副資材とは?その調達の課題と解決のコツ

 2020.01.27 

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副資材とは企業が調達する資材のうち、生産に直接かかわりのない資材をいいます。生産に使われる原材料、部品といったものは主資材と呼ばれ、主にそれ以外のものが副資材です。たとえば生産に使われる工具、手袋、ユニフォーム、燃料、この他保安資材や補修用品・部品などもすべて副資材に該当します。細かいところでいえば筆記用具などのオフィス用品も副資材なので、非常に広い定義を持っています。

本記事で紹介するのは、そんな副資材の調達が抱える課題と、解決のコツです。実は、副資材は主資材よりも調達課題が多く、効率化されていない分野でもあります。それはなぜなのか?副資材調達の課題を解決すると、今よりもずっと良い生産環境を築けるので、気になる方はぜひ参考にしてください。

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副資材調達が抱える課題

それではさっそく、副資材調達の課題から紹介します。主資材は生産に直接関係があり、コストや製品価格への反映が強いことから生産計画を立て、そこから調達計画・購買計画へと落とし込んで仕入活動を行う企業がほとんどです。また、資材の受入れから在庫、現場への供給まで効率化されたプロセスが組まれています。一方、副資材に目を向けてみると以下のような課題が山積みになっています。

1. 発注する品種・点数がとにかく多い

副資材調達の効率化がなかなか進まない1つ目の理由は、発注する品種・点数がとにかく多いことです。副資材の定義は幅広く、細かいオフィス用品も含まれることからその全体像を掴んでいる調達担当者は少ないでしょう。それが、副資材調達の効率化を阻む原因でもあります。

品種・点数が多いことで在庫管理も難しいため、棚卸資産の把握もできなくなります。そのため主資材のように手の行き届いた管理ができず、副資材調達にどれくらいのコストがかかっているかも把握しづらくなるのです。

2. 部門ごとに発注しているため管理が複雑

主資材の発注を取りまとめているのは調達部門・購買部門であっても、副資材の発注は部門ごとに行われているケースが少なくありません。部門ごとに使われやすい副資材は微妙に異なるので、一見して部門ごとに発注する方が効率的なように思えます。

実際のところは、部門ごとに副資材を発注してしまうと発注プロセスがバラバラになり、かつ在庫管理などが徹底されていないことから無駄なコストがかかっているケースが大半です。また、調達担当者が後から副資材を管理しようにも、部門ごとに分散してしまっているため全体管理が複雑になります。

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さまざまな業種において、企業は今の経済状況に対応するため、コスト削減やリスク管理の方法を模索しています。この課題に対し、ITテクノロジーへの適切な投資、特に調達部門における取引業務の自動化を行い、取引先との取引ルールを順守しつつ、調達データを集計できるシステムが導入できれば、会社全体の支払総額を抑えて取引先に関するリスクを予見できるようになります。なぜ調達業務を変えることが企業にとって「必要かつ真っ先に取り組むべきこと」なのかをお伝えします。

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3. 仕入先が多数存在しコスト均一化が図れていない

副資材調達が部門ごとに分散すると、部門ごとに異なる仕入先が存在することになります。そうすると、異なる部門で同じ副資材を仕入れたにもかかわらず、一方の部門の方が仕入れコストが高くなり、コストの均一化が図れません。

副資材調達の基本は「同品質のものをできる限り安く仕入れる」ことです。部門ごとの仕入はこの基本が押さえられなくなってしまうため、副資材にかかるコストが膨らみ、馬鹿にできない金額に達します。

4. 基本となる調達計画が無い

主資材には生産計画から落とし込まれた調達計画・購買計画が常に存在します。一方、副資材にはそれがありません。生産に直接かかわりが無いため、「何を、どれくらい、いつまでに」必要なのかが把握できず、「必要になった時に発注する」スタイルが確立します。

これでは当然調達の効率性が下がってしまいますし、徹底した管理ができないため無駄なコストが発生する可能性もあります。

これまで、副資材の合理化は難しく、その効果は大きくないと考えられてきました。徹底管理は主資材ばかりに集中し、副資材調達の管理に注力するような企業は少なかったでしょう。しかし現在になり、色々とIT環境が整ってきたことで副資材調達の効率化も現実的な話になっています。また、厳しい価格競争を乗り切るためには副資材の削減にまで手を伸ばし、徹底した原価低減活動が必要となります。

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副資材調達を効率化するコツ

副資材調達の効率化は、今や現実的なコスト削減対策の1つです。企業としては価格競争に巻き込まれることは本意ではないでしょうが、やはり「高品質・低価格」がものをいう時代です。製品価格を下げなくても、副資材調達の効率化によって原価が少しでも下がれば、それは企業利益に反映されます。では、副資材調達を効率化するためのコツとはなんでしょうか?

1. 発注窓口を一元化して、プロセスとコストを均一化する

まずは当然ながら、部門ごとに分散していた発注窓口を調達部門・購買部門に一元化しましょう。発注窓口が分散していると効率的なプロセスを組むことが難しいですし、コストの均一化も図れなくなります。副資材発注の際は、各部門が調達担当者に発注依頼を行い、担当者が定期的に発注をかけます。一見非効率なように思えますが、プロセスとコストの均一化を考えるとこちらの方がはるかに効率的な調達です。

2. 調達担当者同士で情報共有を怠らず低コスト化を図る

主資材に関する情報は調達部門・購買部門内で標準化されていることが多いですが、副資材に関する情報が共有されていないケースが多いです。副資材の低コスト化を図るためには、調達担当者全員が同じ情報を共有して、高品質・低価格な副資材を調達しなければいけません。そのために情報共有を怠らないでいると、低コスト化だけでなく調達ノウハウの共有にも繋がり、調達効率を大幅にアップできます。

3. 副資材の調達方法をマニュアル化して誰でも調達できるようにする

副資材の調達を行える担当者が限定されてしまうと、属人化によって調達効率が下がる恐れがあります。どんな作業にも言えることですが、積極的にマニュアル化を図って誰でもその作業ができるようにすることで、効率性はアップしますし、業務リスクも回避できます。副資材の調達方法に関してもマニュアル化を行い、誰もが同じように調達できるようにしましょう。

4. 「カタログ購買」などシステム化を検討して調達効率を向上させる

カタログ購買とは、資材事業者が運営している電子カタログなどを閲覧しながら、そのまま資材発注ができるシステムです。これを利用すると副資材調達を大幅に効率化させられますし、発注履歴も残せるため無駄の発見にも貢献します。副資材調達を効率化させる1つの対策として検討してみましょう。

5. ERPで組織全体の情報流通を促進して調達プロセスを効率化させる

ERP(Enterprise Resource Planning)は、調達システムをはじめ各部門に欠かせない基幹系システムを統合した製品です。ERPによって組織全体の情報流通は促進され、組織全体で業務効率化が進みます。副資材調達も例外ではなく、さまざまな情報を統合・分析することで大幅な効率化効果が目指せるでしょう。

いかがでしょうか?副資材調達を効率化させるコツはそう多くありません。しかし、1つ1つのコツをしっかりと押さえていることが重要なので、軽い取り組みでは失敗に終わります。本記事で紹介した内容を参考に、ぜひ副資材調達の効率化に取組んでみましょう。

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