販売管理費とは?その代表的なものを紹介

 2019.02.19  クラウドERP編集部

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勘定科目の中で特に細かい科目が多いカテゴリが「販売管理費」です。これは、日々の企業経営活動にひつような諸経費のことで、人件費・減価償却費・未来費用(広告・宣伝費など効果が将来にわって発生するもの)・その他販売費・その他管理費と、主たる営業活動にかかる費用で売上原価を構成しないものを主としています。

それでは、細かい仕訳科目を1つ1つ解説していきます。

販売管理費(販売費および一般管理費)の仕訳科目(あいうえお順)

会議費

取引先との商談や社内でのミーティングなど、業務に関する会議等を行う際にかかる費用を指します。計上時期は会議費用を支払ったときです。「昼食の程度を超えない飲食物等の接待に要する費用」が主に該当し、常識の範囲で計上することが大切です。会議を行う場所として貸会議室・喫茶店・レストラン等が含まれると考えられますが、酒食を提供する料理店は注意が必要です。

外注費

業務委託契約などによって企業が他の企業や個人事業主に支払う代金を指します。計上時期は外注費を支払ったときです。外注費と給料は税務上の扱いが異なりますので、下記注意点をご確認ください。

税務上の取り扱い

給与手当

外注費

所得税

給与所得

(支給時に源泉徴収税を差し引く)

事業所得

(源泉所得税は差し引かない)

消費税

消費税課税の対象外

消費税課税仕入れ

寄付金

寄付金、拠出金、見舞金そのいずれかの名義をもってするかを問わず、金銭とその他の資産、または経済的利益の贈与および無償の供与を指し、寄付金の額は、金銭の場合は金銭の額、金銭以外の場合は贈与時の時価額、経済的利益の供与時は時価額が適用されます。計上時期は寄付金を支払ったときです。

給与手当

従業員などに対して支給する給与および諸手当を指します。一般管理部門、販売間接費部門、試験研究費部門に従事する従業員の給与および手当は販売管理費として表示し、製造部門に従事する従業員の給与および手当は製造原価の労務費として処理します。計上時期は給与及び諸手当を支給したとき、または給与の締め日が到来したときです。現物給与(交通費等)に関しては所得税法上、給与として課税されず非課税になる条件があるので注意しましょう。

減価償却費

「固定資産の適正な原価配分を行う」という目的で、合理的に決定された一定の方式に従い毎期計画的かつ規則的に計上していく費用を減価償却といいます。有形固定資産(機械、設備、不動産など)は当該資産の耐用期間に応じて、定額法または定率法等の一定の減価償却方法によって、その取得原価を各事業年度に配分していきます。無形資産(ソフトウェアなど)は当該資産の有効期間に応じて一定の減価償却方法によって、その取得原価を各事業度に配分していきます。計上時期は減価償却費を計上したときです。

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研究開発費

「研究」とは新しい知識の発見を目的として計画的な調査および探求のことです。一方「開発」とは新しい製品やサービス、あるいは生産方法について計画もしくは設計、または既存の製品等を著しく改良するための計画もしくは設計として、研究の成果とその他の知識を具体化することを指します。研究開発には人件費・原材料費・固定資産の減価償却費・間接費の配賦額等、研究開発のために消費されたすべての原価が含まれます。計上時期は研究開発費が支出したときです。ソフトウェア制作費のうち、研究開発に該当する部分は研究開発費として処理します。

広告宣伝費

不特定多数のものに対する宣伝効果を意図して支出する費用を指します。ただし、広告宣伝を意図する支出であったとしても、特定のものに対する物品の贈答などは交際費に該当する場合もあるので注意が必要です。計上時期は広告宣伝費を支払ったときです。広告宣伝用資産(自動車、陳列棚、展示用モデルハウス等)を贈与または定額譲渡した場合は、広告宣伝費・寄付金とするのではなく繰延資産として償却します。

交際費

得意先、仕入先やその他事業に関係のあるものに対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用を指します。計上時期は交際の事実があったときです。福利厚生費、広告宣伝費、会議費、寄付金、売上割戻、給与等に該当するものは交際費から除かれます。

賞与

従業員に臨時的に支給される資金であり、一般的には労働協約書などにより支給基準が定められ、夏と付与の2回支給されるケースが多いでしょう。いわゆるボーナスのことです。計上時期は賞与を支給したときです。企業が負担した従業員の臨時的な立替金等で、実質的に従業員が負担すべきものは賞与扱いとされます。

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退職金

従業員の過去の勤務に対する対価として退職時に支給されるものです。計上時期は退職金が支給されたときです。使用人兼役員で、その使用人としての地位がなくなった場合においては、退職金が使用人としての職務に対する退職給与の額だとしても、その外食金は役員退職金として扱われます。

福利厚生費

従業員の結婚祝い金、出産祝い金、病気見舞金、香典、食事代補助、同好会の補助などで社会通念上相当と認められる金額を指します。計上時期は福利厚生費として支出したときです。特定の役員または従業員に対するものは、その者に対する給与として取り扱われます。現物給与に関しては所得税法上、給与として課税されず非課税とされる場合もあります。

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法定福利費

健康保険料、厚生年金保険料、労働保険料等法律によって納付が義務付けられている費用を指します。計上時期は社会保険および労働保険料等を支払ったときです。法定福利費については下記の点にご注意ください。

 

分類

科目

会社負担

社会保険料

(広義での)

社会保険

(供犠での)

健康保険料

(介護保険料を含む)

半額会社負担

厚生年金保険料

児童手当拠出金

全額会社負担

労働保険料

労災保険料

雇用保険料

一定額会社負担

役員賞与

取締役および監査役の職務執行の成果に対して支給するものであり、会社法上では利益処分ではなく役員報酬と同様の手続きで支給されます。従って発生時の費用として処理し、形状時期は役員賞与が支給されたときです。役員賞与はその役員自身が給与の決定に関与することから、利益操作につながりやすく様々な制限があります。

役員退職金

退任した役員に対して支給される退職金であり、株主総会の決議にもとづいて支給されます。計上時期は株主総会の決議により支給額が具体的に確定したときです。役員退職金はその役員自身が給与の決定に関与することから、利益操作につながりやすく様々な制限があります。

役員報酬

取締役および監査役の職務執行の対価として支給する報酬を指し、定款または株主総会の決議により支給限度額が規定されます。計上時期は役員報酬を支給したときです。役員報酬は、その役員自身が給与の決定に関与することから、利益操作につながりやすく様々な制限があります。

以上、販売管理費の主な仕訳科目について解説しました。この他にもいくつかの仕訳科目があるため、迷ったときは十分に調べた上で科目を決定していきましょう。主な仕訳科目はここで解説したものがすべてですので、本稿もぜひ参考にしてください。

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