています。

ですので最低限の会計知識があることを前提に、どの製品が自社にマッチしたものなのかをしっかりと見極めることが大切です。そこで各製品が提供している無料トライアルを積極的に活用しましょう。

操作性の確認なども兼ねて自社に最適な製品を選ぶことができます。

セキュリティを強化しなければならない

クラウド会計ソフトは基本的にSSL暗号化通信やセキュリティシステムによる対策など、情報漏洩に対する体制はしっかりと取れています。

では何のセキュリティを強化しなければならないのか?それは導入するユーザー企業の内部セキュリティです。

クラウド会計ソフトを使用する上で必要なのはインターネット環境とPC、としてIDとパスワードです。万が一IDとパスワードが漏れてしまったら外部から簡単にアクセスされてしまうでしょう。

そしてこうした漏洩はベンダーサイドからというよりも、むしろユーザー企業サイドからの方がリスクが高いと言えます。

まず同一のIDやパスワードを使用しないこと。複数サービスで同一ID・パスワードを使用しているとその分漏洩のリスクが高まります、パスワードを複雑なものや、自身に関係のないものにするといったことも大切ですね。

海外では解雇された元社員が逆恨みで会社の全データを削除するといった話が少なくありません。いずれもID・パスワードの管理を疎かにし、解雇した社員のアカウントを削除していなかったことが原因です。

こうした事例は少なからず日本でも起きているので、クラウド会計ソフトを導入する際は内部セキュリティをしっかりと強化する必要があるのです。

手入力での仕訳はパッケージ型よりも時間がかかる

クラウド会計ソフトでは手入力よりも自動仕分けに重点を置いた製品が多く、手入力中心に業務を行うとなるとパッケージ型よりも時間がかかる可能性があります。

もしも「クラウド会計ソフトでも素早く手入力で作業したい」という方は、MFクラウド会計などを選ぶといいでしょう。設定を変更することで自動仕分けに加え手入力にも対応することができます。

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クラウド会計ソフトはまだまだ発展途上

ここまでクラウド会計ソフトのデメリットについて解説してきましたが、意外とデメリットも多く驚かれたのではないでしょうか?というのも、クラウド会計ソフトは台頭となっているfreeeがローンチされてから3年とまだまだ若いサービスです。

つまり改善の余地はまだまだあり、これからさらに利便性の高いサービスになっていくのではないかと思います。もちろん、現段階でも十分に多くのメリットを享受できますが、今後の期待は今以上と言えます。

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クラウドERPという選択肢もある

もしもクラウド会計ソフト導入に伴い、各基幹業務システムの連携性を高めてビジネス尾を加速させたいというのであればクラウドERPをおすすめします。

クラウドERPとは会計システムをはじめ販売管理システムや顧客管理システムなど、企業経営に必要なシステムを一気通貫で提供するソリューションです。クラウドとして提供されるのでもちろんサーバ調達やPCへのインストールは必要ありません。

クラウド会計システム同様にインターネット環境とPCさえあれば利用できます。

全てのシステムで連携が取れていることで経営者にとっても社員にとっても多くメリットがあり、経営判断の迅速化や業務効率化が実現します。例えばクラウドERP「NetSuite(ネットスイート)」では、1998年からサービスを提供しいてることで製品が熟成しており、安心して使用することができます。

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まとめ

いかがでしょうか?クラウド会計ソフトは多くのメリットがあり魅力的なサービスですが、デメリットもしっかりと把握してないと思わぬところでつまづいてしまうことになります。インストール型ではないので簡単にリプレースできるにしても、少なからずコストがかかるので最初から適切な導入を目指していきたいものですね。

また、一口にクラウド会計ソフトと言っても製品ごとに大きく特徴が変わりますので、選定時はじっくりと時間をかけて最適なものを選びましょう。

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