クラウド会計ソフトを導入するメリットとは

 2018.11.06  クラウドERP編集部

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会計ソフトも様々あり、近年は「クラウド会計ソフト」というものが登場しています。企業経営者や経理の担当者であれば1度は耳にしたことがあるかもしれません。これは比較的新しいタイプの会計ソフトで、従来のものと比べて、導入することで得られるメリットが多くあります。しかし逆に注意しなければならない点もいくつかあるため、メリット・デメリットをしっかり理解してから利用していく必要があるでしょう。

ここではクラウド会計ソフトについて、利用前に知っておきたいポイントを交えながら、詳しく解説していきます。

クラウド会計ソフトとは

近年、業務ソフトのあり方も変わってきています。多くのサービスがクラウド型として利用できるようになり、会計ソフトについてもクラウドで利用する割合が増えています。そもそもクラウド型と、そうでない従来の会計ソフトでは何が違うのでしょうか。

簡単に言えば、会計ソフトがコンピューターにインストールされているかどうか、の違いです。これは利用形態の違いであり、これまでの会計ソフトではインターネットを必要としないオフラインの状態、もしくはローカルネットワークとしてソフトを起動して帳簿記入などをしていました。

しかしクラウド会計ソフトを使えば、ひとつのコンピューターに依存することなく、ネットワークに接続しているすべての端末から機能を活用することが可能です。インターネットを介して使用するため、インターネット環境およびアクセスができる端末があれば、どこでも会計ソフトが使えるようになります。また、その機能自体だけではなく、入力したデータ等もクラウドサーバー上に保存されるため、パソコンの故障によるデータ破損を心配する必要はありません。

クラウド会計ソフトを使うことによるデメリットも考慮しながら、従来型とどちらを採用するのか決めていくことが賢明でしょう。

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今後クラウド会計ソフトの利用率が高まる可能性

そもそも会計業務にソフトが必ず必要というわけではありませんが、従業員300人以下の中小企業等8,851社を対象にしたアンケート結果では、50%以上の企業が会計ソフトを使用しているということがわかっています。

会計ソフトを使用していない企業は、その内の約半数が会計業務を税理士に任せており、自社システムを開発している企業は全体の5%ほど、そしてエクセルなどの表計算ソフトを利用している企業は10%ほどです。

会計ソフトは非常に多くの企業で使われており、企業活動をしていく上で欠かせないものとなっていることがわかります。

では会計ソフトを利用している内訳で、クラウド会計ソフトはどれくらいの割合を占めているのでしょうか。実は、15%ほどしか利用されていません。単に数値をみれば、クラウド型はほとんどの企業で使用されていないマイナーなタイプのようにも思えます。しかしこれはクラウド会計ソフトが登場してから年月がそれほど経っていないための結果とも言え、今後、クラウド会計ソフトの利用率は高まっていくとみられています。

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働き方改革が推進され、テレワークなど新しい働き方が一般的になれば、働き場所にとらわれないクラウド型のシステムはより需要が高まると考えられるからです。

クラウド会計ソフトを導入するメリットとは

クラウド会計ソフトを導入することで得られるメリットは多くあります。主にデータやシステム管理に関すること、コスト面などに良さが発揮されています。

メリット1:常に最新の状態で使用できる

インストール型の会計ソフトでは基本的にバージョンアップがあるとそのたびにソフトを購入し、インストールをする必要がありました。ソフトの購入費用や、インストールの手間もかかります。しかしクラウド会計ソフトでは、クラウド上のシステムにアクセスする形で利用するため、開発元でシステムの修正があっても、メンテナンス時間を除いてすぐに利用することが可能です。

メリット2:インターネットバンキングとの連携

銀行口座やクレジットカードとデータの連携が取れることで大きな業務効率の向上が期待できます。クレジットカードの利用履歴などを会計ソフトに入力する手間も省くことができ、銀行口座の入出金などに関わる作業も短縮することが可能です。自動で入力されるため、人の手によって起こる入力ミスなども防ぐことができます。

メリット3:コストの削減

前述のとおり、クラウド型ではソフトを何度も購入する必要がありません。そのためコストを削減でき、特に月額で使用していくようなタイプだと初期費用が少なくて済みます。

メリット4:データのバックアップ

従来のインストール式会計ソフトを使う際、入力した多くのデータはソフトが入っているパソコンなどに保存されます。しかしこの場合、パソコンに故障などの不具合が生じると、同時にデータを消失してしまう恐れがあります。バックアップを残すようにしていれば予防することも可能ですが、クラウド型であれば、特に社内で対策をとる必要はありません。クラウドサーバー上にデータが保管されるため、接続しているパソコンに不具合が生じても、データには何の影響もないからです。現状、わざわざデータを外部の記憶媒体に移しているのであれば、クラウド化をするメリットが大きいと言えるでしょう。

また、ユーザーそれぞれが保存したデータを、複数の端末からリアルタイムに確認できるというメリットもあります。

メリット5:法改正への迅速な対応

ソフトのバージョンアップとも共通しますが、会計業務に関して法改正があると、ソフトの内容も調整する必要があります。クラウド型ならばこうした変化があったときにもすぐに対応でき、安心して使っていくことが可能です。

メリット6:どこでも会計ソフトが使える

インターネットが利用できる環境であり、アクセス権限があればどこでも操作できることは大きな強みとなります。デスクトップパソコン、ノートパソコンだけでなく、スマホやタブレットでも使用できるものも登場しています。

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導入にあたっては知っておくべき注意点もある

クラウド会計ソフトのメリットをいくつかご紹介しましたが、従来のタイプの機能・操作性すべてを上回っているかと言うと、そうではありません。

例えばコストの面を考えてみましょう。インストール型が購入時に1度だけ料金を支払うタイプが多いのに対し、クラウド型では継続して費用を要するものが多くあります。月額料金や年額料金として支払うタイプは、導入費用と運用コストについてあらかじめ計算しておきましょう。長期的に運用した場合、実際に従来型よりもコストが削減できるかどうかについては、きちんと検討する必要があります。

さらに注意が必要なのはセキュリティ面です。クラウド型のサービスでは、社内のトラブルがあってもデータに影響は出ませんが、大元のサーバーにトラブルが発生した場合はどうなってしまうのか、ということが懸念されています。年々セキュリティも強化されていますが、データが破損したり情報が流出したりする可能性は捨てきることができません。しっかりとセキュリティ対策を講じているベンダーとの契約が必要不可欠と言えるでしょう。

もちろん、セキュリティに関しては社内に保管するデータについても同じことが言えます。導入しようとする各ソフトについて、どのようなセキュリティ対策をとっているのかをしっかりと調べるのが良いでしょう。

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会計ソフトではなくクラウドERPという選択

今、多くの企業がクラウド会計ソフトの導入検討と同時にクラウドERPを選択肢として入れています。

その理由として従来企業全体のプロセスをコントロールできるERPは非常に高価なものでしたが、近年ERPもクラウド化し比較的手の届きやすい状態になってきたからです。

また、会計ソフトの問題点としてよく言われるのが、どうしても経理部門のみが使うソフトウェアとしてサイロ化するため企業業務全体のプロセスを管理することには向いていません。つまり業務全体の生産性向上には寄与しないということになります。

対してNetSuiteなどのクラウドERPでは、財務会計の機能に加えて生産管理や受発注など豊富な機能を一つのソフトウェアとして提供します。このことから企業全体の見える化や業務プロセスの統合による生産性向上など様々なメリットがあるのです。

まとめ

会計ソフトは経理業務にあたる上で非常に有効なものです。クラウド型のものを導入することで、さらに業務効率を上げることができるでしょう。主に使い勝手の良さやコスト面などにメリットが得られます。導入費用や運用コストなどもよく検討して、自社に合ったソフトを選ぶのが大切です。また、クラウド会計ソフトの導入を検討する場合には、より企業の成長に寄与できるクラウドERPも一つの選択肢として検討することをお勧めします。

今後はクラウド型の普及率も高くなると予想されるため、この機会に比較・検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

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