販売予測とは?そのやり方と注意点

 2019.04.25  クラウドERP編集部

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今年はどれくらいの売上が立ちそうか?

販売予測をすることは、企業にとって経営戦略を計画的に立案するための情報を整理することになります。そのため、すべての企業にとって販売予測は欠かせないものなのですが、そのやり方が分からない、という方も多いでしょう。

「今年は売上が5,000万円くらいはいきそうだなぁ」
「去年は3,000万円売り上げたから、今年は景気も良いし4,000万円はいくかな?」
「今年は設備投資も必要だし、6,000万円は売上がないと」

これらはいずれも販売予測ではなく、売上に対する単なる期待や予想、必要な売上を表しているだけで、こうした考えや言動は販売予測ではありません。本稿では、今さら人には聞けない販売予測の基本と注意点についてご紹介しますので、この機会にぜひ活用してみてください。

販売予測①ファネル分析から売上を予測する

ファネル(Funnel)とは「漏斗(じょうご)」のことで、顧客が製品の購入やサービスに至るまでには、すべてのビジネスにおいてファネルが存在し、最初の接点となるタッチポイントから徐々に顧客が絞られていき、最終的には一部の顧客が購入や利用に至ることを表しています。

ファネル分析は、このファネルごとの流入する顧客について分析することで、最終的な売上を予測し、販売予測を行います。たとえば、イベント・セミナーで獲得したリード(見込み客)がこれくらいだと、お問い合わせなど次のアクションに移行するリードはこれくらい、さらにそこから案件化できるリード数がこれくらいだから…といった具合に分析し、最終的な販売予測を行います。

こうした販売予測を行うためには、過去の販売データを分析し、ファネルごとの流入率等を算出する必要があります。こうしたデータはどの企業でも管理しているものかと思いますので、すぐにでも取り組めるでしょう。

ちなみに、ファネル分析を逆算して考えると、今期の売上目標が5,000万円だった場合、その目標を達成するためには何件契約が必要になるのか、何件クロージングが必要か、何件の案件化が必要かといった具合にさかのぼっていくと、売上目標に対するファネルごとの指標(KPI)を設定することが可能です。

Oracle NetSuite PBCS
NetSuiteプロジェクト管理

販売予測②売上履歴から売上を予測する

1年前の売上履歴(前年同月比)から販売予測を行うこともできます。計算はいたって簡単なので、ぜひ活用してみてください。

まずは1年前の売上履歴データを抽出して、そこに年間平均成長率をかけます。たとえ一昨年の売上が3,000万円、そして昨年の売上が3,500万円だった場合、同年間の成長率は16%((一昨年売上÷昨年売上)×100-100)となるので、昨年の売上に成長率をかけることで今年の売上が予測できます。

今年の販売予測:3,500万円×1.16(16%増)=4,060万円

もちろん、これはあくまで単純な計算式によって算出した販売予測なので、まだまだ正確とは言えません。さらに過去の売上履歴を遡って年間平均成長率を算出した上で計算をしたり、解約金額や契約更新、季節要因、政治情勢などさまざまな情報を加味することで正確な売上を予測することができます。

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販売予測はなぜ必要なのか?

2つの販売予測方法について解説しました。いずれの方法もシンプルなものなので、初めて販売予測を行う場合に最適です。販売予測を本格的に実施している企業ではもっと複雑な計算式によって売上を予測したり、あるいは予測分析ツールを使用して様々なシステムか生成されるデータを取り込み、販売予測を自動化しています。

そもそも販売予測はなぜ必要なのでしょうか?有効的な販売予測を実施するためには、販売予測の重要性についてしっかりと理解することが大切なので、その理由を紹介します。

1.「ジャストインタイム」を実現する

トヨタ生産方式における「ジャストインタイム」とは、必要な時に、必要なモノを、必要な量だけ供給するという概念です。ジャストインタイムを実現することで、在庫の無駄を無くし、すなわちコストの無断を無くして利益率を最大限高めることができます。

販売予測を行うと、将来的に、いつ、どれくらいの製品が売れるかを予測することができ、それに応じた調達計画や準備を行うことができます。このサイクルを適正化することで、過剰在庫と在庫不足を防ぎ、常に適正在庫を維持することができます。在庫とは会社の資産なので、過剰在庫はキャッシュフローを圧迫し、在庫不足は機会損失を生みます。

また、人材などの経営資源の最適配置も可能になります。

2.顧客満足度を向上する

ビジネスにおいて、顧客には許容時間(納品まで許容できる時間)があり、企業には供給時間(納品までの時間)があります。許容時間を供給時間が超えてしまうと、それは顧客にとっての不満足であり、会社に対する印象や信用は低下します。しかし反対に、許容時間が供給時間を超えると、顧客満足度は高まります。

販売予測を行い、適正在庫を保つことで、顧客が要求するタイミングで素早く製品を納品することができ、顧客満足度向上に繋がり、最終的には自社の収益向上に繋がっていきます。

3.予測した売上に応じた経営戦略

全期や半期、四半期を通してどれくらいの売上が立つのかを予測しておくと、企業はそれに沿った経営戦略を取ることができます。必要に応じて経営戦略を調整することで、継続的な成長を手にすることが可能です。

以上のように、販売予測はどんな企業にとっても欠かせない分析であり、販売予測方法を確立することでよりデータにもとづいた経営を実施することができます。

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販売予測を簡単にするERP

高度な販売予測を簡単に実施するためには、ERP(Enterprise Resource Planning)の導入が欠かせません。ERPとは経営資源を一元的に管理するための経営手法であり、それを実現するためのIT製品をERPパッケージと呼びます。ERPを導入することでデータを一元化できるため正確なデータの取得が可能になります。

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