予算管理の業務フローを理解する

 2019.10.23  クラウドERP編集部

新入社員、新規配属の方必見!ERP入門特集

会社の使命の1つは「持続的に利益を生み出すこと」です。では、この使命を果たすためにできることは何でしょうか?最初に思い浮かべるのは売上高の向上でしょう。商品やサービスをより多く販売すれば、それに比例して利益も増えます。次に原価低減です。販売価格に含まれる原価の割合を下げることができれば、その分 利益率が上がることになります。

そしてもう1つ、より多くの利益を生み出すために欠かせないことが「予算管理」です。本稿では、予算管理の基礎から業務の流れまでご紹介していきます。

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予算管理とは?

会社の利益目標を達成するには、まず売上目標を立てて達成に向けた計画を作る必要があります。では、その売上計画を達成するのに必要なこととは何でしょうか?それは、目標とする売上高を確保するために必要な費用を計算し、計画を立ててその計画通りに費用を使い、売上をあげていくことです。これを一般的に「予算管理」といいます。

予算=収入と支出の目標及び計画

ちなみに「予算」と聞くと、支出面だけを考える方も多いですが、企業経営では「収入と支出を含めた目標及び計画」を指す場合がほとんどです。予算管理では会社の利益目標を達成するための売上目標も管理しますし、その売上目標を達成するための費用も管理します。予算項目は大きく分けて4つあります。

1.利益予算

期中において達成すべき利益目標を指します。たとえ売上予算を達成できなくても、高い利益率をただき出して利益予算を達成すれば結果オーライなので、細かい利益予算計画が欠かせません。

2.売上予算

会社が利益予算を達成するためには、1つの指標として売上予算が欠かせません。会社にとっての主な収入は商品やサービスを販売した際に発生する売上であり、売上予算とは売上目標と討議です。予算管理では、売上予算を達成するための進捗管理が欠かせない上に、市場動向などの影響を強く受けるため柔軟性も必要になります。

3.原価予算

商品を製造・販売するのと、サービスを提供するのには必ず原価がかかります。たとえば製造業では売上予算を達成できるだけの商品を製造する必要があり、それに応じて原価予算も変動します。さらに、原価予算を低く設定し、達成することで利益予算の達成に貢献するため、とても重要な予算項目です。

4.経費予算

会社が売上を上げるためには原価以外に経費もかかります。主に人件費、交通費、その他人材にかかわる諸々の費用や、オフィス賃料や光熱費など、会社を運営するために必要な費用も含まれます。経費は利益や売上に間接的に関係するものなので、中長期目線での計画が欠かせません。

予算管理の業務のながれ

ここでは、予算管理業務の大まかな流れについてご紹介します。予算管理の業務は「PDCAサイクル」になぞって考えると分かりやすいでしょう。

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1.Plan 予算編成

予算管理の業務フローの始まりは、予算編成です。一般的には期初までに1年間の予算編成を組み、それを半期、四半期、そして月次に落とし込んでいきます。今後1年間に必要な利益や売上高、経営資源を決めていく重要なステップです。

予算編成は大まかに「トップダウン方式」か「ボトムアップ方式」で決定していきます。

<トップダウン方式>

経営陣が全体的な予算編成を決定し、その数値を事業・部門へと落とし込んでいく方法です。トップダウン方式は予算編成に時間がかからないのが大きなメリットであり、かつ経営資源を効果的に配分できます。ただし、予算編成が現場の実態と乖離している場合もあるため、中規模~大規模の会社では不向きな方法でしょう。

<ボトムアップ方式>

各部門が予算編成を立て、それらの結果を積み上げて全体的な予算編成を作るのがボトムアップ方式です。現場の状況を熟知した部門責任者などが現実的な予算案を作るため、実態に即した予算編成が行えます。その反面、予算編成が完了するために時間がかかったり、度々調整が必要になったり、場合によっては会社の利益に無関係な予算が含まれる可能性もあるため、適正判断が難しいのがデメリットです。

トップダウン方式とボトムアップ方式を組み合わせて、大まかな予算編成を経営人が作り、部門責任者がそれに調整を加えるとう方法もあります。大切なのは、会社の規模などを考慮しつつ適切な方法を選択することです。

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2.Do 予算計画の実行

予算編成が完了したら、計画にもとづいた管理を行っていきます。一般的には「予算管理規定」に従っていくことになるでしょう。

主な管理方法は、予算編成とのずれがないかを逐一チェックすることです。1年間の予算編成を半期、四半期、月次へとドリルダウンしていき、月次目標を明確にした上で予算編成とのずれを確認するのが通常の方法です。

ただし、月次では予算編成とのずれが大きくなりすぎてしまう可能性も高いので、予算目標をさらに週次、日次に落とし込んでいき、リアルタイムに進捗度を管理することが大切です。

3.Check 実行結果の分析

予算管理において1番大切なことは、予算編成とのずれが起きないようにすることではなく、ずれが起きた際に差異分析を行い、何が原因なのか?を突き止めることです。

初めて予算管理を実施した場合を除いて、予算編成は前年の実績などをもとにして作られます。従って、予算編成とのずれが大きい場合は、予算に問題があるのではなくビジネスそのものに問題がある可能性が高いでしょう。

その原因を突き止めることが、計画した予算編成を達成することに繋がるため、最も大切な工程だと言えます。

4.Act 予算計画の改善

最後にステップは、予算編成との差異分析を行い、問題があった場合は予算計画の改善を実施することです。予算管理というのは、予算を達成してこそ意義があり、そのためには精度の高い予算計画が欠かせません。

精度を高めるためには継続的に改善を実施して、予算計画をより実態に即したものへと修正していく他ありません。

以上のように、予算管理では「PDCAサイクル」に則って持続的にサイクルを回していくことがとても大切です。もちろん、各ステップにはここで説明した以上に細かい作業がありますので、予算管理規定で細かくルールを設定し、業務マニュアルを作成して業務の標準化を図ることが予算管理を効率よく行うpointになります。

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予算管理ツールを使ってみよう!

予算管理を行うにあたり、エクセルを使っている、あるいはエクセルの使用を検討しているという企業は多いでしょう。多くの企業にとって標準的に導入されているツールなので、追加コストが発生しないというのはかなり魅力的です。しかし、エクセルは最新版管理が難しいこと、共同作業ができないことなどを考慮すると、管理コストが増大する傾向にありますので、中小零細企業以外では使用されないことをおすすめします。

その代わり、予算管理ツールを使ってみましょう。予算編成時のデータ入力画面をシステムに統一でき、予算編成も大変スムーズに行えます。その後の予算進捗管理等も効率よく行えますので、エクセル以上にコストパフォーマンスが高いのは確かです。この機会に、予算管理ツールについて検討してみてはいかがでしょうか?

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